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星の城  作者: 髙梨レイン
第一章 スピカ
1/5

 ☆


 上を見上げれば空は見えたし

 手を伸ばせば空をつかめたかもしれない


 夜、3人で並んで星を見上げたら

 僕たちは星の世界に引き込まれ

 星の世界に酔いしれた


 あの時、僕たちは無限というものを感じていた……



 第1章


「卒業おめでとう、美音」

「おめでと~、お姉ちゃん!」


青空に、桜のつぼみが重なっていた。


「ありがとう、お兄ちゃん、明海」

美音は渡された花束の大きさに少し面喰いながらも、笑顔でその花束を受け取った。


「やっと終わったよ~…卒業式。」


美音は軽く花束を抱きながら、兄の直也の背に顔をあずけた。


「お姉ちゃん、やっと中学生になれるんだね~!」


明海は満面の笑みで言う。明海はまだ4年生だから、今日の卒業式に出席していない。


「本当にさ~。良かったよ~中学受かって。お兄ちゃんのおかげだよ…。」

美音のその言葉に、直也はくすりと笑う。


「そうかもな。…だけど美音もがんばったからな。…しかし…なぁ。美音が僕と同じ中学か~…。信じられないな…あの美音が。あぁ、じゃぁ、じゃぁ明海も来るのか?!…あぁ、無理かもな…。」


直也の皮肉気味な言葉に、二人はムッとする。


「ふざけたこと言うなっ!」


二人同時に叫び、…ハッとする。


「あはは…」


少し笑った時、美音の友達の声がした。


「みおーん!どこー?最後に記念撮影するよーー?!」


「あ、夏菜が呼んでる!ちょっと行ってくるね!」


美音はそう言って、声のしたほうに走りだした。

手を振る明海と、走っている美音を見て、直也は軽くため息をついた。

そして、小さくつぶやいた。

「卒業おめでとう、美音………。」

…と。

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