14、出来ること、出来ないこと
みるみる内に消えていく、クレープに、ハニーイチゴに、カスタード。
クレープにつけるつもりがなかったバターまでもが、ティークのお腹に消えることになった。
ホットケーキちっくに、バターと蜂蜜で食べるのも美味しかったらしい。
かなり大きなボウル代わりの容器に作った沢山の生地は、綺麗さっぱり消えて無くなった。
焼くのが追いつかなくなる勢いだった。
あの細めな身体の何処に、あれだけのクレープが納まったか、ティークを問い詰めたい。
小一時間(ry
もちろん、食べ続けている間に、ダニィさんも交えて話もした。
そのダニィさんは、初めて食べるクレープにびっくりし、ティークと争う勢いで食べ始めた。
自分が作ったバターにも、舌鼓を打っていた。
調理器具は、大半が再現出来ないと言われた。
再現出来なくとも、代用が効く物も多い。
なんとかなるだろう。
料理はおいおい仕込んで行くとしてもだ。
服に関しては、針がないと始まらない。
ティークに説明をしたら、試作品を作ってみると言われた。
剣やナイフなどを作っている鍛冶屋に頼んでみるらしい。
「それだけじゃなく、鎌や鋤や鍋やフライパンも作ってるんだ。出来ると思うよ。」
作らされる鍛冶屋さんの苦労が、今から目に見えるようだ…。
布が出来るくらいだから、糸はあると言われた。
素材は、やっぱり綿、もしくは麻のような植物から作る、など。
絹は無いようだ。
もちろん、皮や毛皮はあった。
服を作り出せるようになるまで、時間はかかることだろう。
そして、もう一つ。
この世界で、生きて行くために必要なこと。
「どう、分かる?」
「わからにゃい…。」
魔法を使えるように、なること。