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古龍の魂

「人間よ、未練も成就し我が魂も、もうすぐヴォイドへと旅立つだろう。何か礼をしたいのじゃがあいにく我の骨ぐらいしか思い浮かばなくてな。こう見えて古龍じゃった儂の骨じゃ。加工するもよし、薬にしてもよしと万能じゃ!山の中腹にあるから持てるだけ持って行くと良い。」


「ありがとうございます。あと提案なんですが貴方の魂を僕の魂と融合したいのですがだめですか?」


「融合とな?そのような術は儂も知らぬのだがどのようなものなのじゃ?」


「はい、融合とは生前習得した知識やスキルを魂となってから後世の者に伝える我が一族だけの秘術です。拒絶されると融合はできませんが貴方の知識とスキルはとても有用なのでこのまま誰も引き継ぐことがないまま忘れられてしまうのも勿体ないと思うんです。どうでしょうか?」


「面白い術を使えるのだな、よかろう。我が身はすでに滅んでいる。我の今日(こんにち)までの知識や術をお主に伝えられるのならそれも良かろう。」


こうして龍の了承を得て魂の融合に成功した。融合した途端とんでもない量の知識が頭の中に流れ込んでくる。龍神雷撃光の他にもさらに龍の咆哮や竜眼も習得することができた。龍の知識から龍神雷撃光は極大魔法のさらに上の位階で神代級の雷属性の魔法であることがわかった。また龍の咆哮は凄まじい声が広範囲に響き渡りその声を聞いた者は術者よりもLvが低い場合や耐性のない場合、硬直状態に陥る。竜眼はさらに強力で目を合わせた相手に龍顔の幻影を見せ恐慌状態にするが龍の咆哮よりも効果範囲は狭くLv差によって時間が変動するが恐怖状態または失神させる効果があるとわかった。僕は父さんが龍と戦っていた戦場へと向かうと所々地面は陥没し大地に無数の亀裂が走っていた。しばらく進むとそこには雨も降っていないのに水たまりが1つあった。それは不思議な水で魔力を感じたので水をインフィニティボックスに入れ父さんの後を追うことにした。龍の激戦の後だというのに父さんは走り抜けるように山の頂上を目指していく。相変わらず父さんの倒した魔物は散らかしっぱなしで僕は魔物を次々とインフィニティボックスで回収していく。辺りがすっかり暗くなったところで父さんが野営をしたので僕も山の中腹で休むことにした。


「それにしても真空で遠距離の敵も攻撃できて龍とも戦えるなんて全盛期の父さんはさらに強かったんだろうな~。」


光輝はふと幼い頃の自分と父が過ごした日々を懐かしんでいたが眠くなる前に野営の準備をすすめる。と言ってもテントのようなものはないので魔法で土のかまくらを作り周囲と入り口にトラップの魔方陣を張り魔法感知で近づく生物を探知すると風魔法で警報音が鳴るようにセットし床につくことにした。


「快適な旅が出来るように高機能な家が欲しいところだな。」


特に問題なく夜が明けた翌朝、古龍が言っていた中腹に来たので魔力感知で竜骨を探すと見つける事ができた。一つ一つの骨が大きかったが荷物制限のない僕は問題なく回収してから父さんの後を追う。父さんとの距離を保つため少し休んでいるとキラータイガーという体長が5mはあるBランクの魔物数匹が四方から襲いかかってきた。俊敏な動きで大きな鋭い犬歯と爪で攻撃してきたが僕は先ほど習得した竜眼を使うとキラータイガーの体が硬直しその隙に首を一刀両断する。格上の相手には通じないだろうがかなり使い勝手がいいスキルだった。父さんが先行しているので魔物との戦闘らしい戦闘もないままに頂上を越え山を降りるとイロワーズの港町が見えた。

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