第5話 暇過ぎて、魔獣、サウンドバッグになる
暇を持て余したチート級持ちの遊び⇽
あまりの暇さに耐えかねた4人は
騎士団が管理する演習場へと足を運んだ。
そこには、訓練用に捕獲された
狂暴な魔獣「アイアンボア(鋼鉄の猪)」が
繋がれている。
「ちょっと魔法、試していい? ……えい」
優香が指先から
ほんの少し火花を出すつもりで
初級魔法を放った。
直後、ズドォォォォン!! という轟音と共に
演習場の壁が半分消し飛んだ。
「「「…………」」」
「あ、やば。力加減わかんないわ……」
「優香さん、それ『初級』の威力じゃないですよ。
ボアが消滅して炭すら残ってない……」
ドン引きする祐介の横で
香織が冷静にステータス画面を操作する。
「あ、ピコンって鳴った。
経験値が入ってレベルが上がったみたい。ゲームかよ」
一方で、祐介は精霊たちに
「ちょっとあっちの草むら掃除してきて」と
お願いしてみた。
すると、一瞬にして暴風が巻き起こり
草むらどころか表土ごと綺麗さっぱり削り取られた。
「……精霊たち
指示通りに動くけど加減を知らないな、これ」
「おい、みんな。
解析者によると
今ので騎士団長がこっちに向かって走ってきてるぞ。
怒鳴る確率、98%だってよ」
和也の報告を聞き、4人は顔を見合わせた。
「「「「逃げろ!!」」」」
チート級の能力を授かりながら
彼らが最初にしたことは「全力の逃走」だった。
帝国の未来を担うはずの四人は
自分たちの力がどれほど世界を揺るがすものか
まだ半分も理解していなかったのである。
お読み頂きありがとうございます。
次回もお楽しみに♡




