表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/37

17、アイリ、珍品ハンターになる

王の住む城下町には及ばないものの、ティークの街はそれなりに大きいことを知った。


ここに来た日に通った門は、王族専用で、普通の入り口から離れた所にあったのだ。


…それで小さく見えていたなんて…、詐欺だ…。


大きな門から伸びる、大きな通り。

左右に店が立ち並び、奥へいくほど、道が複雑になっていく。

ティークの家へも通じる道があるらしいが、複雑すぎてよく分からん。

はぐれたら、迷子確定な上、帰りつくことも出来ないだろう。


「辺境にあるからね。ハンターの人が多いんだ。」


幾つかの店を回ってから、お茶を片手に、広場で一息つく。

お茶は露店でダニィさんが買って来てくれました。

カップは返却するものらしい。


「ハンターが多いから、それに伴う店が多くなる。宿や鍛冶屋や道具屋のようなね。」


お茶を飲みながら、ふんふんと話を聞く自分。


「で…、ここにアイリが作る料理屋を出したら、売れるだろうなって。まだ先の話になりそうだけどね。」


「そうだね。」


今日回って買い込んだ物のほとんどは、食材だ。

思い出せる限りの事を思い出し、あれもこれもと買い込む私を、ティークは止めなかった。

おかげでえらい荷物になり、ダニィさんとティークで手分けして持っている。

私も持とうとしたら、ティークに取り上げられた。

王子に持たすのはなんなので、抗議したら怒られた。


理不尽だ。

ティークのフェミニスト。


お店の人には、まず見た目でビビられ、買い込む物を知って、さらに哀れな目で見られた。

ティークとダニィさんが、「珍品ハンター」と言っていたのを知っている。

おかげで安かったけれど。


お米が手に入って、私はほくほくなのだ。

大豆があったので、買う前に聞いたら、肥料に使う物だと言われた。

立派に食べられるのに。

と、言うか、調味料作るのに、いるのに…。


僅かだったけど、胡椒もあった。

道具屋で、気付け薬として売られていたのだ。

…まぁ、確かに、役目は果たしていそうだ…。

玉ねぎは、泣き薬だった。

なぜ泣かすのか、誰を泣かすのか、突っ込みたかった。


黒糖も買い込んだ。

ドライフルーツも買い込んだ。

天然酵母に挑むのだ!


魚は海が少し遠いとかで、この街には無かった。

海と言う概念が無くて、「大きな塩の湖」な理解にしばらく苦しんだ。

塩はそこから取っている。

にがりが取れる日を夢見よう。豆腐が出来るように…。


今夜はご飯を炊いて、シチューを作ろう。

パンはまだだから。


「あとは…鍛冶屋に寄っていくか。」


「うん!」


針を作ってもらわなくちゃ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