第4話 ステータス確認
異世界と言ったらスキルつけたくなりますw
召喚から数日。
元の世界へ帰す手段が見つからないまま
優香たちは帝国内の離宮に放り込まれていた。
「保護対象」という名目だが
やることが何もない。
「……ねえ、これ見て。
私のステータス
『チート級魔導師』だって。ウケる」
豪華なソファに深く腰掛けた優香が
空間に浮かぶ半透明のウィンドウを指差した。
そこには【全属性魔法使用可能】【魔力無限】という
文字通りのデタラメな文字が並んでいる。
「優香さん、それ笑えないですよ……。
僕なんて『精霊の使い手』です。
さっきから、そこら中にいる小さい光の粒が
『遊ぼうよ!』ってうるさくて……」
35歳のアパレル店員
祐介は困り顔で空を仰いだ。
彼の周りには
目に見えないはずの風の精霊たちが群がり
彼の髪を勝手にワックスで整えるかのように弄び
最新のトレンドを無視した
「精霊流ヘアスタイル」を作り上げている。
「贅沢言わないでください。
私、千里眼ですよ?
壁の向こうの衛兵さんが
おやつに隠してたクッキーをネズミに盗られて
泣いてるのが見えるんです。
情報過多で疲れちゃう……」
大学生の香織は
こめかみを押さえながら
「思考攻撃」という物騒なスキルの説明を
読み飛ばしていた。
そんな中、和也だけは一人
離宮の庭の隅っこでしゃがみ込んでいた。
「……なるほど。
『この石ころは魔力を0.5%含有。
加熱すると爆発の恐れあり』……。
おい、解析者。これ、食べたらどうなる?」
『推奨しません。
三上様の消化器官では
3秒で腹痛を引き起こします』
「サンキュー。助かるわ」
和也は脳内に住み着いた「解析者」と
まるで長年連れ添った相棒のように
会話を楽しんでいる。
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