逃亡する世界線③
第8話でございます。
☆祝・Page view150突破☆
もう突破してたので、早めに作りました。
今回は、逃亡中の二人が狙われる話でございます。
お楽しみください。
「レン様、先ほど、裏切者と協力者の男が発見されました。」
まだ、少女といえる容姿、先ほどレンと呼ばれた彼女は、ギブド教団南教会幹部である。
「……予想はしてました。もうすでに、東教会の者に頼んでいます。」
報告を聞き、レンは答える。
「やはり、裏切者の捕縛は教団の悲願ですから、東教会の者もすぐに動いて下さいました。」
報告をしにきた教徒が訪ねる。
「なぜ、裏切者を譲ってしまわれたのですか?」
「分が悪いからです。」
ふぅ、とため息を吐いて、レンは続ける。
「いくらソーノスでも、武神相手に何度もあれを放っていては、声を枯らします。」
なんせあれはすばしっこいですから、と付け足す。
「私も、これの全貌を分かってはいませんから。」
レンは髪飾りにそっと触れた。
「で、結局どんなのを遣したんですか?」
小さく欠伸をし、言う。
「―――腕利きのスナイパーですよ。」
・・・
『ヒイラギ!危ない!』
モミが叫んだ。
バン、と小さいが爆発の音がする。
ヒイラギはすぐさま後ろに飛び退き、弾丸をかわした。
『……悪いな、助かった。』
「マズいな」とつぶやく。
スナイパーがいるとなると、そいつを倒すしかない。
が、今時普通のスナイパーなんて珍しい。ヒイラギは思考を巡らせる。
『2発目がくる!』
バン
『了解』の返事と同時に避ける。
そして、ここで違和感に気づく。
少しだけ弾道が曲がっていた。
「サーモグラフガンか?いや、あれは長距離射撃が苦手なはず……。」
ヒイラギの作品は、もうすでにほとんどが彼自身の提供によって仕組みが開示されている。
教団が持っていても可笑しくはない。
・・・
「チッ……また外したぁ~!」
悔しがると同時に、確信を得る。
「やっぱあの白いの、武神ちゃんかぁ~。」
「これはッ、もしかしなくても??」
仕留めたら大手柄じゃ~ん♪
スナイパーのモチベーションがちょっとだけ上がった。
「じゃ、武神ちゃんからやった方がいいね?」
・・・
『やっぱ、こっちのこと見えてる。』
通常、この街はスモッグが濃すぎてスナイプは困難だ。
だが、ソーノスやモミを見る限り……。
『こいつも、何らかの能力を持っているだろう。今こいつに構うのは得策じゃない。』
狙いが正確なうえ、弾道が曲がっているせいでどこから撃っているのかがまるで分らない。
すぐに射程圏内から抜けたほうが安全だ。
『あいあいさー!―――うぉあ!』
返事がよろしい、ヒイラギは頷いてモミを見る。
2人は、ヘイトがモミに移り変わったことに気づいた。
同時に地面を蹴る。
・・・
「私がスナイパーだからナメてんのかな、アタシだって人並みには走れるからねぇ♪」
スナイパーが1人、ビルの上に立ち上がった。
お楽しみいただけましたでしょうか。
話が進んでない気が……気のせいですかね。
新キャラクター
・スナイパーちゃん
能力は不明、性別は女です。
ご意見、感想、考察ありましたら、ください。