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4. 努力の限界

それから高校卒業までの1年間、僕は平田くんの背中に追いつくどころか、どんどん離されていった。


学年での席次は、僕が2番で、平田くんが1番。

僕達は毎回学年トップ2を譲らず、学年では有名になっていたけど、全国模試とかでは僕と平田くんの差はどんどん開いていった。


これが、才能の差だった。

才能のある人とない人。

持つものと持たざる者。

どちらも努力したら、結果は明らかだった。


それでも、ぼくは努力した。

もっともっとできると思った。

平田くんには才能があって、努力もできる。

それなら、ぼくはもっともっともっとそれ以上の努力で追いついてやると思った。


もっと削れる時間はないか。

睡眠時間はもっと短く出来ないか。

食事の時間、お風呂の時間、休憩時間、全ての時間をいかに最高効率で出来ないか考えた。

これ以上削れる時間はないんじゃないかというところで、また行き詰まってしまった。


どうしたらもっと努力出来るんだろう。

まだまだもっと出来ることはあるはずだ。

考えろ、調べろ、実験しろ。

出来ることはなんでもやった。

今ある時間でもっと効率よくもっと多くのことが出来るように。

10分の勉強で20分,30分の学びを得るために。

いや、もっとだ、100分の学びが得られるように。


ありとあらゆる事をやった。


世の中にはいろんな実験が行われている。

それを参考に自分でも色々試した。

音楽を聞きながら。

運動しながら。

インターバルを挟みながら。

動画を活用したり、人に教えてみたり、手書きしたり、タイピングしたり、絵を書いてみたり。


それでも平田くんに追いつくことは出来なかった。


「…ちょっとは、お前のおかげかもな」


平田くんは東大理科三類 医学部に首席合格していた。


「やっぱり平田くんは凄いや。どんなに努力しても、その更に上の努力をしても、もっともっともっと努力したとしても、追いつける気がしないや…」


「まあ、お前、才能ないからな…」


「うん、ぼく、才能ないからね…」


僕はそれでも、東大理科二類 工学部にほんとにギリギリで合格していた。

平田くんには及ばないまでも、十分にすごいことだ。


ただ、僕は努力の限界を感じていた。

これ以上はもうどう頑張っても上に行くことが出来ない。


常人の100倍は努力しているつもりだ。

あらゆることを超高効率でこなしつつ、限界まで時間を使って、できること全てをやっている。

それでも、元の才能が無さすぎるんだ。

そこまでやって、やっとトップの人たちの中の1人。

上には上がいるんだ。

そして、僕はこれ以上上には行くことが出来ない。


でも、いいんだ。僕はこれでいい。

もちろん、もっと上に行きたいという気持ちがない訳では無い。

けど、できることはやっているんだ。

これからもやり続けるさ。

それでも、せいぜいこのレベルをキープ出来るくらいだろう。

僕も、頂点の景色が見たいなあ。

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