追撃
-隼人視点-
一方、光輝の父である隼人は検問所にいた衛兵を振り切り錬金術師がいるという山を目指していた。
無理矢理検問所を突破してきたため隼人は帝国軍から追われる事となってしまったのだ。
「衛兵達は何をしている。さっさと狼藉者を捕らえぬか!無理なら殺しても構わん。」
検問所を任されている司令官は地団駄を踏んでいた。
「弓隊、前へ」
隼人の後ろから無数の矢が五月雨のように降り注ぐが矢の空気を切り裂く音で後ろを見ずにそれらをことごとく躱して山道を進んでいく。
「司令官、矢が当たりません。」
「えぇぇーい、魔法師団、前へ。絶対に火属性の魔法は使うな!森が山火事になるかもしれんからな。それ以外の魔法で奴に放て!」
土、風、水あらゆる属性攻撃が隼人を襲う。大半は躱すことに成功したのだが数発を被弾してしまった。
隼人は走りながらポーションを飲み干す。このままでは追いつかれてしまうと考え脇に聳え立つ大木を次々と倒していき山道を塞いでいった。
「Grooooo!」
しばらくして遠くの空に覆い尽くさんばかりのドラゴンの群れがこちらに向かっており咆哮が鳴り響いていた。
「帝国軍のドラゴンナイトがついに来てしまったか・・・」
地上戦なら隼人に分があるのだが空から複数の攻撃となるとそうはいかなかった。5分後、最強最悪のドラゴンナイトがついに隼人の目前まで来ていた。死を覚悟し決死の覚悟で後ろを振り向いたとき隼人は何者かに頚随を手刀され気絶してしまった。




