いつものように……
「暇ですねー……会長……」
「そうだなぁ~……トモ……」
春風も心地よい四月の下旬、僕たち生徒会役員の寺崎小夜子会長以下、女子三名と男子一名は、すっかりくつろいでいた。
放課後、ここは県立第七高校の生徒会室。僕、津島友樹は生徒会役員の面々と、今日もいつものように紅茶を飲んで、お菓子を食べて、たわいもない話に花を咲かせる。
「そいえばトモ~、体育館の用具置き場の蛍光灯、交換したか~?」
「あっ……忘れてました~……会長~……すみません」
僕はさっき体育教師に言われたことをすっかり忘れていた。
「まぁいいっか~……明日やればいいだろ~……」
小夜子会長は無責任に僕に言い放つ。
「でも……今日やらないと怒られるの僕ですよ……」
「トモが怒られればあたしら女子は平和かー」
「そんなー……ひどいですよ会長~……」
生徒会室のほぼ真ん中にある丸いテーブル、僕の前には生徒会長で二年生の寺崎小夜子先輩、右側には副会長で同じ一年生の千代崎優子さん、左側には書記で二年生の田村沙智子先輩がいつもの定位置だ。
「みなさ~ん、紅茶淹れましたよ~」
「やったー、優子のお茶だ! あたいコレがいちばん楽しみなんだよねー」
「さっちゅんはお茶と生徒会、どっちが大事なんだ~?」
みんな一斉に笑い出す。気がつくと僕も笑っていた。
今日も生徒会室は……のんびりほんわか……です。
イラスト:北川圭さん
ども、私市よしみです。
僕にとって「初めて」の小説……まあ所謂「ライトノベル」みたいなもんですが、お楽しみいただけたでしょうか?
どこぞの「生徒会のなんとか」や「生徒会役員なんとか」みたいではないかと突っ込みが入りそうですが(笑)
当時の、昭和の公立高校の「ゆるくてまったりな」生徒会の雰囲気を味わっていただければ幸いです。
ご感想等、ございましたらぜひぜひお寄せください。