第6話 天使
「ところでこの奥にある大きな扉は、いったいなんなのでしょうか。お嬢様、ホワイト様」
「うーん、ボス部屋かな?」
「さき程の休憩タイムのじかんで気力も体力もMAXになりましてよ、ボスだろうがドンと来いですわ」
「ですね、お嬢様! サブレさん! このままカーゴで突っ込みましょう」
「ええ、うちの子」 「はいホワイト様」
準備万端で、ダンジョン最奥にある大きな扉を開けたお嬢様一行パーティ。
開かれた扉の先に見えたのは武器庫、いや鍛冶工房のような設備があり、中型の鬼のような姿形をしたモノが1人いた。その鬼はお嬢様一行パーティが突如乗り込んで来て驚いた様子だ。
「えなんでがここに人族? 見られたからには生きて帰すわけにはいかないんだが人族」
「始末するしかないんだが人族」
「なんでいるんだかわからないんだが人族」
「こいつの斬れ味確かめるしかないんだが人族」
「こいつはエンジェリックエレガントソードなんだが人族」
「オレの最高傑作なんだが人族」
「もういくんだが人族」
「ヤっちゃうんだが人族」
「斬れ味タイムのじか」
「エレガントドリーマーソーーーードストリーーーーム!!」
自己紹介の長い中型の鬼はエレガントでドリーマーな光の剣刃に吹き飛ばされ風に散った。
「こいつなんだったんでしょうね」
「わかりませんわ。魔神かしら」
「魔神の鍛冶職人なのではお嬢様」
「たしかにエンジェリックエレガントソードかなんか言ってましたねこいつ」
「これかしらね?」
お嬢様は所有者を失い床に舞い落ちた剣を優雅にひろい上げた。
「これは!? レジェンダリー!? いやエンジェリックエレガントレジェンダリーですわー!!」
鍔にエンジェリックで翼でフェザーな装飾が施され柄全体はエレガントかつダイナミックな仕上がり、刀身は眩く透き通る白のように輝き、まさにエンジェリックでエレガントな一振りだ。
「お嬢様! すごいですよこれ!」
「お嬢様、なんとエンジェリックでエレガントな……」
エンジェリックエレガントソードを手にしたお嬢様はまさに生きる高貴な天使だ。いや天使をたぶん超えた。うん、ぶっちゃけ天使はこえてる。
こうして近場のダンジョンを完全制覇? いや完全制圧したお嬢様一行は、ダンジョン最奥から外までの帰路、蹴散らした住人たちのレアドロップをカーゴに回収して、るんるんで装備の更新に大成功したのであった。




