2、さて、どうしよう
…。
………。
オタでよかったと、この日ほど思った日はなかったかもしれない。
ついでに、大枚はたいてでも、ラノベを買って読むような、本の虫でよかったのかもしれない。
何故なら、神様(自称)の話が、自分の中で、ちゃんと消化出来たから。
「…で、私はここに来たと。」
「うん、うん。」
長ったらしく、ややこしい、神様(自称)の話をまとめると…。
「…要約すれば、あんたの気まぐれじゃないかーっ!!!」
要するに、だ。
今から私が行かされようとしている世界は、魔族と人間とその他諸々が、あっちこっちで小競り合いをしている。
そんなところだそうだ。
異世界から来た人は、いない。
今回神様(自称)がいうには。
「異世界からも人がこれるのかなー?」
と、試してみたんだそうな。
そうしたら!なんと言うことでしょう!
召喚出来ちゃいました!
…私の視線は、ものすごーく冷たく突き刺さっていたことだろう…。
送り返せ、と要求したら。
「無理、どうやったか忘れた。」
だそうで…。
もうね、神様(自称)でも、もったいない。
これでいいよ、「これ」で。
しかし、何分初めてのこと。
どうしたらいいものか、そしてどうなるのか。
まだまだ未知数らしい。
「で、とりあえずここに放り込んだ、と。」
「これ」が言った精神世界。
あながち間違いでもないだろう。
さて、どうしよう。
「どのくらいのことができるのー?例えばさぁ、世界最強!とかにも出来ちゃうの?」
「それは無理。」
それじゃあ、きっと弱々だな。
自慢ではないが、運動神経はゼロに限りなく近い。
「魔力は少しだけ上げれるよ。」
うん、お願いしておこう。
こう…スキルとか、ステータスとかを、数値で見るのは?
「それもむーりー。」
何処ぞの妖怪か、君は。
それでもしばらく考えてから。
「能力とかは無理だけど、何がどれ位出来るのか、は見れる様にしておくね。」
と、カードを一枚。
最初に拾った、あれである。
で、私は何をしたらいいんでしょう?
「特にない。」
余裕ですね!逝ってよしだお。
「そ…それは辞めて…。」
ちょっと引きつってますよ?「これ」?
「こっ…、言葉は不自由しない様にしておくから…。」
さっきの冷たい目線は、余程効いたらしい。
「容姿も世界に合う様にしとくから…。勿論サービスつきで…。」
そのぐらいはしてもらわないと、困ります。
うん、ちょっとだけ、眠くなって…あれ?
「…時間みたいだね。」
「これ」がぽんぽんと手を叩くと、自然にまぶたが閉じてくる。
しかし…本当に大丈夫なんだろうか…。
「しーんぱい、ないさー!」
何処のキングだよ、とツッコミたかったんだけど…。
その前に、意識は闇に沈んだ…。