『塾に行かされている』と思ってる奴に、喝!!
「ふわぁあ~・・・・・・眠いわぁ・・・学校行きたくないぃ・・・」
っつーか、なんか、めっちゃ変な夢見たような気がする・・・
「おい・・・っ!」
ん・・・?あぁ、そうそう・・・こんな感じのちっこい奴が僕に説教してくる夢で・・・・・・・・・
「・・・・・・ぅうぉおおおおおおおおおっ」
「何じゃ、朝っぱらからうるさいのう」
「うわぁあ~・・・そうだよそうだよ、そうなんだよ・・・夢じゃなかったんだよぉおおおおおもうマジでやめてぇええええ!!!最悪・・・・・・・・・」
「はぁ・・・何なのじゃ、お主は。わしに変わった姿を見せてくれるのではなかったのか?これでは、初めて会ったときと同じではないか。ビビリ過ぎじゃ」
「悪かったな!!僕はビビリなんだよっ、だからこんな感じなんだよ!わかってるだろうが!!・・・・・・・・・ってか、何でまだいるの?」
「なんで、って・・・お主が言うたのではないか、変わった姿を見せてやると」
・・・確かに、言ったような、言ってないような・・・いや、言ったな。そこははっきりしてる、残念ながら・・・
「・・・ぁあ~、あれは、あれだよほらっ・・・勢いっていうか、なんていうかぁ~・・・ね?だから、お願いします。帰ってください・・・お願いしますぅ
・・・・・・・ってか、マジで帰ってええええええええ」
「嫌じゃ!!」
え、即答!?
「わしは、お主を見ていたい。少しばかり、お主に興味を持ってやった。どうしても出て行ってほしいというのなら、お前が約束どおり、ちゃんと成長した姿をわしに見せたときじゃな」
「・・・・・・っ」
そんなの・・・・・・何年かかることやら・・・いや、ここで弱気になってはだめだ!ファイトっ僕(泣)
「ほれ、分かったのなら返事くらいせいっ」
「ぉぅ・・・」
「声が小さい!!」
「・・・はぃいいいいいいいいいいいいい!!」
「その意気じゃなw」
コンコンっ
「・・・!?」
「・・・・・・ナル君?・・・さっきから、声荒げながら何か言ってるけど・・・・・・悪い夢でも見た?
大、丈夫?・・・・・・なんか・・・」
「あ、ぁあ!!大丈夫、大丈夫・・・気にしないで・・・ごめん大丈夫だから・・・」
「そ、そう?・・・早く、降りてきなさい、遅刻するわよ」
・・・・・・はっず!!めっちゃはずいわ!・・・それと、悪い夢、見ました
夢じゃないけど・・・
「ぶっ・・・ククっ・・・」
おい、アカネ・・・笑ってんじゃねーよ・・・・・・全部お前のせいだろーがっ・・・!
「おい、てめぇ・・・」
「あ、そうじゃ、お主『学校』とやらに行くのよな?」
「う?・・・ぁ、ああ。そうだけど、どうかしたか?」
ちょっと待て・・・こいつは頭がバグっちゃってる・・・・・・嫌な予感が・・・
「あ、ちょっと待った!!ぃいぃいいぃい、言わなくてい」
「わしも行くぞ!」
あ、あっははー・・・だよねー・・・・・・言っても聞かないだろうし、しかたねぇか
「・・・分かったよ。ただ!!・・・絶対変なことするなよ・・・!!」
「分かっておる。お主も心配性じゃのう」
「行ってきまーす」
「うん、行ってらっしゃい。」
「ふんふふーん♪」
こいつ、やけに上機嫌だな・・・
「そんなに『学校』行けるのが嬉しいのか?」
「まぁな。興味はありありじゃ」
「アカネお前、学校初めてなのか?」
「バカを言え・・・わしが今まで過ごしてきた精霊の世界にも学校はあったわ。わしの能力は、そこで習得
したものじゃからな。ただ、人間界の学校は、わしでも初めてじゃからな」
「へー・・・」
「おはよー」
「お、おいっす!鳴海」
「はは・・・朝でも元気だな、亮平は」
「まぁな。俺、朝強ぇもん。そういう鳴海は、めっちゃ今日テンション低いな」
「・・・だろうな。僕の人生に爆弾が落ちてきたからな」
「ははっ!!なんだよ、それ。おもしれぇこというな、お前」
・・・僕にとったら、全然面白くないぞ
「あ、先生来たな。亮平、座らなきゃ怒られるぞ」
「ういーっす」
「おい、おいっ、お主!・・・こやつ、亮平とやらはお主の友人か?」
「んー、まぁ、そうだな」
「ほー・・・お主のような者にも友人がいるのか」
「・・・・・・しばいていいか?」
「冗談じゃ、冗談」
「あ、そういえばアカネ、授業中は、絶対しゃべるなよ」
「なぜじゃ?別に、わしが喋っておっても誰にも聞こえんのに」
「俺の集中力が途切れるから、だめだ」
「ふぅ~・・・・・・そうか・・・つまらんのぅ」
ホント、勝手だなぁ、こいつ
はぁ~・・・やっと4時間終わった・・・昼飯・・・か
「ぅお・・・!?な、何かあるのか?皆、移動しておるが・・・」
「別に、そんなお前が期待するようなことじゃない。昼食だよ。ほら、朝僕が母さんから弁当受け取ってただろ。あれを、食べる時間だよ」
「ほう!そうか、うまそうじゃったな、あれは。・・・おい、亮平とやらがこっちに来るぞ」
「ああ、僕はいつも亮平とご飯食べてるからな」
「おい~・・・ちょっと聞いてくれよ、鳴海ぃ・・・俺また今日塾だぜぇ~?俺は悲しいぞ・・・」
「あー・・・確かに、亮平今日も塾かぁ・・・月・水・金が塾だよな?」
「おう・・・別に俺、そこまで頭悪くないし、もう行く必要ねぇと思うんだよなぁ。はぁ、何で塾に行かさ
れなきゃいけねぇのかなぁ・・・いいよなぁ、鳴海は。こういう忙しさもないっしょ?」
「いいなぁ・・・って。じゃあ、やめりゃいいじゃん」
「無理無理っ。やめさせてくれねぇもん」
「ふーん・・・そんなもんかね」
・・・・・・あれ?なんか、僕のおかずが、減ってる?
