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Luminous Ascent and Shadowed Climb 【光の階段と闇の階段】

今後の目的は、メルキドの言っていたソーサリーエレメントを探し出して、その力で表の世界も制服することだった。


「そう言えば、風の神殿の近くの町で仕入れた情報なんだが、ソーサリーエレメントに関係あるかも知れない」

「ほお、興味深い」


「なんでも、最近町の近くに忽然こつぜんと巨大な塔が現れたらしいんだ。でも、その塔を目指して行っても、誰も到達できないらしいんだ」

「ますます、興味深い」


「ソーサリーエレメントに関係あるかは別としても調べておく必要があるかもね」

「そうね」

「俺は、賛成だぜ!」

「とりあえず、僕が下見に言ってみるよ」

レオンが、立ち上がると、

「いや、ここは全員で向かった方がいい気がするわ」

ミリアが、そう付け加えた。


「何か根拠はあるのか?」

「いいえ、そんな予感がするだけよ」

「お前の感は当たるからな」

「よし、全員で向かおう!」

「了解」

「いいだろう」

「分かった」

レオンたちは、早速、風の神殿付近の町へと移動した。


「レオンの能力は、やっぱり便利だな」

「ああ、基本どこでも移動できるからな」

レオンは、少し自慢気に言った。


「あの塔だな」

「本当に大きいわね、100階くらいはあるんじゃない?」

「あれは、怪しいな!」

「早速、行ってみましょう!」

「了解」

「レオン、あの塔の近くに空間魔法陣で移動してみたら?」

「よし、やってみよう!」

レオンは、みんなを連れて移動を試みたが、


「うん?」

「どうしたの?」

「なんか変だ!何も起こらない!」

「やっぱり、噂は本当のようね」

「何かの条件が必要なのかも?」

レオンたちは、とりあえず歩き始めた。


その頃、ハーベルたちも塔へ向かっていた。

レオンたちは、いつまでたっても塔には、たどり着けずにいた。


何かの気配に気がつくと、

「そこの茂みに隠れろ!」

レオンが指示を出す。

「ハーベル•••」

レオンは、飛び出していた。

「はっ!」

「レ•••レオン?生きてたのか?俺は、信じていたよ!」

ハーベルは、目に涙を浮かべながら驚いてる。


「よお、久しぶりだな」

「うん、ずいぶん雰囲気が変わったね•••」

「お前が、仲良しごっこしている間、僕たち【MACOK】は•••」

レオンは、そう言って自分に刻まれたたくさんの魔法陣を見せつけた。


「【MACOK】?って何?」

アクシアが、不思議そうに尋ねた。

「【MACOK】って、あの時の?」

「そうさ、お前がゴミ箱に捨てた紙切れがすべての元凶さ!」


「レオンが、拾っていたのか?」

「あの紙切れのせいで、僕のこの3年間は地獄さ•••」

「何があったんだ?話してくれよ。俺もずっと探してたんだ、レオン!」


「よく言うね。そこのゴミどもと仲良くやっていたじゃないか!」

「レオン、俺のことを見ていたのか?なぜ、声をかけてくれなかったんだ!」


「そんなことができるなら、僕は•••」

レオンは、悲しそうな顔を一瞬見せたかと思うと、いきなり襲いかかった。


「何をするんだ!」

「お前はここで死ぬんだよ!ハーベル!そして、その次は、そこのゴミどもも全部片付けてやる!」


「ハーベル、何言ってるんだ?こいつ?」

カザキが、そう言うと、ハーベルに突き刺さりそうになったレオンの剣を間一髪で受け止めた。


ハーベルは、動揺して動けないでいる。

「ハーベル、しっかりして!」

クラリッサが、ハーベルの頬をひっぱたいた。


ハーベルは、我に返ると、

「レオン、【MACOK】ってことは、「魔法陣使い」の命令でこんなことを?」

「ああ、あいつらなら全員葬った」

そう言って、五つの白い繭のようなものを投げつけた。


「それじゃ?」

「もちろん、僕たちの意志でやっているんだ!」

レオンは、攻撃を続ける。


レオンの剣が、ハーベルに何度も突き刺さりそうになるが、カザキがなんとかしのいでいる。

「ハーベル!何をボーッとしてるんだ殺されるぞ!」


「ソーサリーエレメントは、俺たちが頂く!」

