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イジメはしたほうが被害者!?

「澤口く~ん、ちょっとお金貸してくれないかな~」

最近、女子生徒が男子生徒をいじめる逆イジメが流行っている。

影で、女子生徒がお金を奪ったりしている光景を目の当たりにしている教師職員だが、

一向に動こうとはしない。

というよりも、負けるのに避けていると言える。


特に最近は、2年C組でも問題が..。

澤口裕太さわぐちゆうたという男子生徒が、

西内友里花にしうちゆりか東雲彩芽しののめあやめ

を含む4人の女子生徒にいじめれている。

主に、恐喝や現金をその場で奪う。

「友里花..気づいてるだろ..そんなことして大学に入れないってこと」

「えぇ..?何のことかなぁ~意味が分からない」

「入学したときに、言ってた..友里花、王塚大学に入るって」

澤口裕太は西内友里花と幼稚園からの幼馴染。

小さいころから、一緒に遊んだりしていた。

裕太は正真正銘のお金持ち。

友里花は、アパートに住む普通の女子。

なぜだか、最近は友里花からのイジメに悩んでいる裕太。

「ありがと、これからもよろしく。澤口」

「..........」

何も言い返せない澤口に、未来たちも影でため息。

友里花たちが澤口から離れていくのを見て、未来が一人で澤口に近寄る。


「ねぇ澤口?どうして..言い返せないの?」

「俺...あいつが昔金持ちだったこと知ってるんだ」

「友里花が?」

「あぁ。俺と友里花は受験して受かって入った幼稚園出身」

裕太と友里花は幼稚園に受験をして入った。

お金持ちで、幸せで..自信に満ち溢れたまま、中学校を卒業して..

「でも、あいつ変わった。いつの間にか俺を使うようになってよ」

「ヤダってはっきり言えば良いじゃん。幼馴染なんだし」

未来がそう言うと、裕太はうつむいて、

「俺も、幼馴染だからって考えたこと..たくさんあるぜ」

「....どういうこと?」

「ダメなんだ、あいつは何言っても変わらない」

そう言って、学校に入っていった。

未来の後ろから葵が走ってきて、

「友里花、さっき屋上から飛び降りそうになってケガしたってさ」

「え?」

「友里花も友里花、裕太も裕太で、悩みあるんだろうな」

「だったら、ニコイチ青年団で解決できるかも!」

今回のターゲットは澤口裕太と西内友里花、幼馴染の二人。


そう、

ニコイチ青年団とは、王塚高等学園2年C組に存在する活動活発な組織。

もちろん誰にもバレてはいけない。

そして、必ず成功しなきゃいけない。

メンバーは2年C組の生徒だけ。

クラス問題だけじゃなく、学校全体の問題を解決していく組織、

それがニコイチ青年団なのだ。


「今回は、葵?」

「あ?」

「葵とわたしで解決する、決まり!」

「お、おう」

必要以外、人は使いたくない。

いつも未来が言っている言葉。

「で?何をすればいいんだ?俺」

「裕太、放課後に2年C組に連れてきて、わたしも友里花を連れて行くから」

「OK」

そして放課後、葵と未来は別々に二人を2年C組に連れてきた。

二人きりにする前に、葵にも言ってもらいたいことを裕太に言わせた。

「友里花がごめんって、2年C組に待ってるってさ」

「友里花が...?」

そして同じく、未来も友里花に

「裕太がちゃんと伝えたいことがあるって..もう一度2年C組に来てくれないかな..?」

「裕太...」

お互い、走って2年C組に向かっていった。

その後、葵と未来は合流して、静かに2年C組に向かった。

「裕太も友里花も仲直りすれば良いけどね..」

教室の前に来ると、友里花が裕太に向かって何かを言っている。


「今さら謝ってもらっても、あのこと、忘れるわけじゃないんだからね」

「分かってる、でも..こんな関係、もうやめてぇんだ」

友里花は自分のバックから封筒を取り出して、中身をすべて床に落とした。

中に入っていたのは一万円札が大量。

涙しながら友里花は、

「奪ったけど..使えなかった..だって、こんなことしたら、わたし..大学いけない」

「.....まだ、諦めてなかったのかよ」

ひざ立ちになって友里花は泣きはじめた。

「裕太と大学行くって中1のときに言ってたけど、諦められなくて..」

意外にも、仲良くなっている。

その様子を笑顔で見守る未来と葵。

「大学は一緒に受かろう。もう一度、その夢..叶えてみたい」

「えっと..う、うん」

指切りをしている。

「ごめん..裕太。今まで、痛い思いさせて..本当に何て謝ればいいのか..」

「俺は、気にしてないぜ?」

そんな様子を偶然に通りかかった、友里花の友達、東雲彩芽。

「ちょっと、それどういうこと...」

「あや、ごめん..裏切るつもりはなかったけど..一応..幼馴染だから」

幼馴染。

その言葉に、未来は笑顔に。

葵も隣で笑っている。

彩芽はすぐに、その場を去った。

そして、裕太と友里花は向き合って笑顔。

様子を伺った後、未来と葵は帰ることに。

学校の前の道路を歩いていると、未来がいきなり、

「葵がいると、すぐに解決して楽だな~」

「そうか?」

「うん、案外解決しようとしてる葵はカッコイイよ?」

その言葉に、葵は顔が赤くなる。

「う、うっせーよ」

と言い返そうとしたものの、葵は隣にはもう未来はいなかった。


次の日、教室に入ると裕太と友里花が仲良くしゃべっている。

その光景を見て、未来はほっとため息をしていたのであった。

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