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『普通』大好きな僕に、喝!!

                    プロローグ

僕は、米田鳴海

身長:173センチ   体重:60キロ

成績:普通   運動神経:普通

顔面偏差値:普通   コミュニケーション能力:普通

学校でのポジション:普通(中堅)


これが、僕だ

そう、つまり僕は・・・

「中の中の中の中の中の中の中」!!

僕ほど、普通の人間はいない

・・・いい意味でも悪い意味でもなっ


そんな僕の日常は、壊れた

あるちっちゃい、ドギツイ女の子・・・か男の子か良く分からんやつによって


その日は、突然来た

僕は、机でいつものように勉強をして、いつものように息抜きに漫画を読んでいた


「・・・おいっ」

・・・ん?なんか、今聞こえた気が。気のせいか

「気のせいではないぞ!わしじゃ!ベッドのほうに注目するがよい!」

ベッドォ?

・・・なんか、ちっこいのが、いる・・・・・・

人形?え、待って、喋ったよな?今・・・・・

「・・・って、ぇえええぇええええええええええ!!?」

「うるさいわ、ボケ!」

「いやいやいやいや、うるさいわボケ!じゃねぇしってか、人形がしゃべったぁああああああああ」

「お主、ほんとに間抜けじゃのう・・・

 わしは人形にあらずっ、まぁ、この世界では『精霊』と言われておるぞ」

え、待って待って待って待って

ついに僕も頭が沸騰してきたかぁあ!?

嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょ

・・・そうかっ、ドッキリだ!これはドッキリだ!母さんだなぁ?僕のことを驚かせようとしやがって

ギュムッ

「ちょ、何をつかんでおるのじゃ!放せ!」

そして、僕はあわただしく階段を下りて、このちっこい人形を母親の元に見せに行ったんだ・・・が

「おい、母さん!何だよぉ、この人形は!」

「何言ってるの、ナル君。人形なんて持ってないじゃない。母さんのことをからかおうとしても無駄よ」

へ・・・っ?

何言ってるのは、こっちの台詞なんだけど

「言っておくが、わしはお主以外には姿は見えんぞ」

・・・・・・だめだ、これは

一回、部屋戻って、落ち着こう



「・・・・・・・・・・・・」

「おいっ、お主いつまで黙っておるのじゃ」

「・・・しかたないだろ。僕は今まで普通に過ごしてきたんだ。こんなの、理解できない・・・」

「別にお主が理解できんでもいいが、わしが今まで話してきたことは紛れも無い事実じゃぞ」

ついていけないよ・・・

こいつの話によると、

「事実・・・ねぇ

 整理すると、お前は精霊で名前はアカネ・・・か

 さっき母さんに見せに行ったけど、見えなかったように、僕にしかお前の姿は見えない」

「うむっ、相違ない」

「・・・お前、名前がアカネなんだよな。男なの?女なの?見た目女・・・?」

「バカを申せ。わしは精霊じゃぞ?精霊には性別は無いものじゃ」

「あ、そうなんだ」

・・・って、違うだろおおおお!!

何ちょっと冷静になっちゃってんの!?こんなの、ついていけなくて当たり前なんだから!!

