デビルサマナーシリーズの紹介
先日、赤井"CRUX"錠之介さんから、『今頃になってから始めようと思ってます。どんな作品がありますか?』と云った旨の質問がありまして、わたくしの所見で良ければという前提条件で、ザックリと紹介します。
1.デビルサマナー
古くを遡ること、セガサターン機での登場が初となります。
スーファミの頃と比べると、グラフィックは鮮やかになりました。
2Dフィールド探索時の味気無さはスーファミの頃から変わってませんが、イカイカ……失礼しました、異界化現象が現れたときの3Dマップ探索は、なかなかに頑張っています。
他にもデビルサマナーの本拠地となる矢来区アーケード街……特に、初見の丸瀬不動産のちょっとしたギミックなんかは、「おおっ!」と唸るモノがありました。
次は金王屋でしょうか。ここの主人が時折、「王」という文字の隙間にタマを入れられるというイタズラに対してボヤいておりましたが、どういうことかは敢えて申しません。
戦闘画面はセガサターン機になって初めて、敵の出現に対して、前衛・後衛が視覚化されました。
スーファミ時代の複数敵による襲撃は、連続戦闘でしか表現できませんでした。
例をあげるなら、「真・女神転生」のヒロコの公開処刑イベントにおける連続戦闘ですね。
確か、ゾンビコップ8体登場→撃破→ゾンビアーミー8体登場→撃破→コープス8体登場! みたいなノリで……まぁ、これはこれでどんな敵が現れるかわからないという心理的圧迫感がヒシヒシと伝わってきてアリですが、一度にたくさんの敵が画面上に表現できるようになった次世代機の凄さに対して、当時は結構痺れました。
あとは、悪魔ごとの体格差をうまく表現しています。
小っちゃな雑魚は複数人? で群れるように現れますが、タイホウやルフのような巨大鳥は画面いっぱいに表現される代わりに各自1体まで、とスーファミ時代ではわかりにくかった、悪魔の大きさ・小ささが見れば一発で分かるようになったのには、普通に感心しました。
欠点①は、ロードの長さですね。
アトラス、初のサターン参入ということもあって、不慣れな開発環境がモロに出てきたのでしょう。画面が切り替わるごとに発生するロードは、スーファミには無かった要素なので、若干、イラついたことは確かです。
それでも、いろいろと目新しくなった要素、好奇心を駆り立てるイベントの数々が楽しくて、クリア時のエンドロールにはしみじみとしました。
もし、プレイされる機会がありましたら、その点を覚悟してください……と言いたいところですが、PSPで新しく生まれ変わった『新デビルサマナー』は、ロード時間がグッと減りましたので、プレイするならば、こちら側を強くお勧めします。
欠点②は、敵悪魔を会話で引き込んで自分の戦力として使役するのがデビルサマナーという職業なのですが、スーファミ時代と同じ感覚で仲魔にすると、様々な性格を持った悪魔に振り回されます。
というのも、今作から仲魔は、連れ歩いて一定数の戦闘をこなして初めて忠誠度(最大値は10)が上がり、命令を聞くようになる連れ合い型。魔石や宝玉・宝石さえあれば、即戦力になってくれる物欲型。こちらのレベル差が開けば開くほど指示に従うレベル差型。作成に時間と労力がかかるものの、最初から忠誠度がMAXで能力も申し分ない造魔型の4タイプがあるからです。
悪魔の個性、という観点で見たら、よくできているシステムですが、お気に入り悪魔に限って、扱いづらいタイプだった……というのがよくあり、結果、最終局面で連れて行く悪魔が固定されてしまうというのがデメリットではないでしょうか。
ちなみに忠誠度についてですが、こちら側の攻撃指示に対する「聞き分けの良さ」度と考えてください。
確か会話で仲魔にした場合、「1」からはじまります。
これを「10」まで育てていく過程で、はじめは「アタック」「ディフェンス」「マジック」しか命令できなかったのが、「アタック→ノーマルアタックorファイアブレス?」「マジック→アギラオorメディア?」というように細かい指示が下せるようになります。
