「第一話 目覚め」
俺が気が付くとそこには二人の人がいた。
(あの後どうなったんだ?俺は大丈夫なのか?)
二人とも日本人ではないと思われる顔と恰好をしていた。
一人は若い女性でなぜかわからないが俺のほうを見てとても喜んでいる。
もう一人は若い男性でガタイが良いおっさんって感じだ。
「よかったわ!。無事に生まれてきてくれて!ねえあなた。名前はどうするの?」
「そうだな。よし!お前の名はアラン!アラン ディルファイドだ!」
どうなってんだこれえええええ!!
なんで俺が子供、いや赤子になってんだよ!
というか俺死んだのか?
死んで生まれ変わったのか?
「いい名前ね!じゃあアラン今から私たちと一緒に生活するのよ!」
こうして俺は新たな人生の第一歩を歩み始めるのであった。
あれから十三年がたって分かったことがある。
一つは今まで俺が生きていた世界とは全く違う世界だということだ。
そして他にはこの世界には魔物や魔法が存在しているということだ。
まるで本当に転生物のような展開だ。
そして俺の両親は普通の人間で父は昔少しだけ冒険者をやっていたらしいがすぐにやめたらしい。
今は建設業をしている。
母は昔から診療所で看護師をしている。
俺は生まれ変わってからは両親から多少の剣や魔法のことを習ってきた。
「おい!アラン!今日はシードラゴンの肉が入ったんだ!どうだ買っていかないか!」
「遠慮しとくよ!」
「またいつか買ってくれよー!」
俺もこの世界に生まれ変わって十三年。だいぶなじんできた気がする。
「ただいま!母さん!」
両親も全然いい人だしもう前の世界になんかどうでもよくなってきていた。
「おかえりアラン。もうご飯できてるわよ。」
「ありがとう母さん。」
前の世界の母親は毎日忙しく家にいなくてご飯を作ってくれることなんてなかった。
「ただいまー。帰ったぞー。」
「お!今日はワイバーンのステーキか?アラン!お前の分も食っていいか?」
「ちょっとあなた!そんな子供みたいなことしないの。」
「じょ、冗談だって。」
とまあぶっちゃけこっちの世界にいるほうが幸せだ。」