魔女様
閲覧感謝です。
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お気に入り登録もうれしいです。
参加表明はメッセでも順次対応いたします。
今回も可愛い子借りてきりました。
とにかく楽しんでいただけたら幸いです。まだ可愛い子募集中です。
前回も楽しく切らせていただきましたが、今回は美しい娘様です。
ぜひ切ってみたかったので、スカウトにメッセ走らせたぐらいですから。
口上は抜きで、素早く彼女の紹介に行きましょう。
尚、作者様から「当方に敬称付けしていただくにしても、「さん」辺りを希望……」と何とも控えめに言って下さったので、今回は作者様を「さん」付で呼ばせていただきます。
でも気付いたのは切るべき彼女はずっと「様」付けでお呼びしてるのです。私。イメージ的に「ちゃん」や「さん」ではないのです。ですから少し逆転した敬称づけになっています事、お許しください。
では今回切らせていただくのは、鵜狩さんがなろうの「冬の童話祭2013」で出品されていました、三話構成で連載の童話『僕は歩く、君へ歩く』より、魔女様です。(拍手)
彼女の設定は……「その森深くに住む魔女は、とても若くて美しい娘さんでした。すらりと伸びた手足は糸杉のよう。ふわりと揺れる髪は絹糸のよう。そっと歌う声は蜂蜜のようでした」(作中より)
これまた美しいです。蜂蜜の声、聞いてみたいですね。
でも声をお届けする事は出来ないので、今回はそのお姿の片鱗だけでも触れ、描ければと思っております。
では切り絵に行く前に鵜狩さんの作品の紹介を、私から少し。
私が鵜狩さんの作品で初めて目を通したのは、『僕は歩く、君へ歩く』でした。
まず題名がクリックしたくなる音の並びをしていると思いますね。とても目を引きました。
内容は魔女様と魔女様が作った人形のお話。
その人形はある日、旅に出ます……そんな流れで話が進んで行きます。
このお話、小学校の低学年児童に読み聞かせをしたのです。
話の流れが決まっているので小学生にもなると、「あ、きっとまた……」と、わかるのですが、それが子供には楽しいのですね。「きっと倒すよ!」と、嬉々とし、それが当たった時の子供がするドヤ顔は、王道の童話の作りだからこそ生みだされる素晴らしい物でした。
素晴らしさを描いているとキリがないし、ネタバレになってしまいます。そんなに長いお話ではないので、お時間があれば目を通されてはいかがでしょうか?
魔女様が出て来るお話、『僕は歩く、君へ歩く』に興味を抱かれた方は、最後にURLを載せてますのでそちらからご覧ください。
また鵜狩さんは、恋愛物も書かれておられますがこれも素晴らしく、日常の小さな一片を書きながらその心に共感できるお話。
更にホラーも書かれてますが、とにかく「ありそう」で怖くて、私は夜に読まない作品である事だけを追記させていただきます。(お昼に読みます。お昼に)
では魔女様の切り絵に行ってみます。
ただ。
今回ですよ、……来ました!
初のイラストなしのお子様です。
と、言う事で、最初はイメージをまず鵜狩さんと共に決めていきます。
文章で上げていただいたイメージは樹木や泉、川。黙って静かに佇んでいる人。簡単に他人に押しやられてしまう人、配色については作中の「竜」と同一の色合いを意図しており、瞳は青、髪は暗め、濃いめの緑との事でした。
そこまで聞いて、何枚かラフ画を上げて見ていただきました。
髪型こっちの、表情こっち、など指示をもらい、ラフ画を送った時に、私がぱっつん和風髪のイメージもあったとお伝えしていたら、その子も見たいと言って下さったので、もう一度描いてラフ提出。
それが以下の二枚。
前髪なし。
ぱっつん和風髪。
で、軍配が上がったのは、ぱっつん和風髪の魔女様。
と言うわけで、色を一度水彩で付けていましたが、失敗したのでここで色鉛筆とペンでリベンジ。
下書き。
彩色。
はい、お目汚しし失礼いたしました。
失敗したのはココには上げません。が、(みてみんに小さく保存してあります)それとほとんど変わらないとか言わないで下さいね。
私は描くのより、切り絵を作るのが好……以下略。
艶ベタ下手ですみません。
その上、少々問題が。