「おい、亮平。僕のおかず、食べた?」
「いや、食べてないけど」
「あっれぇ~・・・おかしいなぁ・・・」
・・・・・・ぉい、ちょっと待て、これもしかして・・・ぁあああ!!やっぱり
「てっめぇ!!ふざけんな!」
「まぁまぁ、許せ。わしも腹が減っておったところじゃ」
「・・・っはぁあ!?」
「・・・・・・おい、鳴海。大丈夫か、お前?熱でもあるんじゃねぇの?」
あ・・・しまったっ・・・クソッ
「わりぃ、ちょっとベランダ出るわ」
「・・・はぁ~」
「何をため息ついておる」
・・・・・・やべぇ、マジで殴りたくなってくるわぁ~・・・
「なんでもないよ」
「そういえば、塾とは、なんじゃ?」
「・・・ぁ?塾?んー・・・手っ取り早く言ったら、『自主的に勉強をしに行く場所』かな」
「ほぅ?それなのに、何で亮平は行きたくないといっておるのじゃ?」
「知るかよっ・・・まぁ、面倒くさくなるときもあるんじゃねぇの?っていっても、ああいう愚痴は毎日の
ように聞かされてるけどな」
「・・・なんじゃ、それ。訳が分からんな」
まぁ、アカネが疑問に思う気持ちも分からんでも、ない・・・
『いいなぁ』とか言われると、少しむかつくからな
「お主、むかついたりせんのか?」
「まぁ、ちょい、な」
「じゃあ、なぜそれを言わんのじゃ・・・」
「いいんだよ、別に僕が首突っ込むことじゃない」
「お主は、またっ・・・・・・もういいっお主が言わんならわしが言うぞっ」
・・・は、はあ?
「ちょ、おまっ・・・どういう」
「すまんな」
ここからの僕の記憶は、当然ない
「お、やっと戻ってきたか。鳴海、そんなに具合悪いのか?」
「・・・別に、平気じゃ」
「・・・?平気・・・じゃ!?ちょっ・・・なにそれっウケる!」
「ウケるとかそういうのは、どうでもよい!亮平とやら、お前、塾行きたくないと言っておったな?」
「え、あ・・・はい」
「なぜ、そこまで嫌がっておるのに、やめんのだ?」
「だからぁ、さっきも言ったじゃん。親に言っても無駄なんだって」
「無駄かどうかは、分からんではないか!!真摯に伝えれば、できるかもしれんだろ!」
「何だよ、今日のお前、変だぞ?・・・塾行かずに暇に暮らしてるお前には、何にもわかんねぇよ!!真摯にっていうけどなぁ・・・!それも面倒くさいんだよ!ホント何も分かってねぇな!!」
「・・・・・・言いたいことは、それだけか?」
「え・・・」
「亮平・・・お前、こやつに毎日のように塾に行くのがいやだ、という愚痴を聞かせているらしいな・・・聞かされているこやつの身にもなってみろ!塾というのは、自主的に勉強する場所であろう!!?それを拒絶するならやめればいいだけの話だ!継続するのは、よいことじゃ。継続することで力はつくからな。
じゃがな、それを、こやつに当てつけて良いわけがなかろう!しかも、真摯に頼むことを面倒くさがって塾に行っておるのじゃろう!?お前は、選択したんだ!自分自身で!それをグチグチグチグチいつまでも後悔しているから、何の力もつかんのじゃ!!本末転倒の、バカ男が!!」
僕が気づいたときには、なぜか亮平が涙目で
「そこまで言うことないじゃんかよ~」と言っていた
・・・おいアカネ、何をしたんだ何を!!??
アカネを見ると、何も気にせずに、僕のおかずをもぐもぐと食べていた
翌日から、
「米田鳴海は二重人格だ」という噂が学校中に広まった