「なぜ?その事を?」


「ソーサリーエレメント?って何?」

アクシアが、また不思議そうに尋ねる。


他のみんなは、両パーティーともどうなっているか理解できずにつっ立っていた。


「ハーベル、とりあえず引こう!」

「あ、はい先輩!」

「ゼロし•••」

ハーベルが、零式ゼロしきを使用しようとすると、レオンが、瞬間移動でハーベルの動きを止めた。


「空間移動?」

「お前の手の内はすべてお見通しさ」

レオンが、ハーベルの腕を切り落とそうと剣を振り上げたた瞬間、

「ハーベル!」

カザキが、味方全員を連れてハーベルにつかみかかった。

その瞬間、塔の方へ全員が移動した。


「何を?お前も瞬間移動が?」

ハーベルたちは、塔の方へスッと消えていった。


素早く、レオンが瞬間移動しようとしたが、何も起こらなかった。

「くそ、くそ!」


悔しそうに、何度も白い繭のようなものを踏みつけた。

「レオン、そこまで!」

ミリアが、優しく肩に手を置いた。

「ああ、悪かった」

「説明して!」


「レオン•••」

ミリアが声をかけようとすると、

突然レオンの前に小さな紫色の羽をした精霊が現れた。


「レオン、まだだよ」

「なんだ?」

「あなたでは、まだ塔へは行けないわ」

「またか!ハーベルなら行けるのか?」

悔しそうに剣を振り回した。


「ちょっと!」

サクナが止めにはいる。

「危ないわね、私はあなたの味方よ」

「なぜ僕に?」

「あなたには、資格があるからよ」

「資格?」

「まずは、その召喚魔法陣を使いこなせるようになりなさい」

精霊は飛び回りながらそう言った。


「召喚?そう言えば使ったことなかったな」

「私は、闇の精霊「ルナシェイド」あなたを導くものよ」

「レオン、俺たちにも話を聞かせてくれ」

トリガーが、レオンの肩をポンと叩いた。


「すまなかった。取り乱して•••」

「あんなレオン初めて見たからビックリしたわ」

リセが、レオンを落ち着かせる。


「アルカ、トリガー、お前たちも悪かったな」

「ああ」

「気にしないで!」

レオンは、気を取り直してルナシェイドの話を聞いた。


「ルナシェイド、召喚の仕方を教えてくれよ!」

「分かったわ、レオンは、私が面倒を見るわ」

「あなたたちは、どんな手を使ってもいいから神器を各属性一種類以上見つけて来てくれる?」


「神器?」

「そう、それがこの塔に入る条件なのよ」

「そうなんだ」

「盗んだりしてもいいってことだよな?」

「もちろん、所持さえしていればいいので、盗んでも奪ってもいいわ」

「それなら、おれたちの十八番オハコさ」

「任せておいて」

「了解」


「手分けした方が早そうだな、俺は、レオンの分も合わせて、光と闇の神器を探す」

「私は、風ね」

「じゃあ、私は炎を」

「私は、土の神器に心当たりがある」

「残りは、水ね、任せて」

分担はすぐに決まった。

すると、素早く散っていった。


ルナシェイドは、少し驚いた様子で、

「話が早いわね•••」

「それで、僕は、何をすれば?」

「最終的には、この私を召喚できるようになる必要があるわ」


【MACOK】になったレオンの召喚魔法陣では、魔力を必要としないため、やり方さえ分かればあとは簡単だった。


レオンは、ルナシェイドの指導で簡単な召喚から、順に学んでいった。

「やっぱり、習得が早いわね」

「誉めても何もでないぞ!」

「上出来ね!あとは、神器をもって塔に向かい闇の階段を攻略するだけよ」

「分かった!」


「ハーベルたちは、もうそろそろ攻略してそうね!」

「私が手伝えるのはここまでね、じゃあ頑張ってね」

そう言うと、ルナシェイドは塔の方へ消えていった。

「ハーベル、待っていろ!」


「レオン、遅くなったな!」

「トリガーあなたが最後よ」

ミリアが、自慢気に言った。


「トリガー、ありがとう。これであとは、闇の階段を攻略するだけだ」

早速、塔へ向かうとあっけなく入ることができた。


闇の階段のモンスターは、60階までハーベルたちが狩り尽くしてあったため、攻略は61階からだった。

「なんだ?楽々だな?」

「ハーベルたちの仕業だ!」

「じゃあ、もうソーサリーエレメントを奪われているんじゃないの?」