確か、忠誠度が「8」に達すると「どの敵に対して攻撃を仕掛けるか?」という敵指定ができるようになり、ここへ来て、ようやくスーファミ時代の仲魔と同じ動きをしてくれるようになります。
結構面倒くさいですよね。
でもまぁ、これもPSP版にて忠誠度の上げ方に変更が入りまして、確か全悪魔が物欲型(例:鬼族ならば、お酒。天使なら宝石etc)へと、格段に仲魔にしやすくなっています。
ですので、くどいようですが、「デビルサマナー」に興味を持たれましたら、PSP版仕様の方のプレイをおススメします。
2.デビルサマナー ソウルハッカーズ
デビルサマナーの世界観はそのままに、今風に云うところの「ソードアート・オンライン」みたいな電脳世界を舞台に黒幕たちの企みを暴く……というのが話の流れでしょうか。
ゲームシステムは、「電脳世界を歩く」というコンセプトのもと、現実世界とは違ったモニターを通して、様々なアプリを入手したり買ったりしてインストールして、所持するハンドベルトコンピューターの使い勝手を上げていくのがミソです。
とはいえ、アプリのインストールには枠があり、要所要所に応じて、使い分けをしないとすぐに容量オーバーを迎えます。
向かうダンジョンや敵悪魔の性質を見極めたうえで、効果的なアプリを取捨選択し、クリアを目指す……と、単にレベルを上げるだけに留まらない遊び方への選択肢提供も行っています。
私的評価ですが、なかなかに楽しいです。
特にグッドなのが、謎の建造物・シーアーク。
シナリオの進行に応じて徐々に解禁される階層を制圧し、100階の頂上のラスボスを目指した先に何があるのか? それを見届けるのはあなた次第……と、やりこみ要素も申し分なかったですね。
蛇足ですが、この「100階目指してラスボス撃破」のくだりを前述した「ソードアート・オンライン」のアニメ版でゲームマスターが説明しているのを聞いた時は、パ○リ? とか余計なことを考えてしまいました。まぁ、思い返すにラノベ世代は「ソウルハッカーズ」を知りませんからねぇ。
いや、単に人気が出た理由がよくわからんから、ちょっと腐してみただけです。
1巻だけ借りて視聴した感想ですが、軟弱そうな美少年美少女が、筋肉を否定しまくるので、心の中で「爆ぜろ」とか「滅せよ」と何度思ったことか。
本当にどうでもいいことですが、わたくしの好きな戦鎚がちっとも出てきません。せいぜい、黒人っぽいのが大斧を持つ程度です。1巻目からそんなのを期待する方がいけないのでしょうか。
おっと、話がだいぶそれました。
次に、見所は……というと、「依頼」でしょうか。
普通に、困った人たちからの特定の悪魔の討伐依頼。王国屋という誰かにそっくりな店主が主人公に依頼してくる特別依頼。
討伐依頼は、普通に相手を倒すだけですが、特別依頼は普通にクリアするだけなら作りもしないであろう変わった種族を作って、それを欲しがる依頼人に渡すというミッションです。
報酬がこれまた変わっている……というか、当時散々ネタになった「メギドラオン・ピクシー」のような、普通に悪魔合体するうえでは事故以外では作れなさそうな悪魔を報酬としてもらいます。
そのほかにも、王国屋の依頼人の特徴的なシルエットにニヤリとさせられたり……と、アトラスは、ファンを楽しませることにかけては一流です。
もちろん、ファンでなくても楽しめますし、その特徴的なシルエットに興味を持たれて、アトラスの別作品に触れた際にそのキャラに出会ったときに改めてニヤリとしてしまう、そんな作りです。
さて、仲魔とのふれあいですが、今作から仲魔ごとに好きなアイテムをプレゼントして、忠誠度をMAXまで上げる仕様へと変更になりました。
やはり、前作の仲魔作成の面倒くささは、わたくし以外にも感じておられたようで、あっさりと手直してくれる姿勢には感動すら覚えたものです。
以上、ザックリ仕上げではありますが、デビルサマナーシリーズの紹介でした。




