その二
神様拾って警察届けたら概ね一割お礼にくれた。その二
ヴゥーン、ヴゥーン。
常時マナーモードで連絡といえばメール広告くらいが関の山である俺の携帯電話が震えだしたのは神を警察に届けて三日目のことだった。
見れば知らない番号で、最初は無視していたのだが、三回目の着信ともなると気味が悪く、仕方ないので電話を取る。
「も、もしもし?」まずは名前を名乗らない。怪しげな勧誘かもしえない。
「すいません。こちら豊田さんの携帯でよろしいですか?」
透き通るような女性の声だ。
全く持って心当たりがない。
「は、はい。そうですけど」
「あぁ。よかった。私こういう連絡手段って初めてでして。かがくりょくというのも捨てたものではありませんねぇ」
くだけた口調ではあるものの、育ちの良さ、品の良さを感じる。
一体誰だ?
「あのー。すいませんけど。どちら様でしょうか?」
「すいません。私ったら名乗りもせずに。ふふふ。名乗るなんて久しぶりだわ。大抵の場合は私に用があって呼ばれますから。ねぇ?」
ねぇって言われても。
知らんがな。
「私、天照大御神と申します」
「ふぇっ?」
「どちら様と問われれば神様って奴ですね、はい」
新手のオレオレ詐欺か?
この場合は神々詐欺?
エキセントリックな詐欺だな。
「えっ、ええーと」
「先日は、うちの愚弟を拾ってくださり、ありがとうございます」
「は、はぁ」グテイってなんだ?
「豊田さんが、うちの聞かん坊を拾って、けーさつ? に届けてくださったとか」
「あー、はいはい。アレですか? あの黒いプルプルの」
「そうです。そうです。その黒いプルプルの」
「アレ、本当に神様だったんですね」
「あはは。汚い格好してましたでしょ? もうあの子ったら勝手ばかりして、ご迷惑かけてしまって」
「いえいえ。迷惑だなんてそんな……」
「まぁ。ご謙されずとも。それでなのですが、お礼を差し上げたいのですが」
「えっ?」
「なんでも今の政の制度では落とし主にお礼を差し上げなくてはならないとか」
「そんな、滅相もない」
いや、貰っておいたほうがいいのか?
神様だぞ、相手は。
いや、本当に神様なの?
「そうですか。いりませんかぁ」
「いりますいります。頂けるものなら病気以外は!」
「あはは。豊田さんは面白い方ですね。そうですよ。人間欲望に正直が一番ですからぁ」
「は、ははは。そうですね」冗談の通じる神様でよかった。
「ではですね。けーたい? ではなんですから直接お会いしましょう」
「えっ! あっ、はい」
話はトントン拍子に進み、俺は天照大御神と会うことになった。
待ち合わせは最初、伊勢神宮を指定してきて、流石に三重県までは行けないと話したら、
「あらあら。でしたら指定してくださっていいですよ?」と言うので近所の喫茶店を指定させてもらった。
神様どころか女性が喜びそうな場所も検討つかないのだが、よくよく考えれば、神様を喫茶店に呼び出すなど頭悪いとしか思えない。
しかし、すんでしまったことは仕方ない。
会うしかない。神様と喫茶店で。
ところでどんな服を着ていけばいいのだろうか。
流石にTシャツにジーパンは論外だが、服なんてそんなに持っていない。
礼服用に買った安物のスーツがあることを思い出し、クローゼットから引っ張り出す。
カビ臭い。てかカビが付着してる。
クリーニングに出し、散髪に行って身なりも小奇麗にしておく。
偉い人と会うにはどんな場所を指定して、どんな服装にすればいいのか?
