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真・女神転生リベレーションズ、始めました。

「お前のことだから、もうプレイしているよな」

「何をだ?」

「とぼけても無駄ですぅ。『真・女神転生リベレーションズ』こと通称D2(ディーツー)ですぅ」

「ああ、ハイハイ。まぁ、メガテニストですから」

「で、お前、リセマラした?」

「シグちゃん、俺のはフトマラだとあれほど「誰もお前のことは言ってねーよ!」


≫説明しよう!

 リセマラとは、リセットマラソンの略語である。

 スマホゲーは初期にどれだけレアリティの高いカードを引けるかがその後のプレイ寿命を決める! と言っても過言ではない。故に、スマホゲー慣れした者たちはレアリティの良いカードを引くまで延々とニューゲームを繰り返し、ストレスフリーなプレイ環境の構築に余念がないのだ。


「いや、ああ、そういうのこのゲームでは難しいかもな」

「何でだよ。スマホゲーったら大体5分あるかないかでプロローグ終わって、ガチャやるじゃん」

「プロローグに10分以上は優にかかってたし、ガチャは初期の強制なのを除いて2回ほどしか引けないからな」

「え! 十連ガチャじゃないのかよ」

「ジェムという名称の仮想通貨を購入したら好きなだけ十連できるが?」

「元手をあまりかけないで最高レアを出すのが初期ガチャの魅力じゃねーか。運営の思惑にハマってどうするんだよ!」

「フム。なるほど」

「ですのでぇ、ますたーのスマホを勝手に取り上げるのですぅ」


 このままでは埒が明かないと思われたらしく、ベレッタが他人のスマホを取り上げた。

 そして、シグと一緒に覗きこみ、表情を固くする。


「☆5アリスと☆5リリスが居やがる……」

「どうして、ストーリー序盤(執筆当時、第2章進行中だった)に? ヒドイですぅ。ベレッタなんか、全部、☆3で何度やっても☆3なんですよぅ」


≫説明しよう!

 このゲームのガチャのレアリティは☆の数で示される。

 ガチャでは☆3~☆5のどれかが当たることになっているが、☆3が95%、☆4が4.5%、☆5に至っては僅か0.5%である。

 よって、どう頑張っても☆3が当たるのが普通で、☆4が当たればラッキー! ☆5が当たれば超ラッキーの位置付けなのである。

 それをリセマラを忘れたヤツがよりによって☆5を2つ持っていたのだから、やっかみは相当なのだ。


「んー。初めてのガチャはジェムをまとまった量入手した段階でポップアップしてきた『英雄&魔人』ガチャを1000ジェム消費して最後の最後でアリスが出てきたな。

 リリスの方はまたもポップアップしてきた『マンスリーバリューパックⅣ(¥9.600)』だったかなぁ。それを購入したら☆4か☆5のどちらかが当たるという『究極召喚符』ってのが入手できたんで、早速使ってみた」

