表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/59

十四話 闇が裂ける時

 恐怖を顔に貼り付けたイェシカ・オーバリーを背に庇い、マリアは剣を構える。


「イェシカ、隠れてて」


 マリアが言えば、戸惑いながらも頷く気配がした。

 狼のような獣は、鉛色の双眸に怒りを滲ませ邪魔者を睨み付けながら、自らの体の黒い炎をさらに燃やした。

 どうやら相当ご機嫌を損ねたようだ。


「見たことない魔獣ね」


 魔獣でも、敵は二頭。普段のマリアなら造作もない。

 しかし、今はイェシカが背後にいる。


(まっ、やるしかないか)


 先に仕掛けてきたのは、魔獣二頭だった。

 タイミングをずらして、マリアに飛びかかってくる。一頭がマリアの気を引き付け、もう一頭がイェシカに襲いかかるつもりだろう。


「あら、結構頭がいいのかしら?」


 マリアは一頭目の爪をかわしながら、自分を避けていく魔獣に左手を素早く振る。と、投げナイフが二頭目の鉛色の片目を貫いた。ギャアァ! と恐ろしい咆哮を上げ、それは蹲った。

 マリアに襲いかかったもう一頭が、仲間のその様子に怯む。

 その隙にマリアは剣を薙いだ。斬った感覚はなかったが、魔獣の黒い頭が横にすっ飛んでいき、黒い炎に包まれていた体躯は消えた。

 仲間を殺され、片目でマリアを睨む一頭を、マリアも怯まず見据える。

 そのまま飛び掛かってくるかと思いきや、片目を失った魔獣は天に向かって咆哮した。


「?」


 マリアも天を仰ぐ。

 朝陽を遮るように空を覆う枝葉が、不気味に揺れていた。

 咆哮の余韻がなくなり、一瞬静寂に包まれた森。


 が――


「ッ⁉」


 唐突に肌が粟立った。脳内に警告音が鳴り響く。


(なっ……なに……?)


 次の瞬間だった。


「えッ?」


 ビキリッと音を立てて、枝葉の空が裂ける。

 そして、その裂け目から禍々しい鉛色の双眸が光った。

お読みいただき、ありがとうございます!

よかったらブックマークや評価、いいねをしていただけると励みになります(*^-^*)

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