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帰郷

まずは父さんに僕だとばれないように明鏡止水で近づき頚随を手刀で叩き気絶させた。そして一旦父さんを塔の中へ運びこれからの作戦について思案する。


「迎撃してもいいけど全滅させたら、また新たに軍を編成して村人達を襲うんだろうなー。」


1分程思案しある作戦を思いついた。村人と父さんのホムンクルスを錬成して疑似魂魄を注入し帝国軍と戦ってもらう。ゴーレムも数体いるから少しは抵抗できるし討伐できたという実績があれば帝国軍も国へ帰るだろう。僕は村人と父さんのホムンクルスを錬成し疑似魂魄を注入する。村人達が使っていた錬金術で作成した農具を回収し代わりに普通の農具を渡し父さんのホムンクルスには僕が錬成した名刀不知火の模造品を渡した。


「あと避難する前に塔の探索をして貴重な物は持って行こう。もし帝国軍の手に渡れば研究し量産され戦争に使用される可能性もある。」


すぐに行動し五階建ての塔で探索範囲も狭かったこともありすぐに終了した。やはり錬金術の研究資料やら、錬成したと思われるマジックアイテム、古代遺物なんかも保管されていた。


「ミル、聞こえるか?転移を頼む。」


「わかったわ。」


「ここには、もう用がないから村人達と一緒の所に転移してくれ。」


「じゃ行くわね!」


転移した先では村人達が集まり今後について話し合っていた。そこで行く当てのない村人達にアリアが1つの提案をした。それは定住先が見つかるまでの間、主の光輝に頼んでインビシブルの中で生活する空での暮らしであった。


「僕なら構いません。生活が安定するまで皆さんはここで暮らしてください。」


「ありがとうございます。光輝様。」


村人達が僕を崇めるように拝んでいる。問題は食糧だがそれについては商人のホフマンさんから大量に仕入れることにした。それを聞いたアリアがふと呟く。


「大量の食料を仕入れても保管する場所もなく長期間保存できる設備もありません・・・」


アリアが真剣な表情で悩んでいた。


「それなら問題ない。」


そう言って僕はマジカルバックをアリアに手渡した。


「こ、これは!昔ラオス様の師匠であるシリウス様が作成されたマジカルバックではありませんか!確か大戦の時に5人の勇者様がそれぞれ所持されていたもので当時の価値にして白銀貨13000枚、闇市場ではその150倍にまで跳ね上がっています。しかも所持者の属性によってマジカルバックにユニークスキルが付与されますので文字通り世界に唯一のアイテムになるとの噂です。魔王との戦いで消滅してしまったとの噂でしたがまさか現存していたとは思いませんでした。そのような貴重な物をお持ちとはさすが光輝様です!光輝様から借り受けたこのマジカルバックは大切に保管して誰にも触れさせないように致します。もちろん私も一切触れません。」


「いやいや、道具なんだから使ってなんぼでしょ!このマジカルバックをアリアにあげるから自由に使っていいよ。」


アリアは何を言われているのか理解できず、きょとんとした顔でこちらを見ている。


「インビシブルの管理をアリアに任せるんだから当然だろ?あと3つ持っているから気にするな。」


「えっ?えぇぇぇぇ----」


アリアが従者であることを忘れ放心状態から意識を取り戻したのは10分後だった。

凄く貴重な物であることは知っていたがそこまでとは・・・


「キョウキシャマ、キョレハダイチニチュカワチェテイタラキマチュ。」


アリアが噛んだ。というか噛み噛みだ。まだショックから立ち直ってはいなかった。後日、予想通り塔は崩壊し村人のホムンクルス達も健闘したが全滅し最後まで父さんのホムンクルスが頑張ったようだが息絶え帝国軍は帰還したと知らせが入った。今日もいい仕事したなと満足の光輝であった。

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