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under 500

腕が三本あったら人生変わってた

今日は、何だか少し幸せが多い気がする。


空気中に、何処からか幸せが漏れたのだろうか。


坂を登るのも、全然、苦じゃない。


坂の先には、僕の家がある。


家に帰って、大好きな鍋をひとりで作る。


それが、僕にとっての最大の幸せなのだ。


両手には沢山の野菜がぶら下がっている。


ビニールの袋がはち切れそうなくらい、パンパンの野菜。


ビニールの持ち手が、手のひらに食い込んでしまうほどだ。


坂の上の方を見ると、何かが転がってくるのが見えた。


それは、坂の中腹の人が落とした、あの高級食材だった。


僕は迷った。


両手は塞がっている。


両手に持っている食材を置いたら、それも転がってしまうくらいの急な坂。


その坂の転がる先には、流れの早い川がある。


拾わなければ、すぐに、遠くの方へ流れていってしまう。


僕は迷ったが、その高級食材を受け流した。


そして、高級食材を追いかけ下ってゆく女性も、軽く受け流した。


僕は、少しの後悔と共に、上にある幸せを目指した。


腕が三本あったら、人生変わってた。


僕の腕が三本あったなら、助けたお礼に、きっと高級食材を分けてもらえただろう。


そうなれば、坂の上での幸せは、もっと満ち溢れたものになっていたはずだ。

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