「このゲームって……」

「ポンポンお金を落とす人に優しく出来ているというのですかぁ。お金のない子供には厳しいですぅ」

「まぁ、少なくともペルソナから入ってきている輩には厳しいかもな。それにこのメガテンゲーム自体、運営が想定しているプレイ年齢、わりと高めだと思う」

「ああ、だからか」

「何がだ?」

「このゲームが出て僅かな日数で『廃課金仕様だ!』って噂になってアクティブユーザーが激減したって聞いてるぜ」

「それで慌てた運営さんがぁ、リリース一週間目でイベントを開催したですぅ」

「ああ、このメガテンのゲームの基礎を反復するだけで30万マグネタイト(このゲームでの仮想通貨その②)をプレゼントすると言う、アレか」

「その様子だと何でこんなイベントが起きた経緯も知らねーだろ、お前」

「まぁな。アリスとリリスのお陰でプレイが捗ってるからなぁ。他に目が行き届かないのは、ある」

「くぅぅ、お前に持たざる者の気持ちが、コノッ、コノッ!(と言いつつ蹴り乱舞)」

「シグちゃん、今はそんなことをしている場合ではないのですぅ」

「そうだった。合体だよ合体「おいおい、昼間から……まぁ、ベッドなら空いてる「だから何でもかんでもお前基準にモノを言うな! ってんだろーが!!」


 憤るシグに対し、ベレッタが近付くや囁く。


「ますたー、アレ、わざとですよねぇ」

「もちろんだとも。シグはからかい甲斐があって、楽しいからな」

「ほどほどにしてくださいよぉ。拗ねちゃったら大変なんですからぁ」


 ベルフェゴールは鷹揚(おうよう)に頷くと話の輪へと戻る。

 シグはベレッタに言い含められてどうにか態度を直した。


「このゲームには合体という要素がある。運営の言葉を借りるなら、☆1の悪魔でも合体を通せば行く行くは☆5の悪魔を作れるのが魅力だ。だから、ガチャではじめから超強力な☆5の悪魔が手に入らなくても☆3の悪魔をゲーム内で入手する☆1の素材とうまく合体に組み合わせられたら、誰もが理想の☆5の悪魔たちを集めることができる」

「だけどよぉ、フェゴール。そこでひとつ、大きな壁があったんだ」

「☆3の悪魔を☆4にするのに必要なマグネタイトが桁外れだったんですぅ」

「いくら?」

「30万マグネタイトだ。一回の合体に使う使用料が、だぞ」

「まぁ、ソレはなんともガチャを誘導しているとばかりの仕様だな」

「だろう。それでいて、あのガチャ、☆5がちっとも当たらないんだ。そりゃあ、荒れるさ」


≫説明しよう!

 一応、運営側も『アウラゲート』というマグネタイトが効率よく貯まるダンジョンを用意している。しかし、一日に4回、設定された時間から一時間しかプレイ出来ないため、時間に余裕のないプレイヤーには実質、合体資金をためることが不可能で、ジェムという現金を用いて購入する仮想通貨でしか入手できない仕様である。ここの作者も長時間勤務のブラック職業に就いているため、マグネタイトを集める余裕はなく、ゲームから頻繁にポップアップしてきた『マンスリーバリューパックⅣ』を購入に至る次第である。

 無課金にはちっとも優しくない仕様であるのは、確かだ。


「リリース日から『カネカネカネ!』とばかりに出てくるウザいポップアップとかさ、普通にゲームさせてくれないよな」

「ああ、そこは同意する。何のための『ショップ』という欄があるのかわからんぐらい、召喚符の購入を迫る画面一杯の商品説明は鬱陶しいな。うっかりボタンを誤って購入したのも何度か、ある。まぁ、すぐに戻ってキャンセルしたが、これはマジでどうにかした方がいい」


≫説明しよう!

 このゲーム、ストーリーのバトル、プレイヤー同士のバトル等、何かしらのバトルを終えたあとに不意に『攻撃タイプしか出てこない荒神の召喚符は如何ですか? ☆は3~5のが出ます』といった案配に商売っ気たっぷりのポップが画面一杯出てくるぞ。キャンセルはできるのだが、キャンセルするとしばらくは出てこないぞ! 気が変わってもダメなんだからな!! みたいな脅しを含めているから、気の弱いプレイヤーだったら慌てて課金する輩もいるかもしれないな。

 特定の攻撃タイプの悪魔しか出てこないから嘘は言っていないが、購入を薦められたからと云って、☆5が当たりやすいとかそんなことはないぞ。普通に6枚全部が☆3しか当たらないとか、ザラだぞ!(経験談)


「まぁ、ちょうどマグネタイトのイベントもあることだし、シグちゃんの言うことが真実かを踏まえて、二身合体でもしてみるか。ふむ、なるほど……うーん」


≫目安

 ①☆1+☆1=☆1(大体が一桁)

 ②☆1+☆1=☆2(大体が二桁)

 ③☆2+☆1=☆2(大体が二桁)

 ④☆2+☆1=☆3(いきなり4桁。しかも5000以上)

 ⑤☆2+☆2=☆3(上に同じ)

 ⑥☆3+☆1=☆3(上に同じ)

 ⑦☆3+☆2=☆3(上に同じ)

 ⑧☆3+☆3=☆4(プレイヤーレベルが不足しているため合体資格を得られず、詳しい数値は不明。ネットでは30万以上の数値を要求されている模様)


「どういう計算式かは解らんが、単純な足し算では☆は増えんようだな」

「そりゃ、その理屈だったら☆2を二つ合体させたら手軽に☆4が手に入るからな」

「運営さんもお金が入らなくて涙目ですぅ」

「今のところ、リリースされたばかりとあってかストーリーモードとエンドコンテンツと対人対戦がそこそこ備わっている程度だからな。廃課金の方々のお布施の渋り具合によってはオワコンかもしれんしな」

