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二十五話 孤独な想い1

 旅は慣れている。

 ひとつの場所に長く留まることはない。

 いつだって独りだった。それで寂しいと思うこともなかった。

 しかし。


(あそこには一か月いたいのね)


 辺りの木々は、まだ焦げた臭いを漂わせていた。


「ごめんなさいね」


 黒くなった木に手を当てると、脈打つ命を感じた。


 植物は逞しい。


「なんでこんなに寂しいのかしらね」


 聞こえるのは、自分の息遣いと風の音。

 踏み出せば、足音は今ここにいるのは、自分だけではないのかと不安になる。


(今までこんなことなかったのに……)


 マリアは苦笑した。

 火が届かった木々が徐々に見えてくる。緑の匂いが風に乗ってくる。

 ギタの町までは一日もあれば着くだろう。

 城までは、アグノスの仲間の魔族が何かと邪魔をしてきて三日はかかった。


(ついこの間のことなのに、なんか懐かしい)


 帰れと囁かれた大岩の傍を通り過ぎ、石が降ってきた木々の合間を難なく抜け、マリアは苦笑する。

 振り返らずに、マリアは歩いた。

 また独りに戻るだけ。


(そう、ひとりはいつものことよ)


 青い瞳に映る景色に会いたい人を想いながら、マリアはギタの町へと歩みを進めたのだった。

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