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33「長下部を分からせる(復讐)」4


 右肩から大量の血が噴き出て、土で汚れるなど関係無しに、激しくのたうち回り続ける長下部を、外野の探索者たちは悲鳴を上げたり目を背けたりしていた。

 どいつもこいつも、はじめはスマホを手にニヤニヤこっちを見てやがったくせに。スマホで僕が長下部にズタボロにされるところを写真や動画で撮ろうとしてたんだろうな。

 が、実際はご覧の通り、ズタボロなのは長下部の方でしたーー!ズタボロというかぐちゃぐちゃ?とにかくあいつらが予想していたものとは真逆の状況ってことに、違いねぇ。

 今はスマホをこっちに向けてる奴はほとんどいねぇ。誰も面白そうにしていない。予想外、痛ましい、生理的嫌悪と恐怖などで顔を真っ青にさせてる奴しかいない!


「つーかよォ」


 未だに地面を転がって泣き叫ぶ長下部に、苛立ちが募る。


 「さっきからピーピー泣き喚き過ぎなんだよ!うるせェな!!」


 ガン!頭を踏んずけて、むりやり黙らせる。靴についた土が奴の口の中に入ったらしく、今度はごほごほとむせてやがる。


 「テメェ、ごらァ……言うに事を欠いて、僕にも悪いことろがあっただ?僕がテメェや他の探索者、浦辺にも虐められてたのは、僕のせいでもあるんだよーって言ったのか、アア!?」

 

 ガッ 今度は左手で長下部の左腕を強く掴み、右手はその左肩を押さえつける。その状態でどちらにも超常的なパワーを発揮させ、左腕をミキメキと思いきり引っ張ってやる。


 「あ、あああああっ、まさ、か!?ひゃめ、ひゃめええぇぇぇぇぇ」


 顔を凍りつかせた長下部が舌が回らない声を出して何か訴えてるが、ガン無視。

 

 「おるァア!二本目ェ!」


メキメキョ、ビチ―――ブチブチブチ!


 「がわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 左腕も同様に肩口まで全部引き千切ってやった。どっちの肩からも血がどばどば出てやがるぜ!


 「あ~~~あ、これで自慢の剣技を振るうことが出来なくなっちまったな~~~ァ?だが今はテメェの両腕を千切ったことを嗤うよりも、テメェのさっきのふざけた発言を掘り下げて、ブチ切れる方が先だァ!」


 土と自分の血にまみれてながら地面を転がる長下部の足を片方踏んで押さえつけて、話の続きをする。


 「で、さっきのあのすっかすかな謝罪は何だ?テメェ、どこまで僕を舐めくさる気だァ!?今まで僕を散々嫌がらせをして傷つけてたくせに、あんな簡単に謝ったくらいで許しをもらえると思ってんのか?

 この僕が、その程度で許すとでも!?思ってんじゃねェぞゴラァ!!」


 ズバン! 「え゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!あし、がぁぁぁぁぁ」


 押さえつけていた左脚を、大剣でぶった切ってやった!腕よりも血が大量に出てきて、リング内の地面の半分が赤くなりはじめた。

 

 「ひっ……もう、終わらせろよ」

 「こんなのもう決闘じゃねーよ。拷問だ…!」

 「し、審判!決闘を止めろ!あいつの暴走を止めさせろーー!」


 外野がまたうるさくなってきやがった。ああ?決闘を止めろだ?何を勝手な……って、おい!あの立会人のオッサン、何試合終了しそうな感じ出してやがんだ!させるかよ!


 「僕の復讐の邪魔を、すんじゃねェ!!」


 立会人の顔を掴み、そのままリング上に叩きつける!


 「「「な―――っ」」」

 「何止めようとしてんだよカスどもが。スマホ構えて見物決め込んでたくせに僕が長下部に嬲り殺されるところ見て笑おうとしてたんだろ?実際は逆になってるけどな。

 別にいいじゃねーか。人が嬲り殺されてるの見るの、嫌いじゃねーだろ?なァ」

 

 金網に寄りかかって、外から怯えや嫌悪の眼差しを向けてくる探索者どもを煽り散らしてやった。


 「だ、誰が人の手足が千切られぶった切られるところまで見たいなんて言った!?誰もそこまでするとは思ってねーよ」

 「黙れ!傍観者どもが!!テメェらにもたっぷり絶望を味わわせてやるからなァ。

 さァ、続きだ続きィーーー」


 腕二本と足一本を失い、もはや立つことすら出来なくなった長下部の、残りの右脚を両手でガッと掴んでやる。


 「ぎゃあああああああ、やめでぐれ!ぎぷあ―――ぼげろ!?」

 「まぁ~~~だギブアップを叫ぶんじゃねェよ?テメェへの復讐が終わっちまうだろが。

 で、さっきのクソ発言にはまだムカついてることあるぜ?テメェが謝ったから、僕も謝れだァ?っざけんじゃねェぞ!!な ん で 被害者の僕が、謝らなきゃ、い け な い の!?

