表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【MACOK】  作者: 吾妻 八雲


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/11

Elysian Enchantress and Sowbane Sorceress 【エルフと豚】

「おい、トリガー久しぶりだな!」

「おお、レオンじゃないか、どうした急に!」

「今いいか?」

「少し待ってくれ、もうすぐで任務が終わりそうだ•••」

「わかった」

グキュ、ザクッ、シュッ

「悪い、どうした?」


「周りは大丈夫か?」

「抜かりない」

「トリガー、僕の仲間になれ!」

「またその話か!まあ、嫌だが•••」


「まあ、そう言うわな、ただ、話しは急を要する」

「お前、まさか?」

「ああ、そのまさかさ、「魔法陣使い」たちは僕たちが無効化する」

「前に言ってたやつか、まさか本気か?「魔法陣使い」を殺したら俺たちも死ぬんだぜ!」


「もちろん、その辺りは考えがある。まずは、仲間になるのかならないのか、はっきりしてもらおう!」

「うう、後戻りはできないぜ?」

「承知のうえさ!」

「分かった、俺も前々から考えていたことだ。腹をくくろう」

「よし、また連絡する。それまで悟られるなよ!」

「了解」


レオンは、次の準備に取り掛かる。

「リセ、今大丈夫?」

「はい、でどうなりましたか?」

「計画を実行に移す」

「はい•••」

「また連絡するまで、悟られないようにして、そして、マスターの行動予定をしっかり把握しておいてくれ」

「分かった。待ってるね」

「うん」


最後の仕上げに連絡を入れる。

「ミリア」

「ああ、レオン」

「いいか?」

「ああ、あれね?」

「そうだ」

「準備が整ったのね?」

「ああ」

「了解」

ミリアは、フィラルティア公国にいる【MACOK】で、最後の切り札だった。


レオンは、ミリアの白昼夢を使って「魔法陣使い」たちを無力化する計画だった。


レオンは、マスターたちの予定を調べあげ、全員が留守にするタイミングとそれぞれを襲撃できる日程を割り出していった。


レオンは、ミリア、リセ、トリガーの順に迎えにいってやっと四人が揃った。


「お互いは初めてだな•••」

「レオンだ、よろしく。計画に協力感謝する。あと二人候補がいるのでこの四人で向かおうと思う」


「俺は、トリガー、よろしく。レオンとはライバルだと思っている。能力は、砲弾魔法陣で、あらゆる銃器の使用が可能なのと、防塵魔法陣で近接攻撃もバリアで防御できる」


「私は、リセ、布陣魔法陣で無限に収納ができるの、盗みや何かの保存にはとても便利よ」


「私は、ミリア、見ての通り妖精よ、いくつかの精神系の魔法陣と白昼夢魔法陣を使えるわ」


「計画としては、ミリアの白昼夢で相手を無力化し、布陣魔法陣で小さくして、生きたまま保存する。残りは、それを遂行するためのサポートにまわる」


「うまく行くかな•••」

リセが、心配そうに呟いた。


「絶対にうまく行かせる。後の二人を迎えに行ったら、ミリアのマスターのエリスを先に片付ける。一番厄介そうだからな」


「了解」

「分かったわ」

「いいでしょう」


「じゃあ、早速サンゴルドへ移動する」


レオンたちが、サンゴルドの町中へ着くと、

「ここがサンゴルドか、すごく和風な感じだな」

「和風?ってなに?」

「ああ、ごめん懐かしくて•••」

「変なの•••」


「僕とミリアで交渉にいくよ。二人はサポートをよろしく頼む!」

「了解」

「うん」


レオンは、ミリアと一緒にアルカとサクナの部屋へ移動した。

「シッ、静かに!」

「お前ら、誰だ!」

「落ち着け、僕たちは味方だ。君たちを助けにきた」

「そんなの信用できない!」


アルカが、そう叫ぶといきなり蛇鞭魔法陣で攻撃を仕掛けてきた。

サクナも同時に魅了魔法陣を発動していた。


「あれ?」

「どうしたのサクナ」

「魅了が効かない。男の人なのに?」


アルカの攻撃を交わしながらレオンが言った。


「ちょっと話を聞いてくれ!」

レオンは、鞭を軽く素手で止めた。


「なぜ、サクナの魅了が効かないの?」


「私の魔法陣の効果よ。精神系への攻撃はすべて無効にする。解除魔法陣があるの」


「私と相性最悪ね•••」

サクナは、落ち込んでいるようだった。


「殺しにきたの?だったら早く殺りなさい!」

アルカが、両手をあげた。


「だから、助けにきたって言っただろ!」

レオンが、優しく手を下ろそうとしたその時、


戦闘の音を聞き付けたヨイザクラの取り巻き達が集まってきてしまった。


「なんの騒ぎだ!」


「まずいわ」

「あなたたち、早く逃げて」

サクナが、窓を開け放った。


「心配しないで•••」

シュッ、グキ、ザッ、

レオンは、そう言うと静かに取り巻きたちを素早く片付けた。


「おお、すごい」

「本当に助けに来てくれたの?」

