フォールアウト4を楽しみにしてますが、気になることがあります。……と、おまけdis
今年の12月に日本発売予定の『フォールアウト4』ですが、ワクワクと楽しみな半面、不安で仕方がない半面もあるので、今回は、そのことをつらつらと述べようと思います。
その前に、前作『フォールアウト3』になりますが、どういうゲームなのかをざっくり説明します。
ズバリ、核戦争後のアメリカを描いたゲームです。
ゲーム内設定によると、仮想敵国は中国で、中国から放たれた核ミサイルの何割かがアメリカに到達して、大半のアメリカの国民が死に至ります。
その中で、ごくごく限られた人たちだけが、地下シェルターの中で生き延び、歴代フォールアウトシリーズの主人公たちは、何らかの理由により地下シェルターでの暮らしをあきらめ、地上へと姿を現すことになります。
まぁ、ネタばらしをすると、地下シェルターでの生活は200年までとなっており、200年経過すると、自動的に玄関のドアが勝手に開くようになっています。
200年前の地下シェルターを作った民間企業によると200年経過で放射能の危機レベルは去り、安全が保障されるという筋書きらしいですが、全然そんなことはなく、放射能は至る所で致死レベルで残っています。また、核ミサイルの破壊力により、当時の生活インフラは壊滅的な喪失を余儀なくされており、息のつまるようなシェルターから外に出た主人公は、開拓民時代のような暮らしぶりを目の当たりにして、どうやって生き延びるか、早速路頭に迷うことになります。
幸いなことに、住処を追われた「フォールアウト3」の主人公は、わりと近場に存在するメガトンの町に立ち寄り、住人たちの手助けにより、自活の手段を得ます。
具体的には、敵の倒し方を。倒した敵からお金を得るやり方をいくつか。
ケガをした時の治療の仕方を。放射能に汚染され、回復するやり方を。
拾ったガラクタで武器を作ったり、欲しい人にあげて代わりにこちらが欲しいものを得る物々交換のやり方を教わります。
一応、メインクエストが存在し、当面は彼を地下シェルターに残して旅立っていった父の行方を追いかけることになります。
やみくもに探すのもアリですが、オープンワールドの基本的な遊び方は、見知らぬ町や村を探しだして、調べたいことへの情報を得ることです。とはいえ、住人の規模がそこまで大きくない田舎に主人公の父を知る人はほとんどいないので、必然的にその辺の住人が噂話でもちきりにしているエリアに足を運ぶのが定石になります。
しかし、不思議なもので、何気に立ち寄った田舎で起こるサブクエストが面白くて、しばしばメインクエストのことを忘れてしまうことがあります。
または、サブクエストの実行中に拾ったアイテムや人形が世界のあちこちに落ちていることをNPCに教わるや、見知らぬ建物や洞窟を見かけると目を皿のようにして該当アイテムを探す自分がいたりします。
まぁ、該当アイテムはロマンですが、人形の方は入手するとステータスが微弱アップする効果が永続的に付くため、必死さが違います。
なんでそんなに必死になるかというと、このゲーム、上限レベルがあり、レベルが上がるごとにステータス上昇を促すポイントを割り振ることができるのですが、赤ちゃんの頃に割り振るステータス画面の時に頭を良くすればするほど割り振ることのできるポイントが多くなります。そして、集める人形の中にさらに頭を良くする効果を持つ人形があり、低レベルで町や村のあちこちを探し回る主人公が出来るわけです。
とはいえ、初見プレイでは放射能に妙に強い脳筋主人公を作り上げたので、人形による恩恵は全然得られませんでした(上限レベル30になってから、その人形を見つけたため)。
頭はパーでしたが、高い数値の筋力と体力のおかげで死ににくかったので、初回クリアはでっかいハンマーを振り回してエンディングを迎えました。
やり直しニューゲームから、頭でっかちのもやし主人公をプレイしました。
前回と違い、マッチョなミュータントに殴られたら一撃でサヨウナラする体力なので、なるべく敵に見つからないよう常に中腰で移動し、その癖がつきました。
筋力がほとんどないので、筋力を必要としないハンドガンが必須になりました。
人形によるポイント差の恩恵を感じられるようになるレベル10になるまでは、かっこよく云えばヒット&アウェイ……悪く云えば、ひたすらチキンプレイに徹し、気が付いたころには、なろうで絶賛活躍中のベルフェゴールの誕生です。
主人公の名前もBelphegorでしたし(笑)。蛇足ですが、初回プレイはBeelzebub。3度目のやり直しプレイは会話重視で全く戦わないBerialでした。
全体的に面白い作品でした。
銃や重火器を用いたドンパチの楽しさはこのゲームから得ました。ですが、それ以上に楽しかったのが、クエストで会話する人物たちとのやり取りでした。
そのクエストの結末は、日本のゲームによくありがちな気持ち悪くなるほどの勧善懲悪はほぼなく、誰かに対して施してあげたら、別の誰かが割を食う――というのが普通でした。
常に自分の心の内が試されているようで、メガテンをしているような感覚にとらわれたこともあります。
何気に選んだ選択肢で、結果が大いに変わることもザラでした。
