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「虐めっ子たちを分からせてやる(復讐)」3


 剣や魔術杖、拳銃をそれぞれ装備した間野木の仲間たち(いちおうは僕のクラスメイトでもある)が、僕に攻撃的な視線を向けてくる。以前の僕だったらこんな数に凄まれれば怯んでいただろうが、今となっちゃあ弱っちいチビ犬が牙を見せて威嚇してるようなものだ。つまり、全然怖くねェ。


 「うあああーー!」


 身長高い男子――確か高須とかいったか――が拳銃を構えると僕の体に銃口を向けて、威嚇ではなく本気の発砲をしてきた。


 「おお、あぶねー」


 軽口叩きながら銃弾を避けてやった。


 「な……はあぁ!?こいつ、銃弾をよけやがった!?」


 高須は口をあんぐり開けて唖然としていた。


 「ぐ……次は俺が!」


 緑のオーブを羽織った低身長の男――名前は江崎――が前に出て、魔術杖に魔力を込める。


 「吹っ飛べ!」


 空気の塊がいくつ生成されると、一斉に僕に飛んできた。空気の弾……風の魔術か。


 「いいなよなァ、魔術…。僕あっちで死ぬほど鍛えてきたのに、魔術は全く会得出来なかったんだよな0。そうやって使えて、羨ましーなあァァーーー!」


 嫉妬に満ちた咆哮を上げる。スキル「錬成」を発動、頭の中でイメージした物を瞬時に錬成して、出現させた!

 出てきたのはデカくで重厚な鉄盾。複数の空気の弾が盾に着弾し、消滅する。盾はビクともしていない。


 「な、何だよその頑丈な盾は!?どこから出しやがった!?」

 

 魔術杖を持つ手を震えさせながら、江崎が焦った声を出した。


 「ちぃ、手品かましてんじゃねーぞ!霧雨ぇぇぇぇぇ!!」


 ガタイが一番デカい男――権田――が湾曲した太い剣を手に俺に向かって走ってきた。もう一度「錬成」を発動して、こいつのよりもデカくでゴツい剣をつくり出す。常人なら両手じゃないと持てないような重量の剣を片手でひょいと持ち上げると、楽々と振って、権田の湾曲剣を弾き飛ばした。


 「そ、そんな……!?」

 「テメェ権田よォ、学校では僕をロッカーに無理やり閉じ込めやがったよな?今でも忘れてねーぞ、あの屈辱……!!」


 高校の最低な出来事を思い出して、語気を荒げる。権田は顔を真っ青にさせて、僕に背を向けやがった。剣まで捨てて、逃げだそうとしてやがる。


 「はァあああ?逃がすわけねーだろが、ゴミクズ野郎!!」


 一瞬で権田に追いつくと、怒りのまま剣を縦に振り下ろし、背中からケツまでかけて切り裂いた。


 「ぎゃあああああああ!?いでぇ、いでぇええええええっっ」


 背面の激痛に悶え苦しむ権田を、ニヤニヤと見下ろしてやる。背中から血がブシャアと出てはいるが、傷は浅くしてある。本気で斬ってたらこいつは今頃縦方向に真っ二つだったろうよ。


 「う、わ……やりやがったあいつ…!この野郎ぉおお!?」


 権田の血を見た高須は錯乱した様子で、拳銃の弾を装填してすぐに僕に発砲した。


 「おっとォ!?」


 咄嗟に、《《手ごろな盾》》を前に突き出す。


 ビスビスビスッ「がっ!?ぉぐ!ゔ……っ」

 

 手頃な盾――権田の体で、高須の銃を再び防いでやった!うははは、盾となった権田の胸や腹に銃弾が撃ち込まれてやがるぜ!


 「あ、あああ!?権田、そんな!?」


 仲間を撃ってしまったことに高須はショックのあまり放心したようだ。


 「霧雨てめえ!?権田をよくも盾にぃぃいいいーー!」

 「はあ?いきなり撃ってきやがるから、身を守る為にそうしただけだろがよ。誰だってそうするだろフツー。

 ああそれと、このクソ雑魚剣士、お前の銃で死んだみたいだぜ?」


 そう言って僕は心臓と息が止まり白目を剥いた権田の死体をあいつらに見せつけてやった。

 

 「そんな!?お、俺の銃で……違う!嘘だ嘘だ!殺したのは霧雨だろうが!?」

 「はあああああ!?人のせいにしてんじゃねーぞ!どう考えたってテメェが撃って殺したんだろうがよ、馬鹿が!!」


 そう言って、死体となった権田をあいつらに投げつけてやった。怯んだ二人に一気に接近すると、まず魔術を使う江崎の頭部に、ハンマーのように組んで固めた両手を、もの凄い力で振り下ろした!


