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貯まった運で核兵器を  作者: レイジー
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さぁーて、次回のお客様は?

 5人それぞれが日常を取り戻していた頃、オットロは第2世界で部長に対し今回の報告を行い再び大目玉を食らっていた。


「馬っ鹿もーーーん!!!”合算”システムを第7世界の人間に適用するとは何事だーー!!」

「ひぃぃぃっっ、すみません~~~!!!」


 数十分に渡る説教が終わった後、抜け殻の様な状態のオットロが部長室からはいずり出てきた。


「はぁぁぁぁぁ…」


 そして魂が抜けたままトボトボと歩き、オフィスの自席にどかっと腰を下ろすとデスクの上に頭から突っ伏した。


「おい、オットロ?口から魂抜けてるぞ?」


 隣に座る先輩男性社員から声を掛けられるオットロ。


「ひ~ん、だってぇ~…」

「まぁ色々大変だったみたいだな。お疲れさん」

「はい~…」

「つっても伸びてる暇はねぇぞ。ノルマは来月も再来月もやってくるんだからな」

「はぁぁぁ、それを今言わないでくださいよぉ~…」


 オットロが頭を乗せているデスクに資料のような冊子が置かれ、オットロの目線を遮った。


「ほれ。俺なりに第7世界の市場色々調査しといた追加資料。地球のことももちっと突っ込んで調べといた。今度は失敗するなよ」


 オットロはムクッと起き上がり、両手を合わせ拝むように男性先輩社員にお礼を告げた。


「先輩~、ありがとうございます~。やっぱり頼れるのは先輩です~。私が出世したら、間違いなく一番の部下にする約束、絶対守りますぅ~!」

「あ、あのなぁ…」


 男性先輩社員の呆れ顔はすでにオットロの視界には届いておらず、その視線は資料に奪われていた。

営業成績のため、次のターゲット探しに余念を見せないオットロ。

そして仕事に戻る男性先輩社員。

オフィスに座る誰もが次の”客”を求めて孤軍奮闘するオフィス。

明日もまた、不思議な世界に見染められた誰かがデパートアトランティスの門を叩くのだった。

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