そのほかには、こちら側の会話のスキル値と相手の賢さに差があれば(つまり、バカを相手にしていると)、適当に話を合わせているだけで面白いように何気ない会話から経験値が入る仕組みも良かったです。では、賢い人たちとの会話は……というと、他のステータスのスキル値が一定以上あれば、会話の選択肢の前に【ステータス名】といった特殊会話が発生し、それを選択すると自己アピールの手助けになります(=相手への心証が良くなる)。まぁ、必ずしも選択しなくてはいけないという必要もないので、会話以外の戦闘力があるのなら、肉体言語を駆使するのもアリです。
残念なこともあります。
日本語版のみ、一部のイベントがカットされました。
冒頭に記述したチュートリアルの町には、町のど真ん中に不発弾があります。核ミサイルの、です。
日本語版では無力化する以外の方法がないのですが、海外版は有効化することが出来ました。
つまり、任意で『ドッカーーン!』やれるわけです。
やってしまったら、主人公のカルマはそれまでがどんな善人でも一気に悪人(それも外道レベル)にまで堕ちます。当然です。
チュートリアルの町の住人の大半は死滅します。当然です。ですが、大半とあるように一部の人が生き残ります。ゲーム内用語で表現するならば『グール化』です。見た目がゾンビっぽくなりますが、生きています。そして、主人公に対してよそよそしくなります。つらく当たる人も出てきます。
このことに関しては、日本が唯一の被爆国で、そのことに対する配慮だとのこと。
ですが、ゲームプレイヤー側から言わせれば、余計なお世話でしょう。
第一、ゲーム内のプレイする土地はアメリカです。
遠慮をされる理由が今一つです。むしろ、バンバン落としたい人だっている気がします。
こういう選択肢は奪ってはいけないと思います。
誰だって、悪人のカルマは持っています。
ほんのちょっとした不心得で、ゲームだからと云う理由でミサイル発射のボタンを押す人はいるでしょう。
そして、その後のメガトンが気になって、いろいろと変り果て、あんなに親しかった人たちが銃を構えて「死ね、このクズ野郎」と罵りながら発砲してくる。
そういうイベントを経験することも大切だと思います。
子供たちの作文でよく目にする【憎しみの連鎖】という言葉を、このゲームは実にわかりやすい形で教えてくれます。
このイベントを切ったのは、本当にいただけないなー、と思いました。
あとは、人体破損の表現のカットですね。
ゲームシステム的なことはよく分かりませんが、日本語版のこのゲームだけ、フリーズすることが多かったそうです。
詳しいことは知りませんが、ゲームに組み込まれている物理エンジンというのが、戦闘するたびに、強制的に人体破損をなかったことにするコードを常時かけるせいで、変なぶっ飛び方をしたり、ぶっ倒れた死体の一部があり得ない挙動を起こし、それが海外版では起こりえなかった未知のバグやフリーズを生んだそうです。
ゲームは楽しくやりたいので、プレイ中にゲームが動かなくなることはとても悲しいことです。それならまだしも、セーブデータの破壊にまで至った日には、数百時間の楽しかった思い出までクラッシャーです。
あくまでも私個人の考えですが、人体破損に修正を加えるということは、海外版の妙にリアルな造りを侮辱していているのと同義だと思います。
海外版のフォールアウトの動画を見ていると、痛みがこちらに伝わってきます。
チェーンソーによる人体バラバラとか、胃の奥からクるものがあります。
それが普通の感覚だと思います。
ゲーム内ではありますが、こういった痛みを知る経験は貴重だと思います。
この頃の日本においては、大人たちが子供たちからあらかじめ脅威を取り除くのが義務だと思っているところがあります。
いつごろからこんな風潮が生まれたのか存じませんが、自分の子供の頃はそんなのなかったです。
自分たちの親はアイロンにしろ、押しピンにしろ、使い方を誤った場合の痛みを教えてくれました。
だから、木のバットを人の頭に対してフルスイングしたらどういう結果を招くのか? だなんて、実際に試すまでもなく、それまでの様々な経験則から知りえるはずです。
この頃の子供たちは、手加減がわからず、いじめが起こると苛められた側が大怪我をするそうです。
何でこんなケガをしたのかをその話を教えてきた人に聞くと、「反撃されるのが怖かったから、動かなくなるまでやった」という回答を聞いて、背筋が震えました。
日本のZ指定はそこまで厳格ではなく、それが故に子供たちがこのゲームをプレイしてしまいます。
その可能性を踏まえたうえでの配慮なのかもしれませんが、このゲームを買うのは圧倒的に年齢が達した大人のはずです。
その大人のことを無視して子供に……と言い訳するのは、CERОのエゴでしょう。
売買の厳格化を図ると国内での売り上げが日本語化するのにかけたコストを回収できなくなる恐れがあるらしい……とかいろいろと耳に入りますが、そもそもZ指定は自己責任が発生するゲームソフトです。
子供の残酷さに磨きがかかり、その影響が最も強かったからとこのソフトを取り上げるのは間違いです。
そもそも子供がプレイすること自体が過ちであり、子供を責めるべきです。
マスコミもやれ「海外のゲームはコレだから……」とか言いますが、日本にはびこるスマホゲーの課金システムは、一玉300円のある種、スロットよりもはるかにおいしいパチンコです。
それを親に内緒でクレカを勝手に借りて、バンバンやる子供だっています。
ドリランド事件、覚えてますか?
