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✒ お墓参り 5


──*──*──*── 翌日


──*──*──*── 墓地


 昨晩のゆうには、腕に縒りを掛けて作ったセロとの合作カレーを披露した。

 づるさんにも大好評で気に入ってもらえた。

 まぁ、やっぱり見た目の色には抵抗があったみたいだけど、空腹は食欲をそそるカレーの香りには勝てなかった──って所か。

 色の問題はあるけど、カレーの誘惑に負けてカレーを口に入れる迄の理性と葛藤するづるさんの姿に不覚にも萌えてしまった(////)

 オレにもSっがあったと言う事か……。

 ちょっぴりショックだ。


 いきなりカレーよりも、カレー風味のポトフーとかカレー風味の野菜ベジタブル炒めとかカレー風味パスタとかから、カレーの色に対する抵抗感を薄めてからカレーを出した方がかったかも知れない。

 順番は間違えちゃったかも知れないけど、づるさんに気に入ってもらえてなによりだ。

 ブラック企業並みのハードな五行軍で頑張っている師匠や兄弟きょうだい弟子達,元仲間達にも「 食べさせてあげたい 」って言っていたから、かなり気に入ってくれたと思っていのかな?


 カレーのルーはセロにしか出せない入手不可能な代物だから、づるさんは沢山のスパイスをブレンドしたカレーしか作れない事になるんだよな。

 そもそも、スパイスを用意するのが大変な作業になる。

 薬草ハーブを育てられるキノコンだったら、スパイスの原料になる植物を作れるかも知れない。

 セロに頼んでみようかな。


 なんて事をオレが1人でもん(もん)と考えているあいだづるさんは、お墓参りを済ませたみたいだ。

 両親の家墓に手を合わせて参ったあと、慰霊碑にも手を合わせて参っていた。


 セロが整地して綺麗に整えてくれた墓地を見た弦さんは、凄く驚いたみたいで言葉を失っていたけど、両親の遺骨を納骨してある家墓を見て涙を流していた。

 オレにはづるさんが流した涙が嬉し涙なのかは分からない。

 妖魔にわれた里人達の遺骨をセロに頼んで〈 (原質)(みなもと) 〉で構成してもらったけど、その事がづるさんにとってがたい事になるかは分からない。

 人に依っては迷惑な行為である場合だってあるだろうし。


 はたから見れば善意な事でも、誰かにとっては必ずしも喜ばれる善意になるとは限らないもんな。

 余計な事をしたかも知れない。

 別に悪い事をした訳じゃないんだけど、受け入れてもらえるとは限らないんだよなぁ……。

 善意は押し付けるモノじゃないし、押し付けてしまったら、善意は善意じゃなくなる。

 善意ってむずかしいよな?


 セロに〈 (原質)(みなもと) 〉で構成してもらった遺骨の中にづるさんの母親らしき人の遺骨があったらしく、骨壺の中に全骨されている。

 家墓の中にも納骨はしたけれど、父親の遺骨は出なかった。

 もしかしたら、づるさんの父親は今もかで生きているのかも知れない。


厳蒔弓弦

「 ──セロ,マオ、がとう。

  言葉を忘れてしまう程、墓地が見違えて驚いた。

  手が付けられない程に酷く荒れていた墓地が見る影もなく綺麗な墓地に生まれ変わっていて……。

  まるで夢を見ているみたいで……覚めてしまわないだろうか? 」


マオ

「 喜んでもらえた──って事でいのかな? 」


厳蒔弓弦

「 あぁ、勿論だ。

  私の母親の墓石だけでなく、里人全員の墓石も建ててくれて──、立派な慰霊碑まで建ててくれた事に感謝している。

  セロとマオに返しきれない恩が出来てしまったな 」


マオ

づるさんに喜んでもらえてかったよ。

  ほんは余計な事をしちゃったんじゃないかって内心、ヒヤヒヤしてたんだ… 」


厳蒔弓弦

「 余計な事なんて、とんでもないさ。

  墓地を荒らして壊すなら兎も角、なおして綺麗にしてくれたじゃないか。

  喜ばない訳がない。

  私1人では到底出来ない事だ。

  これも魔法…とやらの力なのか? 」


マオ

「 そうだよ 」


セロフィート

「 地面に埋まっていた遺骨も土に溶けてしまっていた遺骨も掘り起こしてあります。

  地面の上を歩いても、罰当たりになりません。

  安心してお墓参りが出来るようにしました 」


厳蒔弓弦

「 そんな事も魔法とやらで出来てしまうのか?

  セロの魔法は凄いな 」


セロフィート

「 手間暇掛かる作業も魔法マジックく使えばはかどります。

  家墓の中には骨壺を納骨しています。

  骨壺には誰の遺骨が入っているか分かるよう、名前が刻まれています。

  霊標板には納骨されている御先祖の本名,歿年月日,歿年齢が彫ってあります。

  の家墓に誰の遺骨が眠っているか分かるようにしてます 」


厳蒔弓弦

たしかに分かり易いな 」


マオ

づるさん家の霊標板には、お母さんの名前しか刻まれてないよね?

  お父さんは “ 生きてる ” って事だよね?

  一緒に≪ さちまの里 ≫から逃げたの? 」


厳蒔弓弦

「 いや──、妖魔に襲われた日以降、父とは会っていないな。

  かで生きている……か。

  そうかも知れぬな… 」


マオ

づるさん、お父さんを探す為に五行軍を抜けたんじゃないの? 」


厳蒔弓弦

「 いや、私の両親も妖魔に抵抗していた里人と一緒にわれたと思っていたからな。

  生きていると知ったのは、ついさっきだ…。

  私以外にも生き残りはなんめいたんだ。

  妖魔を退治して回っていた五行軍の精鋭部隊に保護されてな。

  生き残った数名で五行軍に世話になっていた。

  私達は運がかったんだと思う… 」


セロフィート

「 そうですね。

  出来過ぎているようにも思いますけど…… 」


マオ

「 出来過ぎてるってなんでだ? 」


セロフィート

「 ふふふ。

  読書をしている所為か想像力が膨らみます 」


マオ

「 誤魔化すなよ~~ 」


セロフィート

「 命日のお墓参りも済んだようですし、お団子でも食べながら話しましょう 」


マオ

「 お団子?!

  みたらし団子と三色団子とが食べたい! 」


セロフィート

「 はいはい。

  茶屋のキノコンに聞いてください 」


厳蒔弓弦

「 団子か。

  久し振りに食べるな。

  みたらし団子や三色団子は初めて聞く名前だが…… 」


マオ

「 三色団子は桃色,黄色,緑色をした団子が串に刺さってるオサレな団子だよ!

  みたらし団子は── 」


セロフィート

「 マオ、お団子を語るなら茶屋についてからにしてください 」


マオ

「 分かったよ~~ 」


厳蒔弓弦

「 マオは団子が好きなようだな 」


マオ

「 うん!

  一口サイズで食べ易いし、モチモチしてしいもん♥️ 」


 キノコンが作ってくれる団子もしいんだよな!

 早く茶屋へ行かないとだ!

 セロとづるさんと一緒に墓地を出て、茶屋へ向かって歩いた。

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