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✒ 天狗山樹海 2


──*──*──*── 1ヵ月後


 天狗ざん樹海へ入ってから1ヵ月(30日)を迎えた。

 1ヵ月間(30日間)も樹海の中を歩いて移動している。

 もう、ウンザリだよ!!


 この天狗ざん樹海を抜けたら≪ 平安京 ≫迄は歩いて10日で到着する事が出来るらしいけど、ちゃんと正しい方角へ進めているのかが心配だ。

 セロが方角魔法を発動してくれているから矢印を目印に進んで行けばいだけなんだけど……。


 別にセロの古代エンシェント魔法マジックの正確さを疑ってる訳じゃないんだけど、1ヵ月間(30日間)の樹海生活でオレの心はだいぶんすさんでしまったようだ。

 はぁ…………早く樹海を出たい。


マオ

「 セロぉ~~~。

  矢印の色が全然変わらないけど、ちゃんと≪ 平安京 ≫を目指して進めてるんだよな?

  間違いないよな?? 」


 オレは同じ事を1時間ごとなんも確認するようになっていた。

 オレの心はんでいるんだ。


セロフィート

「 マオ…。

  きみは壊れたラジオのように同じ事を聞きますね。

  飽きません? 」


マオ

「 オレはぁっ、不安なんだよ!

  右も左も前も後ろも森だらけで、変わらない景色ばっかり見てて、気がどうにかなりそうなんだよ!

  セロには分からないのかよ! 」


セロフィート

「 分かると思います? 」


マオ

「 分かる努力をしてほしいんだけど! 」


セロフィート

セロフィートは努力しません 」


マオ

「 少しは、しろぉ!! 」


セロフィート

「 はいはい。

  楽しいですね、マオ♪ 」


マオ

「 オレは楽しくないんだよ! 」


 セロに八つ当たりしても無駄だ。

 やみつうじないもんな!

 づるさんは歩きながら玉にほうりきを込める作業に集中しているから、話し掛けるなんて出来ないしなぁ。

 ずっと景色の変わらない森の中を歩いていて、づるさんは気が滅入ったりしないのかな?

 厳しい訓練や修行を耐え抜いて退魔師になれたゆえの余裕なのか?






セロフィート

「 今夜はで野営します 」


マオ

「 オレ……もう寝たい…… 」


セロフィート

「 マオ、寝る前にテントを張って、ゆうを作ってください 」


マオ

「 鬼ぃ!!

  セロがテントを張ればいだろが!!

  魔法マジックでパッと出して、バッと張れよぉ!! 」


セロフィート

「 マオ、テント張りはキャンプの醍醐味です。

  ワタシとづるさんのぶんもファイトしてください♪ 」


マオ

「 鬼畜大魔王めぇ~~~~ 」


セロフィート

「 はて……誰の事です? 」


 セロは魔法マジックでテントを出す気も無ければ、テントを張る気も無いらしい。

 酷過ぎるぅ!!

 人一倍頑張ってるオレをいたわってほしい!


 仕方無いからオレは魔法マジックの鞄(バック)から野営で使うキャンプ用品を入れている魔法マジカルの袋(バック)を取り出す。

 魔法マジカルの袋(バック)から折り畳んであるテントを出したら、平地に置いて広げた。

 テントが飛んで行かないようにアース魔法マジックを使って地面に固定する。

 アース魔法マジックで調理するのに必要な簡易竈,簡易調理台,簡易流し台をついでに作る。


 魔法マジックの鞄(バック)の中から温めたら食べられる料理が入っている魔法マジカルの袋(バック)を出して、料理を取り出す。

 1から作らなくてもいようにまえもって作ってあるんだ。


 今晩の料理は野菜ベジタブルゴロゴロのカレー風味のポトフーにしようと思う。

 こだわりの肉厚ベーコンを使ってコトコト煮込んである。

 付け合わせは五穀米パンを使って、セロが好きなサンドイッチを作る。

 角切りしたフレッシュなトマトを溶き卵と一緒に炒めたトロぉ~~なオムレツを五穀米パンに挟んだら出来上がり!

 黄金の卵の中に濃厚でクリーミーな生クリームを入れて混ぜ合わせた溶き卵を使った。


 出来上がった料理を木製の食器に盛り付けたら完成だ。

 見た目も大事だから、気合を入れて盛り付けてみた。






マオ

「 ──よし、出来た!

  セロ,づるさん、料理が出来たよ! 」 






 ゆうの料理を食べ終わったあとは、セロが皮を剥いて切ってくれたようをデザートとして食べる。

 見た目は桃に似ているけど、歯応えは梨みたいにシャキシャキ,シャクシャクしている。

 みず(みず)しくて、触感も悪くない。

 味はスイカに似ている。

 うん…………くはない。

 ようだって知らなかったら、いくらでも食べれてしまうだろうな。


 セロはようを使った料理やスイーツを作ろうとしているみたいだ。

 どうやら果物フルーツとして食べれるようは〈 (原質)(みなもと) 〉で構成する事は出来るみたいだ。

 なんでだろうな??

 オレには構成が出来る出来ないの仕組みは分からないけど、またガッポリでもする気なんだろう。


 ちなみに妖怪は、ようを守る為に樹海のあちこちて、ようの見張りをしているらしい。

 妖怪側からすれば、オレ達は侵入者で強奪者だから敵だと認識して、排除する為に襲い掛かってるんだとか。

 まぁな──、母なるようじゅからみのってるようは、妖怪にとっては兄弟のような存在なんだと思う。

 成熟して地面に落ちたらように変わって家族が増える訳だ。

 成熟する前にようを取るやからは間違いなく敵だし、強奪者だろう。

 排除する為に襲ってるのは当然の事だ。


 妖怪には妖怪なりの正義があるんだよな。

 そう考えると、オレ達側に正義はあるのかな??

 …………いや、無いか。

 うん、正義って言う程の正義なんて欠片も無いな。

 ≪ 平安京 ≫に早く着けるように、近道をする為に樹海の中を移動する事が目的だしな。

 この目的を “ 正義 ” とは言わないだろう。


 そう考えると、オレ達がに自分勝手な事をして迷惑行為をしているかく分かるってもんだな。

 改める気もさら(さら)ないんだから余計にタチが悪いってもんだ。






 後片付けはセロが古代エンシェント魔法マジックでしてくれた。

 頼むからぁ、準備も古代エンシェント魔法マジックでしてくれよぉ……!!


 セロはづるさんと話す事があるみたいだから、オレは一足先にテントの中へ入って就寝する事にした。

 セロとづるさんがなにを話すのか──、内容が気になりはするけど……疲れているから仕方無い。

 手強い睡魔の誘惑には勝てないもんな。

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