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シアター  作者: 外側
6/10

回顧する世界線 - レン

第6話です。

今回は、本筋を差し置いて、『回顧する世界線』編となります。

今後も時たまに出てくることになるでしょう。


ぜひ、楽しんでください。

ああ、空が黒い。


黒く、静かなビル群。

ワープポッドの普及により、人類は、私の祖母の世代よりずっと進歩したという。

でも、()()()()が起こる前は、世界は今より活気があったらしい。


人類は、1世紀ほど前のあの厄災でだいぶ個体数を減らした。

しかし、それは同時に莫大な利益ももたらした。

ああ、歴史を知れば知るほど、神はなんとも素晴らしい。

神は間違いなく、至高。


・・・


私は、子供の頃に家を追い出された。

理由は、「養っていけるほどのお金がなかったから」


まだ、できたばかりの新しい国家だ。

厳重な法整備などあるはずもなく、子供が街に放られていてもお構いなしであった。

私が姉に連れられながら、街をさまよっていたある日。

細い通路の奥から、何やら光が漏れていた。


その光に、街に感じることのできない暖かさを感じた。

本当に無意識のまま、それに惹かれていた。

目が光を追う。だんだんと近づいていく。



宝石のような、白い髪。

そのひとつひとつが、体が、ぼんやりと、かつ強烈な光を放っていた。

輪郭はぼんやりと白く空と調和し、液体のような不安定さもある。

人、に見える。


姉が、口を開く。

「―――あなたは、だれ、なの?」


「私は、(レイ)。」

それが、私と神の、出会いだった。



神は姉に、よい耳と、声。

私には、髪の毛を3本だけ、与えた。


神は私たちに、教会の場所を教えた。


・・・


教会は、私たちを手厚くもてなしてくれた。

教会の人たちは皆、私たちを『神の子』として、もてはやした。


私たちのために専用の服と髪留めが作られ、私たちの周りには優秀なガードがついた。

次第に私たちは、教会の中で相当な地位を得た。


これは、神の慈悲であり、私はそれに報いるべきだ。

そう考えるようになったある日、好機は訪れた。


ニュースにて、教会の周辺に奇妙な隕石が落ちたという報道がされた。

地上に落ちる前に消滅しなかった、大きな氷。

常温では気体にしかならないような結晶が、3日、4日もたっても小さくならない。

それどころか、大きくなってすらいる。


どこを触ろうが絶対零度で、削り出すための道具を凍らしてしまうほど。


私は思った。

これは、神の手のものだ、と。


すぐ調査に行こうとするも、ある日突然、その存在がなかったかのように、現場には()()()()()()()クレーターだけが残されていた。


・・・


そしてこの数日後、とある市街地にて、教団にとっての”裏切者”が目撃された。

その発見の功績を称えられ、私は、ギブド教団南教会幹部へと至った。

SFっていうのは嘘じゃないです。


新キャラクター

・神

 零と呼ばれているこいつは、この世界において”実在した神”です。

 古代、創世記時代とよばれる時代に、人類を導いたとされる神。


用語

・あの厄災

 人類のほとんどが、”ある力”を得ることになった瞬間を指します。

 しかし、その結果が争いへつながってしまったため、厄災なんて呼ばれ方をされています。


では、感想、意見、考察ありましたらください。

それでは、ごきげんよう。

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