潜る世界線②
3話目でございます。
前回は、宗教の話が出てきました。
皆さんは、神様を信じますでしょうか?
拙い文章で失礼しております。
1000字ほどに書きあがるようにしております。
「ほんっっっっとうについてくるなよ?」
「ん-、はいはい。」
かれこれ、今日の朝は10回ほどこの会話を繰り返した。
ヒイラギは今日、さっさと教会に潜入して、報告書をちゃちゃっと書いてしまおうと思っていた。
だが、この不確定要素がどう動くかわからないため、何度も繰り返す。
・・・
潜入捜査とは言え、バレたら武器を使う。
軽装で行くものの、銃は持っておいたほうがいいだろう。
ヒイラギは昔から、武器を自分で作っていた。
国防軍では、開発部と実働部の両方に属し、「自分の武器は自分で」を通していた。
ヒイラギは2つ、作品を取り出した。
1つ目、筋機動スーツ(下半身)
足を動かそうとすると、ズボンに神経の信号が渡り、スーツが収縮、筋肉の役割を果たす。
名前は、ヒイラギが適当に呼んでいるのでコロコロ変わったりする。
今や多くの軍人が使用し、有名になっている。
2つ目、サーモグラフガン
敵を”体温”で見分け、銃弾がホーミングする。
人間の体温である36℃前後を標的にする。
拳銃の形をしていて、標準にサーモグラフティーのカメラがついている。
「この二つがいいか……。」
こうして、ヒイラギは潜入に出かけた。
・・・
今や、教会でさえ黒のカーボン製のビルだ。
その入り口の反対側より、侵入する。
ヒイラギは、2~3階あたりに、大きな窓を見つけた。
地面を強く蹴った。
隣のビルの壁を踏み台に、窓の縁へぶら下がる。
開いている窓に身を投じ、辺りを見渡す。
「調理室か。」
教徒第一号を発見し、背後からその口に布を押し当てる。
着ているローブを羽織り、フードで顔を隠す。
廊下を、人が歩くほうへ向かう。
暫く進むと、大きなホールが広がっていた。
教徒たちはグラスを持ったり、料理を食べたり、話をする。
そんな中、ホールのステージの上に、2人の女が立った。
「皆様!」
話す声が一斉に止む。
「このたびは、わたくしを南教会幹部に推薦していただいて、ありがとうございます!」
女は続ける。
「――改めまして!ギブド教団南教会幹部・レンと申します。」
名乗りを上げた瞬間、会場は盛大な拍手に包まれる。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
レンは、多方向に礼をしてから、続けた。
「では、今から裏切者の捜索についての会議を、始めます。」
ヒイラギは、内心悲鳴を上げていた。
「モミのこと……だよな…?」
話を聞くこと、数十分。
話された内容は、以下の通り。
・裏切者の特徴について。⇒モミに完全一致。
・出没予想場所について。⇒ヒイラギの家周辺。
ヒイラギの手は焦りで湿っていたし、悪寒もしていた。
「やっぱッ、匿うべきじゃなかったッ!」
半分泣いていた。が必死にこらえていた。
そんな中、天井から音がした。
ガン!…バキッ!
なんということでしょう、天井から銀髪の少女が――
「は……?」
ヒイラギの目の光が薄れてゆく……
「てへ☆」
ヒイラギの忠告は、すべて無駄に終わってしまった。
楽しんでいただけたでしょうか?
裏切者って、何を裏切ったんでしょうね……。
登場人物
・ヒイラギ
超絶苦労人発明家。
・モミ
話を全く聞いていない銀髪少女。
・レン
ギブド教団南教会幹部、熱心な信者であり、シスコン。
用語
・裏切者
何を裏切ったのかはまた後で。
・幹部
幹部というのは、教会を統治する立場であり、
全教会の集会に参加する義務がある。
ご意見、感想、考察等あったらください。うれしくなります。