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G.A.M.E  作者: 黒煙草
3/3

キャラ作りは最初の基本

俺がまぶたを開くと、そこは一面彼岸花だった


キャラクターエディット────ゲームを始める際はキャラクター作りから始まるのだが、以前の超大作オンラインゲームではリアルとゲームは区別すべきプレイヤーと、リアルに沿った、擬似的模倣プレイヤーとで別れていた


俺は後者だが、基本的に前衛職なので兜や鎧の頭を被っていたりしていたので、顔を拝めたプレイヤーはレア武器がドロップするとか無茶苦茶な迷信が飛び交っていたりした



ふと、目前にテキストが現れる


”己に似せてければ、妄せず、想え”


妄せず、想え……?妄想するなってことか?

しかしそれ以外のコンソールは見当たらず、彼岸花を無視して座り込み、言葉通りにイメージするか別の自分をイメージするか悩んだ


結論は感覚1時間くらいで出た


”…魅せよう”


なぜか堅苦しい言葉とは別に、急に現れた霧を分けて歩いてくる彼岸花の上に立つ存在を俺は見た


肩まである黒髪

170くらいのタッパには筋肉は浮き出ておらず、しかし無駄な肉もついてない肉付きをしている


「服までイメージしたはずだが、全裸か」


”問おう、貴様は何を望むか”


言葉と共に現れた2つのステータス画面

ひとつは職

ひとつは……なんだこれ?


「富、武、注目……性格を表してるのか?」


”否、それはたどり着く末”


まじで言葉すくねぇなこいつ、苛立ってきたわ


「まぁなんでもいいや、『無欲』で」


なんでもいいと言いつつも、数秒間熟考したのはここでの話


”『無欲』……全てを望まず、何も得ず、か”


余計な世話だといいたいが、ゲームごときにムキになるのも頭が悪い


”ならば進め、『無欲』の英雄卵よ……”


俺はスクと立ち上がり、1歩踏み出した

すると俺の作ったキャラクターが走ってきたので何も考えずに受け止めた


気づけば彼岸花もなくなり、俺────シャドウ(プレイヤー名)は霧が晴れるまで彷徨うのであった







服装をタンクトップとジーパンに身を包み、夜の森の地面を這う男がいた


「……薬草、これで10本、目標本数と…」


俺は霧が晴れた場所は草原、時間帯は夜間でライトの照らされたコンクリートらしき道路が敷いてある道を辿りバカでかい教会のある都心部を目指して歩いたのが数分前


都会に入り、所々光が湧くビル群を見上げながら教会に入ると依頼(クエスト)受付所で俺を英雄卵として登録を済ませた


未だチュートリアルなんてなく、しかしステータス画面からログアウト出来るのでクエスト1つこなしてご飯を食べようと目論むと、夜の森に入ったまでだ


”宵闇深く森林に蔓延る薬の草を採取せよ”


これがクエスト名だ

時間帯によってクエスト名が変わるようで、朝や昼で変わるらしい


序盤といえば序盤かと、意気込みながらも目標本数の10本目を抜き取り、ライトを照らす道路を徒歩で帰った


「なんてーか、ファンタジーにしてはリアル感半端ないな」


道路もまた、現実の謎原理で浮く白い道路とは違い真っ黒なのだ

リアルの昔のタイヤはゴム質だった。今歩いている道路はそれに適した道路であると認識できた


「ゲームはゲーム、リアルはリアルで分けろと言いたいが……」


宇宙進出してる今、ロケットに乗るための教材もゲームは用いられており、『萌え』の上位互換、『蕩れ』をふんだんに用いた可愛いボイス、イラスト、性格はツンデレやクーデレなど蔓延っている


真面目な教材とふざけた教材の比率は8:2だろうが



教会につき、依頼成功の表示を見て俺はログアウトした


──────────────────────




「遥さん……寝ちゃったかな?」


時刻は学校から帰ってきてから2時間が経っており、普段なら今の時刻に晩飯を摂る時間帯でもある

だが、今日は早めということで無断でVRオンラインゲームしてしまったことに罪悪感がありつつも遥さんを探す


といっても台所かリビングルームにいると思われたが────


「あれ、いないな…」


もぬけの殻、という言葉が似合うリビングルームには電気は着いておらず、静寂が物語っていただけだった



すいません、出直してきます……

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