 ゴッッッ「―――――」


 加減無しの一撃で、江崎は地面におもっくそめり込んで、そのまま動かなくなった。後頭部から血が大量に出てやがる。死んだか?


 「ひっ、ぁああ……!?」


 高須が引きつった声を上げて、拳銃を三度発砲する。が、慌ててぶっ放したせいで弾の軌道はあらぬ方向となり、僕の頬を掠めただけだった。


 「つーかさっきから邪魔してんじゃねーよ!間野木の野郎をもっとぐちゃぐちゃにしてやりてぇんだからよぉ!!」


 「錬成」で手元に拳銃を出すと、即座に高須に銃弾を何発も撃ち込んだ。発砲音と人肉を穿つ音が耳に心地よく響いた。額と両目と胴体がぶっ潰れて無残な死体と化した高須を十分に嘲笑ってから、こっちを見たまま硬直している間野木にのしのしと近づく。


 「ひっ!?来るな………来るなァ!?」

 「げはははははっ!この状況でそのセリフ、お決まりってやつだよなァ」


 ボロボロの体を引きずって、必死に逃げようとする間野木。学校で僕を散々虐めて笑っていたあいつが、俺に背中を向けて無様を晒してやがるぜ!なんて面白れー光景だ、最高だぜ…!

 そんな間野木をもっと絶望させたくて、僕は奴の進行方向に回り込んでやる。間野木は顔をさらにくしゃっとさせて、すぐさま反対方向へ変えて逃げようとする。少し待ってから、また奴の前に回り込んでやった。


 「けはははぁ!何してやがんだぁ?さっきから全然同じところを行ったり来たりしてるだけじゃねーかよ?

 なぁ、今まで散々雑魚だ底辺だと馬鹿にして見下して嘲笑ってやがった奴相手に、泣いてちびりながら逃げるってのはどんな気分なんだ?おい、教えてくれよォ?」


 さらに距離を詰めてやると、間野木の顔が面白いくらいに白くなりやがった。文字通り、血の気が引いたってやつだな!


 「き、霧雨!俺が、俺が悪かった!今まで……特に学校で色々嫌なことしちまったこと、今さらだけど謝らせてほしい!こ、この通り……ごめ――ぱげれぇよ…!?」


 その先は言わせなかった。口に蹴りをたたき込んで、遮ってやった。


 「テメェの謝罪とか懺悔とかを聞く気はねーんだよ。僕を馬鹿にしやがった時点で、テメェらのぶっ殺されルートは確定してんだよ!」


 こいつらには謝罪の機会すら与えない。僕に散々嫌がらせをして、傷つけて苦しめてきたこいつら加害者なんぞに、更生の機会を与える必要は無い。

 そんな反吐が出るような甘い情けや慈悲を与える為に、僕はダンジョンから脱出したわけじゃねーんだよ!


 「抵抗出来ない底辺の弱者相手に、上から目線で罵倒して楽しかったかよ?こっちがどれだけ、テメェらの面白半分でやった虐めにに傷つけられたと思ってやがんだ…!

 いいか?やる方は面白半分でも、やられた方は際限なく憎悪が膨れ上がんだよ。んで、こんなことを平然とやれるくらいの行動をするようになんだよ!」


 ドン!「ぁああああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ!」


 銃で足を撃ち抜いてやった。片足で立つ力も無い間野木は、地を這うことしか出来なくなる。芋虫みたいで滑稽過ぎる。


 「中学の時から、人の一生懸命さを嘲笑い馬鹿にするテメェが許せなかった。今はもっとムカついてるし、楽して僕より有望な探索者になろうとしてるのが心底恨めしい。何もかもがムカつく、殺したくて仕方ねェ!」


 ドン! もう片方の足も撃ち抜いた。間野木の絶叫が堪らなく面白く感じた。

 

 「な、何だよぉ…!?どうしてお前がこんな、デタラメに強くなってんだよ……?」

 「何だよ、命乞いするのかと思ったんだが。まあいい、ちょっとだけ教えてやるよ。俺はあるダンジョンに入って、そこで色んなクエストを達成していったんだ。そしたらこんな姿になってたのさぁ!げははははは!」

 「い、意味が分からねーよ……そんなの………」



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