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2. 平田くんは凄いんだ

勉強は、どんどん難しくなった。


やってもやっても次があるんだ。


何度も何度も勉強して、やっと基礎が定着してきたかと思ったら、応用が来るんだ。


頭がいい子は、何度も勉強しなくても基礎をぱっと理解しちゃう。

何個か応用を教えられると、要領を掴んですらすら解いちゃう。


ぼくには無理だった。


でも、努力すればするだけ、少しずつだけど前に進むことができるんだ。

出来ないことがあるなら、努力が足りないだけさ。


それから 2倍、3倍、5倍。

勉強時間を増やしていった。


その頃は寝る時間が決まっていて、勉強出来る時間は限られていた。

だから寝る時とご飯を食べる時以外は、ずっと勉強した。


小学校を卒業する頃には、クラスの平均くらいは取れるようになった。


自分一人だと、難しくて理解できないことも多くなってきていた。

だから、クラスでいつも1番をとっていた平田くんに、よく勉強を教えて貰った。


「お前、これこの前も教えただろ。ほんと才能ないな。」


平田くんはそんな憎まれ口をいうけど、いつも丁寧に教えてくれるんだ。

多分照れ隠しだ。


平田くんは、いつも授業中ぼーっとして外眺めたり、別の本読んでたり、寝てたりする。

それなのに、なんでこんなに頭良くて、教えるの上手なんだろうね。


「ぼくに才能がないのなんて、僕が1番知ってるよ。だから努力するしかないんじゃないか。」


僕はいつもそう返すんだ。


僕にはなんの才能もない。


だけど、努力の才能だけはあると思うんだ。


こんなに努力してるのに、まだまだ努力できる気がするんだ。



中学に上がって、どんどん勉強も難しくなった。

ぼくはもっともっと努力しないとと思ったんだ。


でも、これ以上どうしたらいいんだろう。


一日の限界まで時間を使っている。


正直体力的にはもっと頑張れそうだ。

もっと頑張りたいっていう気持ちもある。


それなのに、手詰まりなんだ。

しばらくそんな日々が続いていた。

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