最後の秘策、それは”合算購入”
突然ドレッドが放った発言にギルティとギムは俯いていた顔を上げた。
「3人分だ。お前らも持て」
「…何をするつもりだ?ドレッド」
「決まってんだろーが。残った"”運”で何が買えるか見るんだよ。商品は無くなっちまって売れねぇが、俺達は世界を救ったんだ。これで”運”が足されてなきゃ嘘だろ?」
「そ、そうか!」
「1人でも2人でも生き返らせられればそれでいいだろ。せめてエリカだけでも…」
「人間を生き返らせる類のものは高額で、我々ではほぼ手が出ないと言われただろ」
「んじゃあ俺達の被爆した体を治すとか、ぶっ壊れた街を元通りにするとか、とにかくこの状況を少しでもマシなもんにするもん探しやがれ!」
3人はオットロからリストボードを受け取り購入可能商品に目を通し始めた。
「…使い切ったと思った割にはだいぶ”運”が増えているな!やはり世界を救ったからなのか?」
「神のみぞ知る、ですぅ~」
「…だが、やはりめぼしい物は何も…」
「私もだ」
「ちっ、しみったれやがって!」
ボードを地面に叩きつけるドレッド。
「おい姉ちゃん、何か方法はねーのかよ?何かこうすれば手っ取り早く”運”を貯めれるとか、商品盗む方法とか、なんかこう裏技的なものはねぇのか??」
「え?えぇ~…。そ、それは~、いやー、ないですね~。商品盗むだなんて、”不運”どころか”天罰”が下りますぉ~!」
オットロの様子を眺めていたギムは少し訝しい表情を見せた。
そしてオットロの隙を突きポケットから素早く取り出した”トルトーネの涎”をオットロに吹き掛けた。
「あぁぁぁぁあ~~~!!!」
両手で払いのけるも、既にオットロは大きくその霧を吸い込んでしまっていた。
「あぁ、あ、あぁ…」
「さぁオットロさん、答えてください。何か隠してますね?この状況を何とかする方法はありませんか?」
「あ、あぁ、あぁ~…が、”合算”という方法がありますぅ~…」
「”合算”?」
「ひ、ひとつのボードを3人で持てば3人の”運”が合算されて、3人の”合計運”でひとつの商品を購入することが出来ますぅ~…」
「な、なるほど!そんな方法が!?」
「あぁぁぁ~、し、しまったぁ~!”合算購入”は第5世界以上のお客様に対する特別対応なのにぃ~…」
「おいギム、どうなってんだ?なんだそのスプレーは?」
「私が購入した商品、”トルトーネの涎”さ。これを吹きかけられた人間は一定時間本当のことしか喋れなくなる」
「…そういえばそんな商品もあったな」
「…なんでこいつが隠し事してるって分かった?」
「言っただろ、”刑事の勘”さ」
「っは!」
ドレッドはギムに対して笑みを投げ飛ばした。
その横でギルティもまた、ギム刑事にこっそりと微笑を向けていた。
そして3人はひとつのリストボードをそれぞれが持ち、ボードに映る購入可能商品の一覧に目を通し始めた。
「…へぇ、さらに夢みてぇな商品があるもんだな」
「悪用は許さんぞ」
「あー、あー、うっせぇ、うっせぇ」
「2人とも、これはどうだ?」
「…あぁ、これだ」
「…異議無ぇ」
意見を合致させた3人はオットロ誘導の元、商品購入のため第2世界へと姿を消して行くのだった。




