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シアター  作者: 外側
1/10

出会う世界線

どうあがいても、お話を長く書けないんですよね。

少女は走った。

銀色の長い髪を揺らし、豪雨の音を振り払った。

地面に薄く広がった雨水の波を、つま先で弾いては砕け、足跡を隠した。


激しい雨音と防具でくぐもった掛け声が、迫りくる。

関節部の摩擦が雨音に掻き消え、オレンジ色の光が霧の中に存在を示す。


心臓が言うことを聞かない。無意識に肩が上下し、浅い呼吸が喉を乾かせる。


黒い強化カーボンのビルで姿を隠し、背中から壁にもたれかかる。

少女は金色の瞳を赤く輝かせ、目の前をぼーっと見つめる。

防具がこすれる音、その音に今一度体を震わせる。

短く酸素を呑み込み、ビルの隙間へ潜っていった。


・・・


今の時代、とても珍しいコンクリート造りの2階建てアパート、その一室に住む1人の男がいた。

男は自室で何個ものモニターを見つめながら、指先に苛立ちを込めてキーボードを弾いた。


『ヒイラギ』――国防軍の軍人でありながら、発明家・研究者でもある。

才能に恵まれ、仕事先や地位にも恵まれたが、残念ながら上司には恵まれなかったらしい。

先日急な潜入任務を任され、「安いから」という理由で、近くの1世紀ほど前のボロいアパートに引っ越す羽目になった。


おっと、仕事が終わったようだ。

背中をそらして、血を巡らせる。

タオルと着替えを、時代遅れの木製のタンスから取り出し、風呂へ行く。


ヒイラギはなによりも風呂に入るのが楽しみであった。

猫背を正して、風呂のドアを開ける。だが、昔の風呂は()()()()()()()()()()のが常であった。

――正した猫背は元どうりになってしまった。


風呂を沸かし、待つ。

ようやく、風呂が沸いたようだ。勝利のファンファーレ(お人形の夢と目覚め)がなり、さぁ風呂に入ろうと、背筋が伸びる。


「ピンポーン」

――なんと残酷なことに、開戦の合図(インターホン)が鳴ってしまった。

これにはヒイラギも、肩を落とした。


・・・


少女が走り、たどり着いたのは、今時珍しいコンクリートで2階建てのボロアパート。

金色の瞳が赤く染まると、確信したようにその一室のインターホンを鳴らした。


・・・


ヒイラギは、とぼとぼと歩いて、ドアを開ける。

「はいぃ……どちら様でしょ――



「匿ってください!!」



――はぃい??」


こうして、2人は出会った。

楽しんでいただけたでしょうか……短いですよね、わかります。


登場人物の整理をしましょう。後からわからなくなりますからね、ラノベって。

・少女

 銀髪で金の目をした少女。髪の毛はぼんやり光っています。


・ヒイラギ

 国防軍の軍人であり、発明家、研究者でもある。


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