「いや、それはないはずだ、ソーサリーエレメントは、一人に一属性しか手に入れられないらしい。ハーベルは、光属性だから、光の階段を行ったに違いない」


「なるほど、じゃあ俺たちが奪おうとしている他の属性はどうなる?」

「それは、行ってみなくちゃ分からない•••」


「まあ、とりあえず殺しまくればいんだろ?」

「まあ、そう言うことね!」

「神器もあるし、最高だな!」

「これで、少しは気がはれるかもね」

みんな、殺りたくてウズウズしている様子だ。


「あとは、好きに狩ってくれ!」

「了解」


グシュ、シュッ、ドーーン、ズバ、シュイン、ピュー

レオンたちは、あっという間に99階までやってきてしまった。


「あっけないな!」

「よし、99階はダークネスドラゴンだ、一気に行くぞ!」

「任せて!」

「行きましょう」


「おお、こいつがドラゴンか?」

「初めて見た」

そこには、黒いオーラが口から垂れ流しになっている巨大なドラゴンがいた。


レオンが、一気に近付いて、光属性の剣で頭に一発お見舞いした。

ドラゴンが、クラっとすると、アルカが、鞭で体をぐるぐる巻きにしたが、ドラゴンが身体中から酸のような紫色の液体を吹き出し鞭は溶けてしまった。


「みんな気をつけて!」

「来るぞ」

トリガーが叫んだ。


ダークネスドラゴンは、咆哮して、

目の前に魔法陣を展開すると、そこからどす黒いビームのようなものが照射された。


トリガーが、すんでのところでバリアを展開して何とか防ぎきったが、かなり危なかった。


「アルカ、合わせろ!」

「任せて!」

レオンの合図でドラゴンの左右から攻撃を仕掛けた。


ダークネスドラゴンは、もう一度咆哮すると、

両手を広げて魔法陣を展開した。


「何か来るぞ!」

「いや、前ががら空きだ!」

そう言って、トリガーがロケットランチャーを放つと、いろんな方向からドラゴン目掛けて弾が命中した。


「殺ったか!」

周りは、煙で見えなくなっている。


ダークネスドラゴンが、煙の中から突進して来てミリアに食いつこうとしてきた。


レオンが、ミリアを一瞬で助け出すと、


「やっぱり、これしかないか」

ミリアを抱いたまま、レオンが飛んだ。


白昼夢魔法陣が発動すると、ドラゴンは大きな音を立てて倒れ混んだ。


「ミリア、大丈夫か?」

「うん」

レオンが優しい声で呟く。


「リセ、一応封印しておいて」

「了解」


光属性のいないレオンたちには、ダークネスドラゴンは強敵だったが、幸いトリガーが、光属性の神器を手に入れていたため、多少の犠牲でなんとか倒すこができた。


100階へ登っていくと、石板には、どこまでも続く闇のような、真っ黒の精霊石がはめ込まれていた。


「よく来てくれました。ルナシェイドと申します」

「さあ、さっさと契約するぞ」


「なによ、もっと説明とかさせてよ」

「そんなの必要ないだろ!」

「分かったわ、契約成立よ」

「これで、ソーサリーエレメントをゲットしたのか?」


「ああ、ご苦労だったな」

みんなは、ポカンとしている。


「レオン、どう言うことだ!」

「なに言ってるの?」

「お前たちじゃ、ソーサリーエレメントを手にすることはできないって言うことさ、その資格がないんだ!」


「お前、裏切ったのか?」

「いや、裏切ったりしてないさ、事実を言ったまでだ!」

「ふざけないで!」


「ふざけたりしてないさ、ここでお別れだ!」

突然トリガーが、レオンに砲撃を放ったが空間魔法で素早く交わした。


「レオン、殺す!」

「まあ、もう俺にはかなわないけどな!」

他のみんなも一斉に攻撃をしかけるが、すべて交わされた。

レオンは、ミリアに目を向けて少し見つめたあと、


「僕は行くよ、サリエルに用があるんでね•••」

レオンは、そう言うと静かに消えていった。


「あいつ、絶対に許さない!」

「今度会ったら、絶対に殺す!」

「レオン•••」

「どうすれば•••」

「あきれたわね」

五人は、呆然としてその場に立ち尽くしていた。


次回 【Nocturnal Crest Bearer and Luminarch Magus】

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