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シアター  作者: 外側
9/10

逃亡する世界線④

遅くなりすぎました申し訳ございません。第9話でございます。

今回は、スナイパーちゃんと激闘(?)を繰り広げる話でございます。

よくわからない言葉がたくさん出てくると思うので、解説はあとがきに書こうと思います。


お楽しみいただけたら幸いでございます。

スナイパーが1人、道路に飛び降りる。

「対武神モード、おーん!!」


自動リロード、完了。

Roomの再セットアップ……完了。

身体強化スーツのブーストを準備、完了。

脳を一時強制スリープ……完了。

カウントを開始。


・・・


赤い目を光らせ、攻撃の出所を探る。

しかし、多すぎる。()()()では、可能性を絞り切れない。

銃弾を始めて視認するタイミングは、全ての可能性において、今から約5秒後。

逃げようとも、叶わない。


相手の弾丸がどのようにして私に到達しようとも、モミが死ぬタイミングは少しもぶれることはない。

しかしながら、弾丸が放たれると仮定されるポジションは、完全にランダム。



[助けてやろうか]

聴きなじみのある声が、響いて聞こえる。

モミは、それを受け入れた。小さくうなずくと、ふっ、と笑った声がして、意識が遠のいた。


・・・


意識を回復・同時に、ブーストを行います。

5、4、3、2、1……



『0』

爆発的な身体能力の増加、一瞬のみの超加速。

地面を鳴らし、目的の位置を、()()()


制限時間は、1秒にも満たない。

全ては、武神の予測を打ち破るため。


たどり着いた。練習通りだ。

引き金は、絶対に時刻をずらさない。

振動が刻む時間が、聞こえる。


自身の運動と弾の慣性、重力。

至近距離で、寸分の狂い無く、心臓を狙う。


引き金を……引く。


・・・


「特定……はやめとくか。」

今はできないしな、と呟く赤い目の少女。

ほんのり光る銀色の髪は、スモッグに屈折して輝く。


「分岐おっせぇなこいつ。ほんとに人間か?」

その瞳で空中を見つめ、言う。


「まぁいい。0.5秒くらいまでなら今でも反応できるだろ……。」

彼女はとんでもない発言をしているが、本気である。


「―――ばっちこい、だ。」

少女はゆっくり腕を構えた。


・・・


現れたスナイパーの影に気づく。

”今の彼女には反応できまい。”と、人間のギリギリまで鍛え抜かれたスナイパー。


スモッグの中だろうが正確に位置を探る耳、

そして、特殊能力のコンピューターによる完全制御、

そして何より、非人道的な訓練に耐える信念の強さ。


東教会の兵士であり、対武神の兵器、それがスナイパーの正体である。


しかし、足りなかった。

武神の目は、正確に弾丸を捉えていなかったはずであった。

しかし、その手は正確にかつ急速に、発射されたそれに近づいた。

とうとう彼女は、弾丸を拳の中で受け止めてしまった。


ジャンプの慣性に吹き飛ばされ、驚きのあまり受け身さえ取れなかった。

かなり無理やりなスーツの超ブーストが、一撃で仕留められなかった緊張を煽る。


あいつ(武神)がくる……殺される。」


絶対に勝てない。しかもあちら側には居場所がバレているとなると、殺される他ない。

スナイパーは怯えて、東教会めがけて這うだけで精一杯だった。


「―――おい。」

突然、頭上から声が聞こえた。



「国防軍だ。大人しく、来てくれるな……?」

お楽しみいただけたでしょうか?

逃亡編、これにて終了となります。


次回はやめに更新することはたぶんできないので、不定期という形にします。

(今回も待たせて(待った人なんているか??)しまったので)


用語

・Room

 神が与えた能力の一種であり、人類の大半が保持している。

 個人で違う”エネルギー”を生み出す真っ黒な物体のこと。

 形状は可変、実体はなく、イメージと形が直接結びつく。

 (エネルギーの例:引力、電磁力、熱、など……)

 スナイパーちゃんのRoomは”電磁力”系のRoomですね。


・武神

 太古、存在した6人の天使の1人。最も悪名高いとかなんとか。


次回:寮生活する世界線 編

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