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貯まった運で核兵器を  作者: レイジー
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”生きる”という意思の重み

 3人に呼び出されたオットロはヨシオが操るロボットを見てその商品名を口にした。


「あー!あれは”デストロイド1号”ですね~。ヨシオさんがご購入された商品です~」

「デスト…?あれは一体どういうものなんですか?」

「ご覧の通り大量破壊を目的とした兵器型ロボットです~。武器商品の中では結構高額な物でとても性能がいいんですよ~。一国の破壊くらいならお茶の子さいさいです~」

「何であの自殺小僧があんなものヤベェもの買ってんだ?俺のリストにはあんなもん無かったぞ!」

「はいー、恐らく他4人の方のリストには無かったはずですねぇ~。あれは結構な高額商品ですから。私もこの第7世界にあれをご購入出来る方がいらっしゃるとは驚きでした~」

「…我々5人の中で、彼が一番”運”を貯めていたということですか?」

「はい、左様でございます~」

「何故だ?あの少年が一体どんな徳や功績を積んだというのだ?」

「元々は”運を使わず貯めていた”タイプの方ですね~。その上でヨシオさんは大きく”運”を構築していましたよ~」

「構築?一体どうやって?」

「彼は長年いじめに遭っていらっしゃいまして、何度も自殺を願っておりました。しかしその都度前向きに考え思い留まるということを繰り返していらっしゃった様子です~。”運を使わない”そして”苦しみに耐える”更に”生きることを決意する”が相互関係でいい結果を生んだと我々は推測しておりますねぇ~」

「ちょっと待て。それならエリカだって似たようなことだろ?エリカの方が何倍も苦しい目に遭ってきてるはずだ!」

「はい、なのでエリカさんもかなりの”運”を貯めてらっしゃいましたよ~。彼に次いで2番目です。まぁ単純にエリカさんは兵器系の商品に興味はおありでなかったみたいですね~」

「ま、まぁそりゃそうか…」

「”生きることを強く決意する”というのはかなり神様に愛される行為の模様です~。普段何気なく生きている方々にとっては中々難しいことですけどね~」

「その結果がこの大惨事?そんな馬鹿なことって…」


 そうこうしているうちに巨大ロボットは刻一刻と警察の防衛ラインに近付いて来ていた。


「お、おいギム、何とかしやがれ!!」

「言っただろ、ミサイルを撃ち込んでもびくともしないんだ!今本部に特殊部隊の出動を要請している、それが到着するまでは何とか持ちこたえるしかないんだ!!」

「いや~、でも第7世界の兵器技術ではデストロイド1号には太刀打ちできないと思いますよ~。核兵器ならあるいは…」

「そうだ!おい殺し屋、テメェの核兵器をぶち込んでやれ!!」

「貴様正気か?こんな所で核兵器を爆発させたらどれだけの死者が出ると思ってるんだ?」

「じゃあこのまま世界中が破壊されるまで指加えて見てろってのかよ?」

「く、くそ、せめて彼の動機と要求が分かれば…」

「おい姉ちゃん、お前強ぇんだろ?何とかしやがれ!!」

「異次元の揉め事に手を出すのは条例違反になります~」

「テメェがあんなヤベーもん売り捌くからこんなことになってんだろーが!!」

「お選びになられたのはお客様なので~。ご購入後のことは弊社責任範疇外ですぅ~」


 一連のやり取りを静観していたギルティは内胸ポケットに忍ばせておいた”第5世界製核兵器”を取り出し、何かを決意した様な表情を見せ1人ロボットの方向へ走り出して行った。


「お、おい!!ギルティ!よせ!!戻れ!!!」


 ギム刑事の呼び掛けに一切反応を見せることなく一目散に走っていくギルティ。

その後をギム刑事、ドレッド、オットロは追いかけて行く。

距離が近付くにつれデストロイド1号が奏でる爆音が音量を増していく。

射程範囲と思われる場所まで辿り着いたギルティは立ち止まり、ロボット頭部操縦室と思われる部分に向かって大声でヨシオに呼びかける。


「おい!!止まれ!!さもなくばこれを貴様に向かって爆発させるぞ!!!」


 ギルティの呼び掛けに気付いたヨシオはデストロイド1号の操作を止めた。

後から辿り着いた3人の目にも鬼気迫る表情でレバーを握るヨシオの表情がはっきりと見て取れた。


「おいコラクソガキ!!テメェ一体なんのつもりだ?このまま世界中破壊しやがるつもりか??」

「ヨシオ君、落ち着いてくれ!一体何があった?冷静になって説明してくれ、頼む!!」

「…」


 ヨシオは4人の姿を目で捉え何かを思いつめた様な表情を見せた。


「ギルティ、核兵器をしまえ」

「…」


 ギルティはギム刑事の指示通り核兵器を胸ポケットにしまい込んだ。


「ヨシオ君、話してくれ。一体何があった?何が目的なんだ?」


 ギム刑事の真っ直ぐな目線と問い掛けに、ヨシオはゆっくりと口を開き始めた。


「…う、うぅ、殺すつもりじゃなかった、わざとじゃなかったんだ…。慣れてなくて、つい手が滑って…」

「!?」

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