「メガテンだぞ。アトラスだぞ。オワコンとか有るのかよ」

「スマホゲー界隈の事情は知らんが、最近のスマホゲーは客の足元を疎かにして舐めた運営をすると瞬く間に潰れるらしい。一つは、ネットが普及して経験者がブログなり、動画サイトなり様々な手段を講じて体験を発信しやすくなった。だから、発信側に悪意があったら、少しでも興味を持っていたプレイヤーの新たな顧客の芽を摘むのは容易なことだ。よって、運営はいろんなところにアンテナを張って舵取りをしなきゃならん。せっかく、家庭用ゲームの血の滲むような努力のお陰で海外の人たちにも名前が売れてきているわけだから、ここでスマホゲーが『悪辣課金、地獄の如し。犬畜生にも劣る糞運営によりクレジット破産による死者多数』なんて噂が立ったらメガテンもアトラスもセガもそれまでのネームバリューはいっぺんに吹き飛んでしまうのは想像に固くない」


「改善されるかな、プレイ環境」

「さぁな。初日のガチャ回りのマイナスイメージ。根性でレアリティをあげる努力すらも否定する合体まわりの謎仕様。お布施強要としか思えないウザいポップアップ。どれかひとつでもどうにかしないことには先が暗いわな。ああ、それと運営、アトラスじゃなくてセガがやっているんだが、個人的には『PSO2』の二の舞にならんことを祈るわ。セガの運営で真っ先にこれが思い浮かぶほどに未だ悪夢は振り払われてなくてな。正直、メガテンだけどあんまり信用していない。もちろん、部署は違うと思う。しかし、ノウハウは継承されていると思う。だから油断がならない」


「随分とこき下ろしたな」

「作者はアトラスは好きだが、セガにはあんまりいい思い出がないんだよ。特に課金ゲー」

「☆5が二つもあるのに文句言うのか?」

「それなりにお布施はしてるからな。金額は言えん。それと、☆5でもタイプってのがあってだな。作者の持っている☆5は一般的にはゴミと呼ばれている」

「何でだよ」

「ひとつにはアリスのステータスが呪殺魔法に特化した【異能】タイプであること」

「いいじゃん。呪殺魔法で大ダメージ与えられるから、ストーリー攻略、早いだろ?」

「いや、早い段階から呪殺無効を持つ敵悪魔がバンバン出てくるから思ったほどに活躍できていない。それに、アリスは物理攻撃が貧弱だから魔法が使えない状況はただの壁だな。それでも☆3と比べるとステータスに恵まれている分、そう簡単には倒れないが」

「じゃあ、リリスは?」

「どのぐらい先のアップデートかは知らんが、作れるようになるらしい。もちろん、☆4同士の合体ででしか作れないからハードルはクッソ高いものの、作れるようになるということはガチャで当てても旨味がないってことだからな。今後のガチャではハズレ要員の☆5悪魔というポジションだ」

「でも、お前、使ってるじゃん。バリバリ」

「ステータス的に普通に強いからな。敵が無効・吸収・反射でない限りは力技でどうにかなるし」

「どうにかならないのが、☆3のツラいところなんだぜ」

「ふむ。それは心ない発言だったか。失礼した」


「あとは何か気になることとかありますかぁ?」

「そうだな。全く更新していないが、この小説の本編にも登場するアシェラトとイシュタルがメガテンスマホゲーのガチャの☆5で名前が出ていた。嬉しい反面、☆5なのでガチャで当てるにはリスクが高い。作者はそこまで経済的に裕福じゃないからな。ブラック勤務者だからむしろ底辺だ。ため息ばかりついているな。それと、ベルフェゴールは? とのことだ。他にもべリアルやマモン、アスモデウスの存在が忘れられていることが気がかりのようだ」

「何か、本当にどうでもいいな」

「いや、烙印のダンジョン、最下層にいるのかな? とか始めはワクワクしてたみたいだが、そうでもなかったからスゲーがっくりしていたものな。あの辺、詰めが甘いよな」

「運営さんもそこまで言われたくないと思いますよぉ?」

「まぁ、とにかく、頑張って欲しい。鬼畜所業に走らない程度には」

「すんごいトゲのある言い方ですよね。もっとマシな言い方しましょうよ」

「アトラスの風評を下げないよう、頑張って欲しい。もし、ダメな場合は……呪殺しちゃうぞ!」

「「え?」」

「サラダバー」


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