それさえわからない三十歳である。
さて、神様と会うのにどんなに準備しても万端はということはないだろうが、ネットを使って触りだけでも把握したほうがいいだろう。
正直、神様とか宗教とかさっぱり分からない。
神社とお寺の違いなんて、
「鳥居があるのが神社。坊主がいるのがお寺」くらいの認識しかない。
俺はパソコンを立ち上げ、検索をかけてみる。
流石に日本人なので天照大御神について名前くらいは聞いたことがある。
確か、太陽を神格化した神様で、伊邪那岐命と伊邪那美命から生まれた……とかなんとか。
知っているのはそれくらいだった。
日本におけるメジャーな宗教は神道と仏教だ。
神道は日本土着の信仰、いわゆる「八百万の神」とかいう奴で、ざっくばらんに言えば自然現象や万物の具現化、擬人化ということらしい。
科学なんて無かった時代は自然の恵みや、災害なんかのわけのわからない現象を敬い、恐れ、神格化することで理由をつけようとしたのが、そもそもの始まりのようだ。
太陽の具現としての天照大御神はこの神道に属する。
仏教はインドの釈迦を開祖とする宗教で、元来は開祖を崇拝した、いわゆる偶像崇拝ではなく、釈迦の思想や考え方を伝えるための概念的なもののようだ。
噛み砕いていえば釈迦の死生観を伝えるために信仰を布教している。
それが民間に伝播していき、土着の神々、他宗教の神々を取り込みながら、現在の形になっている。
この死生観。仏教における輪廻転生の概念が、お寺で葬式を行うようになる起因になっているみたいだ。
そう言えば、神社で葬式ってしないもんな。
「ほほう。勉強になりますな」
元々あった神道の考え方が多神崇拝であったためか、結構簡単に他の宗教に手を出し、融合させているところが、現在の日本文化を形作っているようにも思える。
さて、日本の宗教観についてはこれくらいにして、天照大御神について調べてみよう。
「……ふーむ。意味分からん」
それとも神話に突っ込み入れるなと暗に言われているのだろうか?
調べてみたところによると、
伊邪那美命の死後、死んだ妻に会いに行った伊邪那岐命が、伊邪那美命の顔にウジがわいていて、顔を見られて怒った伊邪那美命に追いかけられ、逃げ帰り際に川で体洗ったら、左目を洗った時に天照大御神神が生まれ、右目を洗った時に月読尊が生まれ、鼻を洗った時に生まれたのが須佐之男命……とある。
「意味分からん」二回言ってみた。
「これ実は、別れた嫁に会いに行って、セックスさせろと頼んだけど、他の男が出来てたからヤラせてくれなくて、怒った嫁に追いかけられて、ムラムラした帰り際にソープのお姉ちゃんとセックスして年子で子供作っちゃった最低なオッサンの話なんじゃないだろうか?」
死んだ妻に会いに行く=別れた女房に会いに行く
顔にウジがわく=他の男が出来た。
伊邪那岐命、伊邪那美命に追っかけられる=ヤラせろと頼んで、キレた妻に追い回される。
川で体を洗う=場末のソープランド
左目、右目、鼻=一年目、二年目、三年目
「三年連続で風俗通いしながら嬢に子供孕ませ続けるとか、このオッサン最低だな」などと邪推してみる。
その後、伊邪那岐命の指示により天照大御神は高天原を治め、月読尊は夜の世界を、須佐之男命は海を治めることになるが、須佐之男命は働かず、伊邪那美命がいる根之堅州国に行きたいと 伊邪那岐命に告げる。怒った伊邪那岐命は須佐之男命を海から追放し、天照大御神に別れを告げるべく、須佐之男命は高天原に向かう。
「働けよ、須佐之男命」マザコンでニートとか救いがたいな。
ところが高天原に向かう須佐之男命の勢いが凄かったため、天照大御神神は須佐之男命が国を取りに来たのだと勘違いしてしまう。
須佐之男命は別れを告げに来ただけと、疑いを解くために誓約を行う。
天照大御神は疑いを晴らし、須佐之男命の滞在を許すが、須佐之男命の乱暴な行いのため機嫌を損ね、天岩戸に閉じこもってしまう。
勢いが凄かったって、暴走族でもやってたのだろうか?
