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Frenzy Fighter and Chaos Theorist 【戦闘狂と狂授】

リセの故郷、アズール王国では、王様の意向で多くの国との国交が開けている。

多種多様な種族が行き交うことで、国は潤っているが、その分犯罪なども多く治安はさほどよくない。


アズールには、大きな商業ギルドがあり商会の会長は、大きなデパートのような建物を構えていた。


その会長の命を狙っていたのが、隣国ダルメシア帝国の商業ギルドの会長バルダックだった。


トリガーのマスターである、バルダックは裏の世界では武器商人として活動していて戦争を起こしたくてたまらないという、イカれた闇の商人でもある。


アズールの商会では、国王に献上するため最高級の品物も数多く取り揃えていた。


リセは、そのお宝を狙う犯罪ギルド「ルナアークの翼」に飼われている【MACOK】だった。


ギルドの親分は、ガルシアといってとにかく格闘技では右に出る者はいないという強さを誇っていた。

リセのマスターなので、もちろん魔法にも長けていた。


「次は、リセのところだね」

「ガルシアは、とにかく強いから注意してね」

「僕たち六人なら大丈夫だよ」

レオンは、リセの手を優しく握った。


「一気に片付けるぞ」

「了解」


レオンは、みんなをつれて犯罪ギルドの親分ガルシアのもとへと飛んだ。


「おお、なんだお前ら?ああ?」

ガルシアは、ビックリした様子もなく大きなソファーに両手を広げて、足をテーブルに投げ出して座っていた。


「リセ!こっち来い!」

凄みの効いた声で、呼びつけた。

「はい•••」

リセは、反射的にガルシアの方へ歩き出しそうになった。


レオンは、優しくそれを制止した。


「お前が、ガルシアか?」

「ここで、死ね!」

レオンが、そう吐き捨てると、

「大きな口を叩くな、いい度胸だ」

「どうだ、ウチで働くか?」

「はん、言ってろ!」


トリガーが、急に銃をぶちかました。

「ダダダダダダッ、ダダダダ」

煙で周りが見えないほどだ、

その一瞬の隙に、トリガーの首もとを巨大な手がつかみ絞め付けていた。


レオンは、トリガーの手をつかみ一瞬で移動してなんとか間一髪で交わしていた。


「ほーこれを避けるかね•••面白い。ますます、俺の飼い犬にしたくなった。遠慮なくどんどん行くぞ!」

勢いに乗ったガルシアがそう叫ぶと、


怒涛の勢いで攻撃を繰り出してくる。

さらに、ガルシアは魔法で身体強化と攻撃にも雷属性を付与しているようだった。


「捕まれたら、おしまいだ!」

「私に、任せて!」

アルカが、長い鞭でガルシアを腕ごと縛り上げる。

サクナが、すかさず魅了魔法陣を発動した。


ガルシアは、少しクラっとしたが、そのまま鞭を引きちぎりサクナめがけて手を伸ばした。


「ああ、殺られる•••」

サクナが目を閉じた瞬間、

「いや、充分だ!」


レオンが、そう言うと、ミリアをつれてガルシアのすぐ後ろに瞬間移動した。


ミリアの白昼夢が発動して、ガルシアは大きないびきをかいて眠ってしまった。


ガルシアの右手は、サクナの細い首を握る寸前で止まっていた。


「悪い•••レオン、油断した•••」

「私も、もうダメだと思いました。レオンありがとう」

サクナは、目に一杯の涙を浮かべて足が震えていた。


ミリアを起こすと、リセがガルシアを封印した。


「あと、二人ね」

「よし、さっさと次を片付けよう」

「バルダックは、戦争狂だが奴自体は大したことない」

「早速、行くぞ!」

「了解」

みんなの息も揃ってきた。


そのまま素早く移動すると、

「バルダック、起きろ!」

トリガーが、ベッドを蹴りあげた。

「は、え、」

「起きろ!」

「何だ、トリガー何してる?」

「死ね!」


トリガーが銃で頭を殴り付けた。

その後ミリアが、白昼夢であっさり眠らせるとリセがさっさと封印した。

「クズね!ペっ」

アルカが、吐き捨てるように言った。


「あとは、レオンの•••」

「最後は、メルキド博士か」

「正直、メルキド博士はかなり強い、当たり前だが、僕の魔法陣もすべて把握している。かなり分が悪い」


レオンたちが、高等部の校舎に着くとメルキド博士が待っていた。

「【MACOK】の皆さんごきげんよう」

「あれ、予定と違う」

レオンが、動揺していると、

「安心して、レオン」

そう言って、サクナが前に出た。


「博士、話を聞いてください」

「お前の、魅了魔法陣のことは調査済みだ」

「何で?」

「お前たちの行動など把握済み、というよりも私の計画通りに動いてくれました」

「レオン、どう言うことだ!」

トリガーが叫んだ。


「僕にも何なんだか?」

「すべては、私の考えていた通りの結果です」

「ご苦労、レオン」

「違う、僕は何も知らない!」

レオンが、大きく首を横に振った。

「ここまで来て、逆らったりしないですよね?」


「いいから、予定通りいくぞ!」

「こうなったらどうにでもなれ!」

メルキド博士は、魔法陣を地面に展開すると魔法陣からアイアンゴーレムが現れた。


「私は、とうとう魔物への魔法陣付与に成功したのだ」

