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7. 半年の成果を見せる時!

起きた。


今日もいい天気だ。

まずはいつも通り、手足の運動から。


「あうあうあーあー(いっちにっさんしっ)」


生まれてから半年くらいは経っただろうか。

日々わちゃわちゃと手足を動かし続けてきた。

栄光のハイハイロードを目指して。


そろそろ、その成果を見せる時だ!


「うーあっ!(せーのっ!)」


ゴロン。


よしよし、順調。

寝返りを打つ所まではいつも通り。


大事なのはここから。

床に両手を着いて、ゆっくり力を入れていく。


焦ったらダメだ。

勢いよく力を入れると非力な赤ちゃん腕を痛めてしまう。


僕にはお見通しさ、何度も痛めたからね!(ドヤ顔


「んーあっ!(よいしょっ!)」


よし!今日は調子がよさそうだ!


わが赤ちゃん腕よ、我の呼び掛けに答え、その秘めたる力を目覚めさせたまえ!

今日こそ、その大いなる1歩を踏み出す時!!

うおおおおお!


「フィロ」


こてんっ。


あうち。

もう一歩って時に、誰だい、僕の修行を邪魔するのは。


「�����(今日も元気だね、よしよし)」


小学一年生くらいの女の子が僕をなでなでする。

いつも眠そうな目をしつつも僕のお世話をしてくれるお姉ちゃんだ。

言葉はまだ全然分からないから、もしかしたら違うかもしれないけど母親にも似ているし間違いないと思う。


「�����(お母さん呼んでくるね)」


何かを言ったあと、どこかに行ってしまった。


うーむ。

よし、気を取り直して、続きをしよう。


「んー!」


両手を床について、ゆっくり持ち上げる。


よしよし、素晴らしいじゃないか、ここまでは順調なんだ。


問題はここから。

いつも、ここから1歩を踏み出そうとするとバランスを崩して倒れちゃう。

赤ちゃんの頭は重たいんだ。

一瞬でもこのぷにぷに赤ちゃんの片腕で支えるのは難しい。


しかし!

今日の僕はひと味違うぞ。

半年間手足の運動をし続け、鍛え上げたこのぷにぷにの赤ちゃん腕。

更には、試行錯誤の果てにたどり着いた体重移動。

そして、考え抜いた1歩目の手の出し方。


ふっふっふ。

ついにこの時が来た。

わが赤ちゃん腕よ、我の呼び掛けに答え、その秘めたる


「�����(おはようフィロ!今日もいい天気ね)」


こてんっ。


なんてこったい!!

誰だい!僕の偉大なる第1歩を邪魔するのは!!


「�����(朝ごはんのお時間ですよ)」

(にこっ)


偉大なるお母様でございましたか、今日もお美しくございます。

おっぱいの時間なら仕方ない、今日はここまでにしておいてあげよう。



…決して空腹に負けた訳ではない。

…ないったらない。



さて、おなかいっぱいになった所で、状況を整理しよう。

この半年間色々あった。


まず、分かったことから。


僕の家は、どうやら4人家族のようだ。

お母様、お父様、お姉ちゃん、僕。


お母様は、黒髪で優しげな雰囲気の美人さん。

いつも朝は木剣の素振りをしているようだ。

おそらく剣士なんだと思う。


少し早く起きた時は、お庭のベンチでお姉ちゃんに抱えられながら、お母様が素振りしてるのを一緒に見たりする。


振り上げて、頭の上に来たところから、次の瞬間には地面すれすれの位置にある。

振り下ろしが速すぎて全く見えない。

お母様、かっこいい…!(キラキラした目)

いつか僕もお母様みたいな立派な剣士になる!!



僕の密かなる決意はさておき。



次はお父様。


赤髪で、活発そうなイケメンだ。

両親ともに美形、これは僕も将来に期待できそうだ(にやり)。


そんなお父様は、仕事が忙しいのか、家にいることは少ない。

数日から、長い時は数週間くらい家を空けることは珍しくない。


でも家に帰ってくると必ずみんなにギューとチューは欠かさない。


そして、なにより!

魔法を見せてくれるんだ!

魔法だよ魔法っ、やっぱりあったんだ!!


「�����(今日もフィロは元気でかわいいな!)�����(よし!今日は魔の森を焼き尽くした豪炎の魔法を見せようか!絶対喜ぶぞー!)」


ゴツンッ。


「�����(あなた、近隣一帯を灰にするつもり?)�����(ちょうど私の剣が鈍ってないか確かめたかったのだけど、元気がありあまってるなら相手してもらおうかしら?)」


とんでもなく速いゲンコツ。俺でなきゃ見逃しちゃうね。(全然見えませんでした)


お父様がお母様を怒らせたらしい。

いつも優しげで天使のような笑顔のお母様。

同じ笑顔なのに、なぜだか震えが止まらない。


お母様だけは絶対に怒らせてはいけない。

世の絶対の理を改めて認識することが出来ました。

お父様、半年という短い付き合いでしたが、どうか来世でもお元気で。

僕はお父様が命をかけて教えてくれたこの教訓を一生忘れることは無いでしょう。

南無(合掌)。

お姉ちゃんまで行けませんでした…。

次回のお楽しみに!


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