「ねーちゃん。俺、真っ当に働くよ」
「やっと、働いてくれるのね」
「でも金ねーから、ちょっと高天原に住まわせてよ、いいだろ? 改心したし? 俺、マジがんばるし!」
「えっ?」
まるで安物の家族ドラマを見ているようだ。
働かないDQN弟に居座られたあげく、仕事場をめちゃくちゃにされ、引きこもる天照大御神。
そんな情景が目に浮かぶ。
太陽神である天照大御神が天岩戸に閉じこもったことで世界は真っ暗になる。
困った神々は一計を案じ、天宇受賣命が天岩戸の前で踊りをする。
その踊りがあまりの可笑しかったので神々が笑い始めると、その踊りを見ようと天照大御神は天岩戸を開く。その瞬間、天手力男神が天照大御神を引き寄せ、布刀玉命が天岩戸にしめ縄を渡して岩戸に戻れないようにする。
かくして高天原に光が戻る。
「働かない弟に嫌気が差し引きこもったが、周りが楽しそうだったので、ちょっとだけ覗こうと思ったら、見事に捕らえられたワケだ」
寂しがり屋だな、天照大御神。
須佐之男命はその咎によって高天原を追い出され、出雲へ向かう。
「それにしてにもあがらないが、月読命ってなにしてたんだろう?
夜の神様である月読命が一番被害をこうむっている気がするんだが……」
姉引きこもり、弟ニート、私仕事ブラックすぎワロタwww(482)
1:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
死にたい……
2:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoiokane
月読さんチィース!
3:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
本人特定早すぎワロタwwwwwwwwwww
4:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
世界を暗くするだけの簡単な仕事だって話だったのに……
交代来ないから働き詰めだし……
お先真っ暗です……
5:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
よwるwだwけwにwwwwwwwwww
6:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenotedikara
>>4 それ言いたかっただけだろ?
7:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenokoyane
日がないと作物実らん。
切実に何とかして欲しいです
8:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
>>8 姉がご迷惑おかけしております
9:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenokoyane
つか天照大御神、引きこもって何してんの?
10:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
天岩戸の奥からたまに笑い声が聞こえます
何をしているのかは分かりません。
11:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
デュフフwww
野見宿禰×当麻蹴早がいま一番熱い
12:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
↑これ本人じゃね?
13:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
てめぇぇーーーーーー!!!
出てこいや!!!!!!!!!!
14:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
あwらwぶwっwてwきwたw
15:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
神々の戦いwww
16:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
ほんと出てきて!
お願いだから!!!
17:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
……
18:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
おや……>>18のようすが……!
19:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
だが断る!
20:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
てめぇえええぇっーーーーーー!!!
21:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
もはや様式美www
22:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenokoyane
>>16
>>20
の流れワロタ
23:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
>>11
当麻蹴早×野見宿禰じゃね?
24:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
お前は何をいっているんだ
25:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
野見宿禰×当麻蹴早は気持ち悪い
26:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
死ね
氏ねじゃなくて死ね
27:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenokoyane
なにが起こってるんだ
28:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tamanooya
いまの僕には理解できない
29:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
さあ!
盛wりwあwがwっwてwまwいwりまwしwたwwwwwwwwwwww
30:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
月読さんテラ空気www
31:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
どういうことですか?
32:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
月読さん純情すぐるwww
33:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
本当に意味がわからないんですが?
34:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
どう考えても野見宿禰×当麻蹴早
勝敗から見ても、野見宿禰四股踏み攻め×当麻蹴早蹴り足ハサミ殺し受けが正しいことは
確定的にあきらか
35:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
>>34
なにも理解していない上辺だけのカップリングは本当に気持ち悪いですね
34:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
35:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
うわぁ……
36:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenotedikara
煽られ耐性なさすぎだろ
36:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
なぜ蹴り技の名手たる当麻蹴早が、あっさり殺され、領地を受け渡したか?
