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ミルの秘密

「いたたたた・・・転移してくる度にこれだし、毎回光輝さんに傷物にされている気がするんですけど!私は今、凄く傷ついています!!!それと皆さんも私を幽霊か魔物を見るような目で見ないでください!」


「何言ってんだ!おまえ。突然、僕の後ろに立つミルが悪い!」


僕は軽くミルの頭をチョップする。


「いったーーーい!!」


ミルが頭を摩りながら涙目で僕を睨む。


「今度からはちゃんと前もってみんなに説明しとくから許してくれ。」


「ブー、じゃぁ光輝さんが何でも言うことを聞いてくれる権利1ですからね!」


「分かった。」


僕の後ろで陽葵が隠れている。


「お兄様、その人は誰ですか?」


「こいつは、ミル。見ての通り兎人族だ。転移が使えるし便利に使わせてもらってる。」


「ちょっとー光輝さん、私を物扱いしないでくれるかな!」


「悪い。良き相棒だと思っている・・・」


「ま、いいですけどね。ところで私に何の用?」


「実は僕の母さんが攫われたんだけど手がかりが見つかったからミルに転移してもらいたい。頼めるか?」


「えっ、大変じゃない!でも私は同情しても慈善事業はしないから貸し2ね。ところで何処に行けばいいの?」


「はい、それについては私が説明致します。ニコラス達が掴んだ情報によるとアトラス山脈の麓の村ではよく神隠しによって何人も行方不明になっているそうです。そのため残った村人達は住み慣れた土地を離れ今はひっそりと隠れ住んでいます。偶然見かけた村人が鼠と狐の獣人が人間がすっぽり入るくらい大きな布を被せた何かを運んでいたのを発見しました。その話を聞いた密偵達が目撃のあった場所の周囲を調べると魔方陣を発見したので1人残し転移しましたが半日経過しても帰ってはきませんでした。その後の足取りについては掴めていませんが山で歪な形をしたペンダントを拾ったそうです。中を開くと女性の写真があり裏にはセリスと掘ってあったそうです。」


偶然同じ名前だったのかもしれないが人が攫われたのは間違いない。


「ミル、その村には転移で行けるか?」


「前に住んでいた村へは行けるけど移り住んでからは行ったことがないから無理ね・・・」


「そうなのか・・・あれ?」


僕はふと思った。ミルは行ったことがある場所なら何処にでも行けると言っていたが、それなら今までに危険なイロワーズ海賊団のアジトやインビシブルにも来たことがあったのか?


「それは秘密だったんだけど仕方ないな・・・私、1度会ったことのある人の所にも行けるから!それで光輝がいるところならいつでも転移できたわけ。ただ対象の後ろに転移してびっくりさせてしまうから光輝のときにしか使ってないけどね。てへっ」


ミルは自分の頭を小突いて片目を瞑り小ぶりの舌を出した。勝手に人の心を読まないで欲しい。


「ただ危険な場所にいたら私も巻き添え食らうから光輝も私を呼ぶときは気をつけてね。」


「わかった。じゃさっそく頼む!陽葵も力を貸してくれ。」


「当然ですわ、お兄様。」


こうして僕達は母さんを救出するため転移した。

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