入学試験①
「光輝さん、陽葵ちゃんよく眠れましたか?」
「はい、おかげさまで良く眠れました。」
「シルフィーさん、ありがとうございます。」
「ふふふ、それは良かったわ。朝食をご用意致しましたので一緒に食べましょう。」
「はい、いただきます。」
「このスクランブルエッグとても美味しいです。」
「ふふふ、ありがとう。」
「私はチーズ入りのハムカツがとても気に入りました。」
「今度遊びに来たときにレシピを教えましょうか?」
「えぇっ!いいのですか?是非お願い致します。」
「もちろんよ♪」
「ごちそうさま、凄く美味しかったです。毎日でも食べたいくらいなんですが王立魔導学院が全寮制なのがとても残念です・・・」
「あら、学期の節目に長期休みがあるから外出届を提出すれば外に出られるわよ?」
「そうなんですか?知らなかったです。それなら長期休暇の時に絶対に泊まりに来ることをここに宣言します。」
「大袈裟ね・・・でも嬉しいわ。楽しみに待ってます。」
食卓を囲み朝食を終えてから僕達は試験の準備をして王立魔導学院に向かった。
僕達は遅れないように開始1時間前に来たのだがすでに長蛇の列となっていた。
「陽葵、試験が終わったら正門で待ち合わせしようか。」
「分かりました。お兄様。」
「陽葵、くれぐれも会場は壊さないように自重しろよ。」
「もちろんですわ、お兄様・・・」
僕達は会場が違うためその場で別れ列に並ぶことにした。
「それでは定刻となりましたので始めたいと思います。まずは試験内容からご説明致します。午前は学科試験、午後は実技試験を行います。数人の副試験官が答案用紙を全員に配り終えてから試験開始の合図をしますので、それまでは用紙を裏返しのままにして待機してください。」
試験官が全ての受験者に答案用紙を配り終えた。
「それでは試験開始!」
問題は魔導図書館で読んだ初級の内容ばかりだったので答案用紙を全て埋めることができ見直しもしたのだが時間が余ってしまった。
「ドーーーン!!!」
しばらくして遠くの会場から爆発音がした。その衝撃で窓ガラスがガタガタと震えている。その爆音が鳴り響いた方角を一斉に受験生が振り向いた。
「皆さん、試験に集中してください。貴方は闘技場の様子を見てきてください。」
「はい。」
1人の副試験官が様子を見てくるように指示され教室を退室した。様子を見てきた副試験官は報告しそれを聞いた試験官が口をあんぐり大きく開けたため顎が外れ自力で整復している。
「試験終了!答案用紙を試験官が集めますのでその場で座って待機していてください。」
試験官が答案用紙を集め終わった。
「午後からの試験は13時からですので遅れないように集合してください。では解散。」
学科試験が終わりその場を後にした。