本当に分かりませんか?
37:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tamanooya
えぇ、なに一つとして
38:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
蹴り足ハサミ殺し受け! そういうものもあるのか
39:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
おまえらwwwwwwwwww
40:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
あえて野見宿禰に蹴り殺されたんですよ
当麻蹴早はっ!!!
41:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
な、なんだってー!
42:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
俺たちはとんでもない思い違いをしていたようだ。これを見てみろ
『のみのすくね』『たいまのけはや』『あまてらす』平仮名に直し、
『あまいやくすすらみてまけたはねののの』と並べ替える
『の』はノイズと考え『w』に変換し、文字表層を分かりやすくする
すると出来上がる言葉は、
『おまえら くそすれ みて まけたわね ののの』
『お前らクソスレ見て負けたわねwww』となる
つまりこれは巧妙に隠された『クソスレッド』だったのだ!
43:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
な、なんだってー!
44:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tamanooya
>>42の速さに全俺が泣いた
45:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
当麻蹴早は野見宿禰に蹴り殺されることで、領地どころか命さえ野見宿禰に
渡したんです
究極の愛を相手捧げ、その深い愛に気付きながらも冷酷に己の勝利に酔う野見宿禰
つまりこれは
当麻蹴早誘い殺し攻め×野見宿禰鬼畜王子受けが最も美しい
それを単純にしか捕らえられないなんて
いままで愛されて生きてこなかったんですね
46:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tamanooya
イイハシダナー
47:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
もはや>>1が完全空気な件
48:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
月読ェ……
49:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
ごたくはいいから住所さらせや
いまから天叢雲剣持ってそっちいくから☆
50:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:ishikoridome
三種の神器キターーーー!!!
51:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:futodama
検非違使さんコイツです
52:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amenouzume
あんまり可哀相なんで同情くらいはしてあげます
53:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:amaterasu
ウハwww
特定しますたwwwwwwwwwwww
テラ近スwwwwwwwwwwwwwwwwww
54:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:tukuyomi
もうどうにでもな~れ
55:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omikane
ついに月読さんが……
478:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
過疎ったか
479:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:susanoh
今北産業
480:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
>>1と>>23は元からグル
>>11を煽って釣りだし
岩戸前で確保
481:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:susanoh
乙
482:以下、名無しにかわりまして神々がお送りします ID:omoikane
>>11は犠牲になったのだ
世界運行の犠牲にな
「こう考えると親近感がわいてくるな」
ニートと引きこもりって昔からいた。
その事実に少しだけ勇気付けられた。
「しかし、迷惑家族だな、コイツら。日本神話でまともな神様って、何もしてない神様だけじゃねーか。オズボーン一家も真っ青だ」
ヴゥーン、ヴゥーン。
携帯電話にショートメールが届く。
広告か何かだと思って開いたら、
『差出人 090XXXXXXXX
件名 豊田さんへ
本文 あまてらすです。あまり他所の家庭のプライベートにとやかく言うのは感心しません
あまり私を怒らせないほうがいい(#^ω^)ビキビキ 』
「……神様怖ぇ~。見張られているよ」
流石は日本で最初に引きこもりをしたお方だ。
現代機器を使いこなしておられる。
本当に怒っているのか、冗談のつもりなのか、まるで判別できない。
ヴゥーン、ヴゥーン。
二通目だ。
『差出人 090XXXXXXXX
件名 追伸
本文 どちらかというと私も当麻蹴早×野見宿禰です』
「現代に染まりすぎだろ、この神様」
俺は携帯電話に天照大御神の番号を登録した後、パソコンで少しだけ調べ物を続け、風呂に入って寝ることにする。
「えっ? 本当に明日に神様に会うの?」
冷静になって混乱しながら、俺は布団をかぶった。