 このクソっタレ野郎が!!」


 ビキベキメキゴキベリッ 「うわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ」

 

 雑巾を強く絞るように、両手をそれぞれの咆哮に捻り、右脚をぐしゃぐしゃに壊してやった!そして最後は大剣でバラしてやった。


 「あ゛………………ぁ、だす、げて…………………………」


 四肢欠損でダルマとなった長下部は、叫び過ぎて喉も枯れて、掠れた声で助けを求めやがった。


 「もう我慢ならねェ!このままだとあいつ長下部を殺しちまうぜ!」

 「所長、俺らで霧雨を止める………いや殺すが、構わねぇよな?」

 「あ、ああ!許可する!全員、あのイカレたガキを殺せ!外にも通報しろ!!」


 浦辺の権限で、この場での僕の抹殺が決まりやがった。さらに外部…恐らく公安に通報を入れようとしてるな。

 電波が届く一階へ上ろうとエレベーターを動かそうとした探索者たちが、異変に気付く。

 

 「う、動かない…!?故障か!?」

 「そんな、階段が上れない!どうなってんだ!?」

 「す、スマホのバッテリーが突然0に!?え、みんなのも!?」

  

 ここにいる全員、この地下施設から出ることが出来ない。スマホも使えない。


 「いいぞスノウ、その調子で探索者どもをブチ殺せ」

 「かしこまりました」

 

 そう答えるとスノウは超能力で近くの探索者を次々潰して殺す。数が多いので、ここはミィにも手伝わせるか。


 「――というわけで、スノウと一緒に探索者全員を殺してこい」

 「かしまりっ」


 これで外野からの邪魔されることなく、長下部をさらにぐちゃぐちゃにしてやれるぜ…!

 

 「あ……ああああ…っ 霧雨ぇ、許してくれぇーーーっ 金も女も何でもやるから、もう許してくれぇーーー」

 「るせェよゴミクズが!テメェはこの僕を未だに馬鹿にしやがったんだ、許すワケねェだろ。バラバラにした次はぐちゃぐちゃにして、痛みと恐怖と絶望をもっと刻んで、ぶっ殺してやるのさ!」


 ゴキボキと拳を鳴らしながら歩み寄る僕に、長下部は目や鼻から液体を垂らし、さらには下からも垂らしてやがった。これ以上ない無様な姿だ!


 「そうだ、テメェにはダンジョンでも散々侮辱されたんだったわ。“お前みたいな底辺弱者はこの先何やっても上手くいかねーって決まってんだ”とか、“最低級のゴミのお前が死んだところで、誰も悲しんだりしない”とか」

 「ま、まてっ、俺はそんなこと言ったことは………」

 「るせェ!テメェに化けた敵がそう言ったんだよ!中でもブチ切れたのが、僕の親がカスだとか言ったことだ!僕を生んでくれたあの人たちをよくもぉぉぉ、馬鹿にしたなぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ブン―――ゴキャ! 巨人並みに大きくなった拳による全力の下段パンチで、長下部の顔をブン殴った!


 「――――――ッ」

 「ぎゃはははははは、ひでー顔!もう誰か分かんなくなったなァ!?どこが目でどこが鼻だよオイ?げっはははははは!!」

 

 顔面が深く陥没して原型がなくなった長下部の頭部を掴み上げると、空いてる方の拳や蹴りで奴の首から下全身をドカドカとぶっ叩きまくる!何度も何度も何度も!体中の骨が折れて砕けるまで存分に甚振ってやったぜ!


 「は~~~~ぁあ。さいっこーの気分だぜ。だがそろそろ飽きてきたし、テメェの存在自体がもう不愉快だ。もう殺すか」

 

 そう呟いて担いでいた大剣を下ろし、長下部の前に立つと、長下部は潰れた目を見開き、また何か言い始めた。


 「や、やべろ!?お、おべを、だれだどおもっでるっ!?俺ば、世界ランキング20位の“超人”探索者の゛、おど、弟なんだど!?

 俺を殺じたりしだら、兄さんが確実におばえを消しに、アメリカから―――」

 「何言ってんのか分からねぇよ、クソっタレ野郎が。耳障りだ」


 ズバン!長下部の頭蓋を、縦に割った。


 「とっとと肉餅になりやがれ、僕を長年馬鹿にしやがった、クソゴミクズが」


 グシャ!グシャ!グシャ!


 全身をパンチや踏みつけでさらにぐっちゃぐちゃに潰して、肉団子にしてやった!


 「ひゃっひゃっひゃっ…!僕を特に馬鹿にしてやがった長下部を、ぶち殺してやったぜ!!

 最っ高の気分だーーーーーーーー!げっひゃっひゃっひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 血みどろの肉団子となった長下部の芸術的な死体をスマホで撮ってから、肉団子の長下部を持ち上げると、そのまま金網目がけてブン投げる!

 金網はあっさりぶち破られ、外に出られるようになった。


 「んじゃあーあとはぁ~~~~~、ここのギルドの奴も全員ぶち殺しとくか。特に、長下部と一緒に僕を馬鹿にしてやがった奴は、惨たらしく殺さねーとなァ…!」


 舌なめずりして飛び上がり、リングの外に出て、僕も探索者たちの虐殺に参加した!


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