一番お気に入りのペン、ピグマの水性0.05がインク切れ。このペンは消しゴムかけると少々薄くなり、漫画の原稿に使うには印刷時甘さが出ますし、ペン先と違って強弱が付けにくいですが、上から水彩しても消えないし、丸ペンに近い点描が書けます。インクや差しペンは田舎に置いてあって、こないだ見たらカラーインクが蒸発してて笑いました。
まあ、ペンは切り絵自体に必要ないのですが、使いたい時にないとイラッとするのですよね。
近くの店で置いてなかったので、街中行って、上記のペンに加え、紙やらも買ってきました。
ネットの方がまとめ買いするとペンは安かったので、今度は楽天に頼もう……そう思いながら問題クリアして切り絵へ直行です。
早速、切りに入っていきたいと思います。
ただ、切ると言ってもね……私はここで、魔女様に似合うモノを考えました。
美しくありながらも、忌まれるもの。水の流れとなどと合わせられる、自然の物が良いけれど……そう考えながら思いついたのが「椿」でした。
白椿、赤椿、影用椿の緑、三枚重ね切りしました。力が要るので、肩凝りました。
何故魔女様に椿かと言うと、この花は冬でも緑が美しい木です。その美しさは元々、艶葉木と書くと言われるほどです。
椿には「厄除け」や「吉祥」などの伝説がある反面、花が散る時、花弁を一枚ずつ散らす桜などと違い、花ごとボトリと落ちる為、「首が落ちるようだ」と忌まれる場合もあります。
花言葉は諸説ありますが「控えめなやさしさ」を示し、赤は「慎み深さ」、白は「控えめな愛」、とても清楚な感じです。
このお話の魔女様の容姿は美しく、心根の優しい女性でしたが、魔女という事で忌まれ、迫害されます。椿と同じ、忌まれるもの。でも美しきもの。
彼女の容姿を決める時、和風ぱっつんにしたせいもあり、きっと緑の葉を思わせる髪にはそんな椿が似合うだろうなと思ったのです。
上記の椿に合わせて一枚。少し椿をずらして影を作ります。
白椿。
赤椿。赤の紙はいつもの紙ではなく、少し白が入ったミューズ紙になります
影椿は深い緑色の紙で作ってあります。それを使って、カラーフィルムの反射光を映すと、白椿っぽくなります。
和風髪に椿は似合うと思います。
椿の後には作中文章イメージを2枚見ていただきましょう。
この1枚目は魔女様が旅立つ人形を送り出し、泣いてしまうシーン。
回りの動物たちも魔女が人形同様に作ったモノですが、喋れない動物達。寂しさを埋めるのは少し足りない、でもきっと彼らも魔女の優しさを映して、きっと素敵な生き物だったと私は思います。
お話にそんな追言はないのですが、暖炉の火も心を温めるには足りないモノだったでしょう。色は椿を作った時の残りを暖炉に、壁ラインに沿って上下で2色のフィルムを入れてます。
鵜狩さんに見せたら、蛇とカエル、変温動物が暖かい暖炉近くにいると言われて気付いた私。さすが作者様は見る所が違いました。そこまで配慮した配置ではなかったのですが、自然と彼らはこの位置に納まっていました。不思議です。
さて、2枚目は、本当に私の完全にイメージ。
鳥は鳩です。
作中に出て来ませんが、魔女様は旅に出た人形を思って、心は側に飛んでいきたかっただろうという想いを込めて。また、彼の様子を空を渡る鳥に聞いていたのではないだろうかとそんなイメージから。
嘴には木の枝。オリーブか、月桂樹かと言われればやはりオリーブのイメージ。有名なのはノアの方舟ですね。平和を象徴する鳩は、嘴にオリーヴの葉を咥えた姿で表されますから、ここに表現してみました。
オリーヴの葉は「二列対生」、葉っぱが食い違いではなく、同じ位置から生えているのです。
それを体にも描いてみました。
本当の鳩は攻撃性が強いらしいと聞きますが、それはそれとして平和の象徴としてはポピュラーな所を並べてみました。
後は背景用ゲストを切ってみます。
人形が戦った竜さんです。
彼、4本足なのですが、後足が隠れて描けなかったせいか家人に「ガルーダ?」と聞かれたのは内緒。
その上、竜は実は笑ってるんですけど。仲良くしようよって。でも攻撃されちゃうというイメージで切りました。
ツイッターで『これ笑っているけど怖い竜のつもりで作ったんだけど、見えないかなー? ほら、良く見たら眉、渦巻きだよ。笑って見えたらRTお願いします』と、やってみましたが、RTホントに少なかったです。
