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目覚め

陽葵の呼びかけでミルを呼びインビシブルの中にいた。


「んっ?」


「お兄様!」


陽葵が心配そうな目で僕を見ている。


「お寝坊さんが、ようやくお目覚めですわ。」


陽葵の横にはミルもいた。


「よう!光輝よく眠れたか?3日間も眠っていたお前さんの横を一切離れずこの2人は交代でずーっと側にいてくれたんだからお礼を言っとけよ。」


「そうなのか?陽葵、ミルありがとな」


「妹として当然の事をしたまでですわ」


陽葵が照れながらそう言っていたので軽く頭を撫でると力が抜けたのか、へなへなとその場に座り込んだ。


「ミルもありがとな、助かった」


「いつも私の事を弄る光輝さんにギャップ萌えですぅ♪」


ミルも陽葵と同じリアクションだった。


「光輝、隅に置けないね。2人とも大事にしてやんな!」


「そうよ、いざって時はあんたが2人を守ってやるんだからね」


「いえ、そんなんじゃありませんから!」


村人達が皆で光輝をからかった。


「ところでお兄様、何かお体に変化はございませんか?」


体の調子は悪くないのだが目覚めてからマナを感じることが出来なくなっていた。その後、魔力感知を発動してみたが全く感じることができない。


「アリア、ちょっと僕の能力を鑑定して見てくれないか?」


「分かりました、マイマスター」


氏名:成神光輝

年齢:10歳

種族:ヒューマン(転生者)

性別:男

HP:68/68

MP:3/3

力:55

魔力:0

魔法適正:火:F 水:F 風:F 土:F 光:F 闇:F 無:F

体力:45

知力:65

敏捷性:43

器用さ:47

運:58

スキル:封印中

Exスキル:封印中

ユニークスキル:封印中

加護:封印中

職業:なし


「スキルが全て封印され、しかも全ての身体能力が極端に減っているな・・・」


光輝は驚きと戸惑いを隠せなかった。


「スキルについては本来職業に就いてから習得するものなので生活レベルでは特に問題ありませんがマスターの身体能力は現在7歳男児の平均能力値をやや下回っています。なにか手がかりがあれば私がお答えできるかもしれませんがお心当たりはありますか?」


「頼む。心当たりがあるとすれば意識を失う前に謎の精霊の言葉に耳を傾け名付けすることになり真名を告げたときに意識を失ったくらいだけど・・・」


「その精霊に名前はなんてつけたのでしょうか?」


「たしか、ルナだったかな・・・」


「もしや・・・」


アリアが酷く動揺している。


「他には何か言ってませんでしたか?」


「そう言えば、2つ名がどうとか?確か暴虐の美姫って呼ばれてたと言っていたと思う。」


「暴虐の美姫!間違いありません。その精霊はルナ神妃様です。遙か昔、精霊の国で駆け落ちをした事に怒り狂った創造神によって人界に堕とされたと聞き及んでおります。元々は純粋な魂をお持ちだった神妃様も人界で転生を繰り返す度に器である人間の欲望と憎悪を己の魂に刻み込んでしまい位階の高い神妃様をやむなくシリウス様が2度と転生ができないようにと命を賭けて本の中に厳重に封印しました。そもそもあの部屋は中の魂の魔力を絶えず吸収し続けるため本来は次元の違う世界にまで届くはずはないのですが・・・」


「多分、黒衣を纏った男が魔神を復活させるために魔方陣を使って魔物のマナを吸収してそれを送り続けていたようだからそれが原因かもしれない。」


部屋を次元斬で切った事は黙って置くことにした。


「マスターの仰るとおり、それも一理あるでしょう。で、ここからが本題です。神妃様の力は強大で本来ならば、たちまち宿主は心を乗っ取られるはずなんです。ですがマスターは自我を保っておいでです。それと習得したはずのスキルが使えなくなったことを踏まえて考察しますと、これは推論ですがマスターに宿る精霊王達の魂が神妃様を抑えているのだと考えて良いでしょう。それであれば辻褄が合います。」


「それなら、他の古龍や5英雄のスキルも使えないと言うことは4精霊王の力では足りず加勢したと言うこと?」


「断言はできませんがその可能性は恐らく高いかと思います。」


「じゃこのまま一生スキルは使えないの?」


「いえ、マスターが今後、体と共に自身の魂も成長していけば、段階的に解放することができるしょう。ですが同時にルナ神妃様の封印も解けるのでそれに対抗できるよう自身の魂も鍛えなくてはいけません。万が一意識を奪われてしまえばマスターの持つスキルを悪用されてしまいます。」


「わかった!それだけ聞ければ十分だ。」


「お兄様、頑張ってください。私が出来る事であれば何でも致します。」


「あぁ、陽葵ありがとう。母さんを連れて家に帰ろう!と思ったけどないんだったな・・・とりあえずティモール城塞に行ってキラリの宿に泊まって父さんの帰りを待つことにするか♪」


「はい、お兄様♪」


こうして1度は手に入れた様々なスキルを封印により使用できなくなったが一生ではないことを知り将来に向かってひたすら修練に励もうと決意する光輝であった。


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                 第一部 完

区切りの良いところで幼少期は完としました。もう少し書き溜めができたら学童期を投稿したいと思います。

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