「ああ、だからはじめからそう言ってるだろ?」


ミリアが、二人をベッドに座らせると詳しく事情を説明してくれた。


少しすると急にドアが、すごい勢いで吹っ飛んできた。


「お前ら、人の商品に何をしてるんだい!」

すごい怒鳴り声でヨイザクラが入ってきた。


「私の魅力にイチコロだよ」

ヨイザクラが、レオンに近づいた。


レオンは、微笑むと、急にヨイザクラの頬をひっぱたいた。

ヨイザクラは、すごい勢いで壁に叩きつけられた。


「この豚やろう!」


突然で何が起こったか解らない様子で、

「あれ、あれ、私の魅了魔法陣が効かないの?あれ、あれ•••」

そう言うと、うろたえながら、

「豚じゃなくて、少しポッチャリしてるだけなんだよ!」


呆れた顔でレオンが呟く、

「ミリア頼む」

「了解」


ミリアが、白昼夢を発動させた。

ミリアは、その場でレオンに倒れ込んだがすぐに優しく起こしてあげた。


すかさず、リセが大きな布を腕から出して、ヨイザクラをくるんで、小さな繭のようにしてしまった。


「うわ、すごい、本当にやっつけちゃった」

「ありがとうございます」

サクナが、信じられないような表情で喜んでいた。


レオンは、繭を拾い上げると、全員で素早く脱出した。


「予定は、狂ったが結果的にうまく行ったな」

トリガーが、レオンの肩を軽く叩いた。

「ああ」


「私は、サクナ、助けてくれて本当にありがとうございます」

涙を流して喜んでいる。

「さっきはすまなかった。アルカだ。妹を助けてくれてありがとう」

サクナを抱き締めている。


レオンたちも紹介を済ませると、六人は早速エリスの待つフィラルティアへ移動した。


フィラルティア公国へは、レオンの空間魔法陣で国の最高機関の前に移動してきた。


そこには、ミリアの「魔法陣使い」である、エリスが待ち構えていた。

「エリス様、ご命令通り【MACOK】たちを連れてきました」

「ご苦労」

「ミリア•••」

レオンたちは、呆気に取られている。


エリスは、金色の髪を棚引かせた美しいエルフだった。


エリスは、黄金に輝く杖を空に向けて呪文を唱えると、空中に大きな魔法陣を浮かび上がらせた。

「ルミナスバインドトラップ!」


レオンたちは、魔法陣に捕まりそうになるが、空間魔法陣で何とか避けていった。


「なるほど、空間魔法ですか」

「ミリア、少し下がって見ていなさい」

「承知しました」


「レディアントバラージ!」

エリスは、次々と魔法陣を展開すると光輝く無数の矢がレオンたちに襲いかかる。


トリガーが、魔法陣を発動すると、レオンたちの周りにバリアが展開した。

「助かった!」

「トリガー、援護頼むぞ!」

「了解」

レオンとアルカが、エリスの左右から襲いかかる。


アルカの腕には、無限に延びる鞭が使用できる邪鞭じゃべん魔法陣が刻まれている。

アルカが、エリスの動きを封じると、レオンが、エリスの喉元に刃を突き立てた。


「殺せるのですか?ミリアも死んでしまいますよ!」

「うっ、幻惑か!」

レオンは、少しクラっとした。


エリスは、みんなの周りを回りながら三体の分身に別れると、黄金に輝く杖「アウレリアンテンペストフレア」が、光と炎と風の三種の杖に分離した。


分身したエリスが、それぞれの杖を天にかざすと、杖の先から凄まじい魔力の流れが渦となって天に登っていった。


「ブレイズ!」「クイーバー!」「ルミナンス!」

三人が合わせて詠唱した。

「ブレイズクイーバールミナンス!」


トリガーのバリアで守っているが、すぐに吹き飛ばされてしまった。


三属性の合成魔法は、虹色に輝くドラゴンとなって、うねりながらレオンたちに襲いかかった。


「キャーー」

凄まじい威力で地面に激突すると、大きな穴が残っているだけで、レオンたちの姿はもうどこにもなかった。


辺りが静まり返ると、エリスはゆっくりと元の一人に戻っていった。

「こんなもんですか•••」


「今よ!」

ミリアが叫ぶと、どこからともなくレオンとアルカが現れて、元に戻ると瞬間のエリスを邪鞭じゃべん魔法陣で拘束した。


「さすがに、この瞬間は実体だろ?」

レオンが、ニヤリと笑うと、

「今だ!」

レオンが叫んだ。


すかさずミリアが白昼夢を発動させると、

「ああ、ミリア•••」

エリスは、悲しそうな眼をしてぐったりして眠りに落ちた。


レオンが、ミリアを起こすと、

「レオン、上手くいった?」

「ああ、上出来だ!」

リセは、エリスの身体を大きな布で包込んで小さくしてしまった。


「やっと、二人目か」

「エリス様は、かなり厄介な人なので先に処理ができてよかった」

「処理って•••」


「今回も、何もできなかった•••」

「サクナ、お前は男相手のときが一番役に立つんだ。期待してるよ」

サクナは、少し嬉しそうに微笑んだ。

次回 【Frenzy Fighter and Chaos Theorist】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