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しまうま
4時間ぐらい空腹だったのでそろそろシマウマが肉にしか見えなくなってきた。食欲ってのはほかの欲とかは比べ物にならないぐらい強いのだ。さっさと殺っちまわないと生肉を食うことになる。匙はもう投げられているのだ。
「んんうー?!」
「あ・」
シマウマが目を開けようとしている。早くやらないと。
「あいgんf」
まるで殺したと思っていた知人が生きていたかのような反応をしやがる。これから死ぬのはお前なんだけどな。はっはっは。ペンはもう一秒でおまえの体皮に到達するぞ!!!ぽん!と、音がした。シマウマは口から火を吐いてた。吐き出していた。だろうか。まああの時はそんなこと思えなかったわけだが。あまりに非現実的な光景だった。体は動かず、炎がすぐ消えてなかったら火傷をしていただろう。小説などで想像、創造・・・シマウマが火を出してる物はなかったな。
それぐらいシマウマが炎を出している場面は異様であったのだ。逃げよう、本能でそう思った。勝ちようがない。俺はしっぽを巻いて逃げだした。