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第1話

アメリカ某所にある、FBI《メージェント》本部。

そこに、白賀谷珠希の姿があった―――


▪▪▪


「……は、日本の《メージェント》に新しい人が入るのですか」

珠希が言う。


「ああ、若い世代を取り入れたいとの事で、らしいが」

ジョンが返す。


「それで、僕に何か用事でも?」


ジョンは懐から紙を一枚取り出すと、目の前の机に置く。

その紙には、ある人物のところに赤ペンで丸印が囲まれている。


「向こうの三期生です?」 

ジョンは頷く。


紙をまじまじ見る。

……囲まれている名前は、『塩小路翠子(みどりこ)』という人物だ。


「彼女がどうしたんですか」


珠希が言うと、ジョンはゆっくり口を開く。


「彼女は、〈ウェイト〉の(やから)と関わりがある」


▪▪▪


「……どーいう事ですか」


〈ウェイト〉とは、日本で言う《反組織部隊(ノーウェイト)》。

彼らは日本で突然変異(アンバランス)を悪用している、大きな集団だ。

背景は少し知っているのだが、それがどうして―――


()()の名前を見て、何かイヤな気がしてな……俺の能力を使ったんだ。そしたらな」


珠希は唾を飲み込む。


「……彼女の母は既に亡くなっているのだが、実は〈ウェイト〉トップの姉なのだ」


「!?ど、どうしてそんな方を!」


珠希の驚き方を見て、ジョンは苦笑いをする。

「……向こうの警察は、知らないのさ」


「知らないって、どういう事っすか」


聞くと、ジョンは椅子の背もたれに寄りかかる。


「どうやらな、突然変異(アンバランス)持ちの犯罪者相手に弁護士活動をしていたそうだ。それで、変異持ちの家族に危害を及ばせない為にも、家族構成は非公開にして旧姓で活動していたのだ」


なるほど、と珠希は思った。

何かあるかもしれないという危惧から、情報を隠したのか。

……道理で知らない訳だ。


「で、僕にどうしろと」


ジョンは机の方に体を向ける。

「万が一の為、彼女に危害が出るようなら保護を頼む」


▪▪▪


珠希は数日ぶりに、事務所兼家へ帰った。

作業机に、荷物を置く。


「……はあ、翠子さんの保護を頼みたい、か」

椅子に座ると同時に、そう呟く。


ふと、郵便受けにあった新聞を取る。

一面の小さな枠に、『《メージェント》三期生、犯人確保のお手柄』と書かれている。

他ページに飛ばされていたので、その部分を開く。


そこには、『()()と相方が活動初日に突然変異(アンバランス)を使用した窃盗犯を逮捕した』という旨が書かれていた。


「ほう、初日にか。案外良いんじゃねぇっすかね」


そう言い、新聞を荷物の横に置いた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ジェットウオーターァァァァァァァァァ! だったっけ あの興奮よみがえる(;・∀・)っ [一言] |д゜) 外伝や。 外伝キタ――(゜∀゜)――!!
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