「なんてことを」

トリガーが、バズーカを構えた。

「これでも食らえ!」


アイアンゴーレムめがけて砲弾を撃ち放ったが、全く効果はなさそうだった。


「マジか•••」

トリガーが呟いた。

レオンは、まだ動揺している。


アイアンゴーレムが、突進してきた。

トリガーが、みんなをバリアで包み込んだ。

しかし、ゴーレムの突進でみんなが吹き飛ばされた。


「お前たちの魔法陣は、すべて把握済みだと言っただろ!」


「どうせ最後は、ミリアの白昼夢頼りでしょうね」

「うう•••」

そう言うと、メルキド博士は、ミリアに高速移動で近づき金属魔法陣の剣で斬りかかった。


「ズバッ」

「ぐはっ•••」

レオンが、瞬間移動で間にわって入り背中で攻撃を受けながらミリアを抱き締めた。


「レオン、大丈夫?」

レオンの切り口は、岩石魔法陣で守られていた。


「ああ、大丈夫!」


レオンが、ミリアを連れて一瞬でメルキド博士の後ろに移動した。


博士の身体を羽交い締めにすると、ミリアと共にフィラルティア公国の上空へと移動した。

「悪あがきですか?」

「博士、今までありがとうございました」

そう言うと、レオンは空中から博士を突き落とした。


「相変わらず、バカですね!」

「なんだと?」

「私も空間魔法陣は、使えるんですよ!」


メルキド博士は、二人の真上に移動すると、投縄なげなわ魔法陣で二人の身体を拘束して首を絞め上げた。


レオンをミノムシのようにぶら下げたまま、苦しそうに首の縄を外そうとするミリアの身体を遠心力で上に放りあげた。


「ギャーーーー」

メルキド博士は、金属魔法陣の無数の針でミリアを串刺しにしてしまった。


「あああああ、ミリアーーーーー!」

レオンは、半狂乱になりそうな声で叫ぶが、

「安心しなさい!すぐに後を追わせてあげますよ!」


メルキド博士は、レオンをそのまま地面に叩きつけた。

血だらけになったレオンを見下ろしながら、

「身の程を知りなさい!」

「グサッ」

心臓を一突きにした。


博士は、高等部へ空間魔法陣で戻るとトリガーたちは、アイアンゴーレムにメチャクチャに潰されていた。


サクナが、泣きながらそれを見ていると、メルキド博士がゆっくりと近づいてきた。

「サクナ、に、逃げて•••」

「アルカ•••アルカ•••」

アイアンゴーレムが、腕を振り上げると、

「ドサッ」

アルカの頭をスイカのように軽く潰した。

「アルカーーーーーー!」

サクナが絶叫する。


「あなたの魅了魔法陣ごときではどうしようもないですか!」

メルキド博士が、吐き捨てるように言うと、


「あああああ」

逃げ出そうとするサクナの背中を突き刺した。

「こんなもんですか?ハハハ•••••••••」

博士は、高笑いをしながら剣で何度も突き刺していた。

•••「レオン•••」

「レオン、大丈夫?」

「ああ、ミリア」

レオンは、ミリアを抱き締めていた。


実際は•••••••••

レオンが、一瞬でメルキド博士の後ろに移動した。


博士の体を羽交い締めにすると、ミリアと共にフィラルティア公国の上空へと移動した。

「悪あがきですか?」

「博士、今までありがとうございました」

そう言うと、レオンは空中から博士を突き落とした。


「自分も死ぬ気ですか?」

「ミリア頼む!」

レオンは、ミリアを抱きしめたまま博士の真下へ移動すると、

「了解」

そう言って、白昼夢を発動させた。


実際は、ミリアの解除魔法陣によって、メルキド博士の魔法陣は封じられていて、白昼夢にすでに落ちていたのだった。


メルキド博士は、地面にたたきつけられたが、かろうじて生きているようだ。

レオンは、ミリアを起こすと抱きしめた。


「レオン、恥ずかしい•••」

「悪い•••」

レオンは、二人を抱えて高等部へ戻った。


アイアンゴーレムは、メルキド博士の魔法陣付与によって、防御力が何倍にも上がっていた。

「こいつ、メチャクチャ硬いんだが?」

トリガーは、攻撃を続ける。

「通常の攻撃をしていても埒が明かないわ!」

「じゃあ、どうすれば?」


サクナが、アイアンゴーレムの前に立つと魅了魔法陣を発動させた。

「それって、効くの?」

アイアンゴーレムは、フラフラしている。

「少し効果あるようね」

「サクナ、よくやった!」


アルカが、すかさず蛇鞭魔法陣でグルグル巻きにした。

「今よ!リセ!」

リセが、布陣魔法陣で包み込んだ。

「よくやった!」


あとは、トリガーが、火炎放射器でそのままドロドロに溶かして、鉄の塊にしてしまった。

「みんな、ありがとう」


四人で何とかアイアンゴーレムを倒すことができた。


「終わったな」

「一時はどうなるかと思ったわ」

「レオン、裏切ったかと•••」

「•••」

「まあ、これで俺たちも自由だ」

「長かった、【MACOK】の奴隷の人生は•••」

「本当ね」


とりあえず、レオンたちは、高等部の旧校舎の地下室でしばらく暮らすことになった。

次回 【Luminous Ascent and Shadowed Climb】

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