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空間転移

こうして僕は子供達を連れ、まずは馬車が襲われていた現場へと向かった。現場に着くとまだ子供達がその場にいた。これからどうしようか悩んでいるんだろう。


「ミルお姉ちゃん!」


「ミュウ」


さっき助けた時に視線があったこの銀髪の少女がこの子のお姉さんだった。


「ミュウ、ところでポケットにある金貨はどうしたの?」


「これはね、ミュウを攫ったおじさん達が持ってた物だよ。貰ったんだー。」


「えっ?どういう事?」


僕が少女に話を掻い摘まんで説明した。


「ミュウ、話は聞かせてもらったわ。でもね子供が大金を持ち歩いているとまた怖い人達に攫われるかもしれないからお姉ちゃんが預かります。ミュウもイヤでしょ?」


「うん、わかった。ミュウもまた攫われるのはイヤだもん・・・」


ミルが詠唱すると空間に亀裂が走りやがてそこに人1人が入れるくらいの丸い空間が現れた。


「ミュウ、私はここで待っているから家の中にある金庫にしまってきなさい。これは鍵よ。」


「はーい。」


「初めましてミルさん、僕は光輝と言います。ちょっといいですか?」


「ミルでいいわ、あと先ほどは助けていただきありがとうございました。それで何かしら?」


やはり僕に気付いていたと思った事は気のせいではなかった。


「ミルは空間転移を持っているのにどうして捕まったの?」


「ミュウを人質にされたから仕方なくね・・・」


「そうか・・・ところでミルにお願いがあるんだけどいいかな?」


「えぇ、何かしら?」


「ここにいる子供達、全員を親の元へ帰すことはできませんか?」


「いいけど魔力が回復するまで空間転移が使えないの。日数がかかってもいいなら構わないですよ。」


「魔力が足りないっていうなら僕のマジックポーションを使ってください。これで足りますか?」


僕はマジカルバックからマジックポーションを100個程出した。


「ちょ、ちょっと待ってください!こんなに必要ないですよ。それにこんな高価な物をおいそれと使うわけにはいきません。」


僕が取り出したのはSランクのマジックポーションだ。でもランクが低いと効率が悪い。魔法保有量を全快にするために100mlですむのに1L飲むのはどう考えても効率が悪すぎる。なんで使おうとしないのか僕には理解できない。ま、これ1つで高級な馬車が一台買えるらしいけどね。でもSランクと言っても瓶は同じなのにどうして分かったんだろう。聞くとミルは鑑定スキル持ちだった。結局全快で3往復可能らしく子供達が24人いたのでマジックポーションを10本渡し残りは回収した。


「みんな、集まれ~」


何が始まるんだっていう興味からいろんなところでおしゃべりをしていた子供達が一斉に光輝の元へ集まり注目した。


「今日あった出来事は僕達だけの秘密にして欲しいんだ!みんな守れるかな?」


「なんで?お兄ちゃん凄く強くて悪いおじさん達も1人でやっつけたのに自慢しないの?」


「みんなには見せたけどマジカルバックは世界に数個しかない非常に貴重な物で持っているだけで僕が悪い人達に狙われるかもしれないんだ。もしも知られると僕が誰かに捕まっちゃうかもしれない・・・」


「そんなの、やだー。お兄ちゃん可愛そう・・・」


「わかった。お兄ちゃんは僕達の命の恩人だし絶対に秘密にするよ!」


子供達は秘密にしてくれると約束してくれた。


「じゃミル、子供達のことを頼む。僕は死んだ盗賊達の回収をしてティモール城塞に行くから!」


「でしたら子供達を全員送り届けてからでよろしければ私が転移魔法でお送りしますわ。一度行った場所なら何処でも行けますのよ。」


「ではお願いします。子供達を送っている間に盗賊達の死体を片づけてしまいます。」


「はい、張り切って頑張りますわ♪」


何だか上機嫌なミルであった。

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