見て下さった方は私の投稿切り絵の平均見学者が20未満なのに、この竜だけユニークで90を超えているから、ツイッターから足を運んで下さった方は多かったはず。閲覧いただいた方は感謝です。
でもこれ、RT多すぎたら切り直ししなければいけなかったので、成功と言えるでしょう。
この童話の竜は心根がどうあれ、見た目は「怖い」存在でなければならないので。
で、この竜に合わせる魔女様を切りました。椿を合わせています。
2つを合わせて撮影したのがこちら。
シアン版加工した色違い。
魔女様に竜、椿と忌まれるモノを揃えた切り絵になります。
私的にはこの物語の中に込められた鵜狩さんの気持ちをメッセでお聞きした時に、どうしても切りたくなった1枚です。
この魔女様に竜ではなく、涙や雨に見立てた円の図形を合わせたのがこちら。
今までの表現とは違った白に白の重ねなので、よく見ないとわからないかも知れません。
でも魔女様の雰囲気に合った表現と思われたので、ここに掲示です。
そして今回最後の切り絵がこちら。
人形の彼が魔女様の手を引いている図になります。
紙は黒ではなく深い緑色、画面上、紺にも見えますね。その背景に色や柄を入れると、イメージが限定されてしまう故に、色は入れない、一切の無駄を省いた表現になります。
彼が手を引いて連れて行くのは森の花畑や美しい泉のほとり?
それともたまには街に行こうと誘うのか、お祭りやダンスに連れようというのか、それは私には想像するしかできません。
でも力任せに手を引くのではなく、彼女を見ながらそっと導いていくような未来が、2人にあればきっと何かが変わるだろうという想いで、切らせていただきました。
今回の切り絵は以上になります。
魔女様、素敵な女性でした。今回も楽しく切らせていただきました。
ありがとうございました。
切れるのは四月以降になりますが、可愛いお子様募集は現在も続けております。
動物編など出来たらいいなとも考えて、写真応募でかわいいペット様も募集中。可愛ければ男女こちらは問いません。興味がありましたら、直メッセやツイッターで問い合わせ、または当方活動報告などご覧の上お書き込み下さい。
通りすがり大歓迎! ぜひご参加ください。
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ここで最後になりましたが、今回ご協力いただいた、鵜狩さんのページを紹介をさせていただきます。
『僕は歩く、君へ歩く』
お話一覧
http://ncode.syosetu.com/n3459bn/
「旅立ち」「寄り道」「帰り道」の三部構成です。
(企画後:当方切り絵を挿絵に使っていただきました……誠にありがとうございます)
また、鵜狩さんには『僕は歩く、君へ歩く』の宣伝を頂いて参りました。
──
「私は魔女で、あなたの友達よ。あなたも私を友達にしてくれたら嬉しいわ」
寂しい魔女が作ったのは、少年の人形でした。
けれどもある日少年は、自分が何も知らないのを知ってしまいます。
「僕は旅に出たいと思います。都へ上ってみたいと思うんです」
少年は魔女を森に残して、世界へ歩き出します。
旅をして人を助けて、いつしか英雄と呼ばれます。
けれど辿り着いたその場所で、少年はある言葉を思い出すのでした。
「お前の無事を祈るのは、お前を無私に愛するのはひとりだけ。ただひとりだけだよ」
──僕は歩く、君へ歩く。
大切を見つけるまでの、これは回り道のお話です。
──
鵜狩さん、素敵な宣伝をありがとうございました。
その他にも色々ご協力を感謝いたします。
この場を借りてお礼申し上げます。
また、ここまでお付き合い下さいました読者様にも感謝を!
次回は主人公を見守る、可愛らしい女の子を切ってみます。
またまた楽しみです。
注意……他絵師様の描いた絵は絶対に持ち出し禁止です。尚、当方は転記掲載許可取得済です。
他、私が各作家様の為に切った物は、その話の該当作家様のお持ち帰りはご自由にどうぞ、と言うか持って帰って下さい!
閲覧の方はお持ち帰りはお控え下さいますよう、またどうしてもと言う方は、お声掛け下さい。(って、居ないでしょうが……)