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クィーンナイツ

-陽葵視点-


「改めて自己紹介を致します。私は陽葵。お母様を助けにお兄様とここに来ましたの。貴方達は?」


「俺はゴラン。元クィーンナイツのメンバーで見ての通りドワーフでタンクを担当していた。この槌だって自前でそこらの武器なんかよりもよっぽど頼りになる相棒だと自負している。」


タンクとは戦いでの壁役の事だ。後方支援をしている魔法使いやヒーラーは基本打たれ弱く守る役目を担っている。


「私はシフォン。同じく元クィーンナイツのメンバーで主に後方からの攻撃を担当していたわ。ちなみにもう2人メンバーがいたんだけどあいつらに殺されてしまったわ・・・それにしても、貴方の話し方や仕草はどこか気品が漂う異国の地に住む貴族の令嬢みたい。それにまだ成人もしていないのに何処か大人びた感じがします。」


「そうですか?私には自覚がありませんので何て答えれば良いのか分かりませんが・・・」


シフォンに鋭い指摘を受け正直に本の世界での話をするべきか悩んだが今は秘密にしておくことにした。


「それにしても君のお兄さん、凄いね!あの歳であれだけの闘気、マナを保有する者を未だかつて俺は2人しか見たことがない。1人目は世界で数名しかいないとされるS級ライセンス持ちのバルザックで全ての武器に精通している。ただし、こいつの戦闘の後はいつも壊れた武器の山があり破壊王なんて2つ名まで持っている。2人目は俺達のパーティーリーダーだった・・・やめだ、やめだ。それにしても俺たちが出てきた後から、もっと激しい戦いが繰り広げられているんだろうな。地響きが止まりゃしねぇ。しかも砂煙が目に染みやがる・・・」


「陽葵、地上に出たようだが、そこからまだ20kmは離れてくれ」


陽葵の頭に光輝からの念話が届く。


「はい、お兄様。」


「どうした、お嬢さん。突然独り言なんて呟いて?」


「お兄様からの指示です。すぐにこの場から最低20kmは離れて欲しいと念話がありました。」


「お嬢ちゃん、その歳で念話まで使えるのかい?これはたまげたね・・・それにしても20kmも離れろだなんて、さては重度のシスコンだね~」


陽葵達は指示通り、かなり離れた山の頂上付近まで来ていた。しばらくして彼女らがいた場所は3kmほどの大きな陥没ができていた。


「3kmでも凄いけどやっぱり20kmも離れろだなんてシスコン決定だね。」


シフォンがケラケラ笑う。それからさらに土砂が崩れ直径を大きくしていくと少しづつシフォンの顔が引きつり始めた。今では30kmほどが辺りに激音を鳴り響かせて陥没し近くにあった川の水が流れ込み湖となっている。


「おいおい、更地だった土地に湖を作って地形を変えてしまうだなんてどんだけの戦いだったんだよ。これって何処かの国同士の戦争だったか?それに20kmじゃ足りなかったじゃないか!俺たちを巻き添えにするつもりだったのか!!!」


ゴランは陽葵に必死な形相で訴えていた。


「それにしても、あんたのお兄さん大丈夫なの?水の中じゃ呼吸ができないし、もしかしたら溺れてしまったかも。」


「お兄様なら大丈夫です。先ほどあった2つのマナのうち悪意を持つマナは消滅したけれどお兄様のマナは今も感じることができますから。」


それから5分後


「お待たせ、終わったぞ!」


光輝が戦いを終えて戻って来た。


「お兄様!」


シフォンはあんぐり口を開き、ゴランは体をブルブルと震わせ陽葵は尊敬の眼差しで光輝の胸の中へ飛び込み上目遣いで尊敬の眼差しを向けるのであった。

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