殺人と借金を同一に語るのは無理があるかもしれませんが、日本のスマホゲーやテレビゲームのDLC商法が健全でないのは、今に始まったことではないです。
後半、話が重くなりましたが、私は『フォールアウト4』を楽しみにしています。
今作は『マインクラフト』からインスパイアされたいくつかのハウジングシステムや、今まで本当に使い道のなかったガラクタに光を当てて、様々な用途……建設素材や銃器拡張素材もろもろのリサイクルシステムなどなど、血なまぐさい出来事以外のことが出来るようになったそうです。
わたくし的に海外ゲームの良いところは、こういった遊びの拡張性に惜しみない労力を割く点でしょう。その分、開発資金もかかっているでしょうが、遊び心に火をつけるゲームにゲームプレイヤーは応えてくれます。
発売後しばらくしてから紙面に躍り出る『全世界○○○○万本セールス達成』といった見出しは、何ともわかりやすい証明です。
日本語版の『フォールアウト4』もぜひ、楽しみにしている成人した国内ユーザーのことを考慮していただけたら、と思います。
一方、日本のゲームも国内販売がミリオンするソフトがいくつかありますが、購入層が限定的です。
妖怪ウオッチ、たいへん売れました。いくつかのソフトを抱き合わせました。
メダルで釣って、子供のために……というより、流行のため、子供が学校でハブられないようにするために、大人たちは東奔西走しました。期待に応えられずの阿鼻叫喚もあったと思います。
海外で、妖怪ウオッチが爆売れするかどうかは謎ですが、少なくともわたくしはどうでもよかったです。
ラブライブだったかアイドルマスターだったか、萌え豚専用のゲームも収益率が高いそうです。
これまた購入層が限定的です。
海外で人気があるか?
全然わかりませんが、国内の萌え豚は可愛い絵柄のために大金を惜しみなく投入します。ある種、妖怪ウオッチ以上に悪辣というか、AKB商法って、萌え豚にはてきめんなんですね。
ドラクエ、FF、テイルズオブなんちゃら、の国内大手のRPGも、結局のところ、どれもこれも外側の見た目だけが変わるだけで、中身にこれといった変化はありません。
もっと言うならば、
FFはバトルシステムに変化を入れて、新しさを演出しますが、独特のシステムであり、万人受けしない上に決まって中盤以降難易度が跳ね上がる(そもそもFFには難易度選択なんてないからお察し)ので、全くと言っていいほどやる気が起きません。
テイルズオブなんちゃらは、作品を重ねるごとに悪辣化していくDLC商法がげんなりなので、これまた購入意欲がありません。
ドラクエは、任天堂の新ハードで展開とのことですが、任天堂のハード機と言ったら、主幹ソフトがマリオとゼルタとあと何か? というラインナップのわびしさです。とても怖くて手を出し切れません。
それにドラクエがどんなに進化したといったところで、スカイリムを超えないでしょう。
比較が比較にならないのは確かですが、スゴイと思わせたいのなら、せめて売上本数だけでもスカイリムを超えてみなさいな。
日本のファンの求めるモノと海外の方々の嗜好のベクトルが同じ方向を向いていないのは理解していますが、テレビゲームをこよなく愛するヘタレゲームプレイヤーとしては、何とも残念な国内市場の動向には、ただただため息が出るばかりです。