「・・・だめだ、一瞬慣れちゃった」

「何をぼそぼそ言っておる。あ、わしは特別な能力が1つある。それは・・・フッフ、驚くなよ・・・

 人間に乗り移れるのじゃ!!そして、乗り移った人間を操作できる。わしに乗り移られた人間は

 わしに乗り移られている間の記憶が残ることは無い」

「・・・・・・ごめん、もう何言ってるのか分かんなくなってきちゃった」

「つまらん男じゃのう」


「そうじゃ!わしは、自分のことを話したのじゃ。おぬしも自己紹介をせい」

ずいぶん上からだな・・・

「分かった分かった。僕は、米田鳴海。別に大した特技もないし、夢も無い。

 唯一いえる夢なら、普通に過ごせればいい、かな。

 今までだって、普通に生まれてきて、普通に過ごして、生きてきたんだ。なのに・・・・・・

 お前の存在は僕にとって最悪だよ」

「・・・・・・ずいぶんと、わしのことを嫌っておるな。まぁ、当たり前か。いつでも普通を最高と

 してきたお主にとっては。じゃが、わしが来たことで、少しばかり面白い体験ができる、

 そう思えばよいのではないか?」

「やだよ。何で、お前みたいな厄介なもんがきたことを喜ばなきゃいけないんだ。僕にとっては

 『安定』『普通』これが一番なんだよ。変わったことなんて、嫌だ」

「・・・ほー。なんというか、お主・・・物事に対してかなり消極的というか、悲観的じゃの」

なんか、そう言われるとむかつくな・・・

「では質問するが、お主にとって普通とは何なのじゃ?」

「それは・・・普通は普通だろ。変化とか刺激とか要らないから、とにかく、普通に」

「そうか・・・」


コンコンっ

「ナル君ー?入るわよ?」

「あ、母さん、ちょっち待って・・・っ」

あ、そっか・・・っアカネは、見えないのか・・・

「・・・?ナル君?」

「あ、なんでもない、入っていいよ」

ガチャ

「よし、鳴海とやら。お主に、わしの能力を見せてしんぜようか。わしも少し、試してみたい」

・・・!?

ちょ、おい!アカネのやつ、何してんだ?母さんに近づいて・・・って、消えた!?

「・・・・・・」

あれ、母さん?

「ちょ、ちょい、母さん?」

「・・・母さんではない、わしじゃ。」

「・・・・・・っ!!ア、カネ?」

「当たりじゃ・・・さて、話の続きであったな。おぬしの普通というの・・・」

「ちょ、ちょっと待てって!!母さんは、無事なのか?」

「うむ。わしが乗り移ったからといって、別にそやつに何か害があるわけではない」

そ・・・か・・・ひとまず、安心・・・

「で・・・?お主は、普通が好きなのよな?」

「そう、だね。僕は、別に変わったことがしたいとは思ってない」

そんな僕の日常は、少し退屈ではあったけれど・・・

「退屈ではないか?」

「・・・っ!」

こいつ・・・図星をついてきやがって・・・

「図星、みたいじゃのう。まぁ、別にお主だけではない。退屈を感じているのは・・・

 じゃが、少なくともわしは、退屈を感じるのであれば変わりたいと願うがの」

「ふんっ、僕はいいんだよ、このままで」

「・・・バレバレの嘘じゃの。ホントは、変わりたいのではないか?刺激を欲しているのではないか?」

・・・・・・何なんだよこいつは。知ったようなこと言いやがって

本当に・・・

「・・・うるさいんだよ!!仕方ないだろ!僕は僕なりに変わろうとしてきたんだよっ

 でも変われなかったんだ!変わろうとしたら、人から笑われたりするかもしれないし・・・っ

 そんな思いするくらいなら・・・安定志向のほうがマシだ!」

「・・・・・・言いたいことはそれだけか?」

は・・・っ?

「お主は、変わることが怖い、それだけじゃない!お主、『そんな思いするくらいなら』そう言ったな?

 ・・・バカか!そういう思いをするからこそ、強くなれるのじゃ!お主は、自分が可愛いだけじゃ!!

 変化を嫌い、安定を好む・・・そうやって、新しい風を吹き込まずに、自分の殻に閉じこもっている。

 『変わろうとした』?ハァ?何を言っておるのじゃ。本当に変わりたいのであれば、諦めるということを

 捨てろ!自分で勝手に限界を決めおって・・・お主はただの臆病者じゃ!!!」

臆病者・・・・・・

「違う・・・違う違う違う!!僕は臆病者なんかじゃない!!」

「・・・そうか。なら、それを証明してもらわんといけんな・・・これから」

・・・へ・・・?

「何をキョトンとしておる。これから、変わるのであろう?」

「う・・・っん・・・変わるよ。変わった姿、見せてやらぁ」


「・・・ん。あ、ナル君。夕飯食べに降りてきなさい・・・って、どうかした?

 泣き跡っぽいの、ついてるけど?」

「いや・・・別に、なんでもない」

・・・戻ってる、いつもの母さんに・・・

って、僕の横にアカネいるし・・・

ホントに、見えてないし、さっきの記憶、無いんだなぁ・・・

「そう?じゃあ、早く降りてきなさいね」

「ああ」


とまぁ、これが僕とアカネの出会いだ

「これから、楽しみにしておるぞ?」

・・・・・・・・・


僕、これからどうなるんだろう?

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