まだまだ続くよ、リベレーション。
「ミートバルーン!」
「いきなり何だよ!」
「いや、『真・女神転生リベレーション』にてミートバルーンというあだ名のデブがいるんだが、出番はいつなのかなぁ、という個人的な熱い思いがほとばしった」
「ああ、あの地下アイドルオタクの巨漢ね。ハッキリ言って需要ないだろ?」
「需要云々とか、最近のイケメン商法にすっかり踊らされているこのバカチンが! 左右を見渡してもイケメンか美少女しか存在しない日本のスマホゲームに我らがメガテンは反旗を翻した。それがミートバルーン! 彼こそが我々の明けの明星! 異議は却下だ。却下、却下。ああ、彼が早くリベレイターズに正式加入してくれる日が待ち遠しいな。今でこそどこかの誰かのパクりのようなアフロを不承不承使用しているが、俺、彼が加入したら、即、ミートバルーンをリーダーにするんだ……」
「何、フラグ臭いこと言ってるんですかぁ」
「お前、第5章のエピローグに到達した?」
「まだだ。だが、ネット情報で何となくは察している。しかし、夢を見たっていいじゃないか。俺はあんな塩対応の地下アイドルに興味ナッシング! 正直、アレよりもミートバルーンが欲しかった。くそぅ、最近の風潮が憎いひたすら憎い!」
「熱弁振るっているところ、悪いんだけどさ、お前、やる気、なくしてたんじゃなかったっけ?」
「ミートバルーン! 運営がここ最近、大盤振る舞いしていたキャンペーンで入手した召喚符で入手してしまったのさ……」
「まさか、また☆5の悪魔ですかぁ!」
「いや、☆4が2体。ランダとギリメカラをゲットだぜ!」
「フーン」
「なーんだ、物理反射だけが取り柄の弱点が多い悪魔じゃないですか。勢いづくますたーには言いにくいですけどぉ、外れもいいところですよぉ」
「ミートバルーン! これだからまとまった戦力で勝ちにいこうとするデータ厨は気持ちが小さくて困る。男なら、いや、ミートバルーンなら弱点の相殺よりも魔改造で戦力アップだ! これしかない!」
「えーっと、言っている意味がわからないですぅ」
「ミートバルーン! あんまり弱点が多すぎる悪魔の場合、貴重なスキル枠に『火炎耐性』とか『物理耐性』といった弱点相殺系を入れても器用貧乏にしかならない。それならいっそ、手持ちのスキルを強化するか、同じ物理反射の敵に出会ったとき対策に補助スキルを習得しておく……とか、相手を欺くぐらいは欲しいな」
「でもさぁ、お前、ランダはともかくギリメカラはスピードが絶望的だよな。スクカジャかけたって、絶望は覆らないぞ?」
「わかってないなぁ、シグちゃん。相手が素早くて、得意の物理攻撃が当たらなくて詰むから使えない……じゃなくて、物理攻撃しか出来ない状況に持って行くとか、アプローチを変えればいいじゃないか」
「具体的には?」
「例えば、昨日(3/20)バトルした異能タイプのフェンリル」
「ああ、タダでさえ素早いのに『スピードスター』でブーストかけたタイプね」
「スピードスターですかぁ?」
>説明しよう!
『スピードスター』とは、自身の素早さの50%を底上げする能力がある。
例えるならば、素早さが100の悪魔なら+50の補正がかかって150!
素早さ200ならその半分の100が入って、素早さ300!
まさに、スピードスター!!
「正直、こんなヤツにまともな物理攻撃が当たるとは思えん。認める。が、ギリメカラは物理反射の悪魔。それが唯一の取り柄の悪魔!」
「大事なことなので、二回言いました?」
「ミートバルーン! そこで俺はこういうときを想定して、体力と魔法防御力をクッソ爆上げした烙印を装備し直して、弱点を攻められてもひたすら耐える戦法に舵を取った。案の定、2ターン目まで消費魔力4の攻撃魔法を4発耐えたら、ガス欠を起こして物理攻撃しか選択肢がなくなった。こちらから攻撃してくるのはサラリと避けられても、自分で攻撃してくる分は食らわなくてはならない」
「だったら、攻撃しなければいいじゃない」
「あざーっす。その間にゆっくりと回復しておきます。ついでにダメ元で魅了魔法を投げときます」
「なんで魅了魔法なんですかぁ?」
「あのチャーミングな一つ目象さんのマリンカリンは如何かしら?」
「ウゲー」
「まぁ、そんな訳で、攻撃されなくても魅了魔法がかかればイヤでも自分を攻撃するし、ゆくゆくは自滅してくれるわけだ。フハハハ、これが戦法なのだよ」
「地味」
「地味って言うなよ。古来、戦法ちゅうのは相手とまともに戦う前にどんだけ相手を弱らせるか……というシロモノなんだからさ」
「あと卑怯臭い」
「それは☆5の異能マーラで充分だ」
「言ってる意味がわかりませんですぅ」
「異能マーラはなぁ、『物理貫通』という物理反射ですら気にせず物理ダメージを与えるスキルがあり、それに加えて『地獄突き』という複数回攻撃に魅了効果がついていてだなぁ……それと比べると、まだカワイイもんじゃないか。ええ」
「まるで相対したかのような言いぶりだよな」
「そりゃあ、毎日、D2バトルで泣き笑いしてますから」
「D2バトル?」
「ますたーが以前言っていた、無課金が唯一、ちょっとずつ課金通貨を得る方法ですねぇ」
「ミートバルーン! 最近の楽しみはいかに金を掛けずに廃課金と渡り合うか! そのためならレベル上げも楽しい。烙印集めも楽しい。マグネタイトは……もっと楽したいなぁ」
「おいおいおい、正直だな、お前」
「ミートバルーン! それでも明日(3/22)のアップデートで合体に使うマグネタイトが最大5割引になるシステムが適用されるから、多少は潮目が変わるはず。でもまぁ、やっぱりアウラゲート、もう少し潜りたいねぇ。設定された時間帯に合わせての生活が出来ないから利用、なかなか出来ないわ」
「ブラック勤務辞めれば?」
「あ、それ、死亡フラグだから」
「せめて小説が当たるとか、宝くじが当たるとかの大逆転が欲しいですねぇ」
「全くだな。小説も宝くじも出来レースだから夢はないけどな」
「それじゃあ、ここの作者さんが運営さんの良いお客さんになる可能性はゼロですねぇ」
「まぁ、その辺は運営が廃課金層から上手くお金を引き出して頑張ってもらうとして、無課金はゲームとして楽しく遊べるから、今は良い」
「今は?」
「運営がゲームシステムを忘れてのメキドラオン大戦しか相手を倒す方法が無くなる……とかの廃課金スペックでしかゲームを楽しめない仕様ではないからね。今は」
「やたらと具体的だけど、前例あるのか?」
「その昔、ケイブが運営していた『真・女神転生IMAGINE』というのがあってだなぁ。いろいろとクソだったんで思い出したくもない。ヒマなら調べてみたらどうだろう。俺はその運営のような末路を『リベレーション』が歩んでほしくない。ただ、それだけさ」




